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『BEYOND FES 日本橋』谷 真海さん×神山まりあさん トークショーレポート♪

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2019年11月10日、『BEYOND FES 日本橋』のなかで、過去3度のパラリンピックに出場し、現役パラアスリートとして東京大会を目指している谷 真海さんと、VERYモデル 神山まりあさんの特別トークショーが実現。パラスポーツ観戦未体験のまりあさんが、パラリンピック観戦の魅力を谷さんに聞いてきました。

 

パラスポーツ観戦初心者でも
まずは足を運んで、感じてみて

 

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谷さん(以下、谷)まりあさん、パラスポーツって見たことありますか?

まりあさん(以下、まりあ)実はパラスポーツを見たことないんです。でも私、すべて“にわか”から入るので(笑)、この前のラグビーも“にわか”から入って最終的には熱烈なファンになっていました。それと一緒で、これからパラリンピックのことを知る機会が増えると思うので、来年実際に観てみたらどんどん好きになっていく予感がしています。

そういう方にこそぜひ観てほしいです! パラスポーツと言ってもいろんな種目があるので、これと決めずに日程が合うものや場所が近いものにまずは足を運んでいただけたら。

MCスポーツとしての魅力はどういうところにありますか?

言葉で説明するより、まず観てほしいですね。絶対その中で感じるものがあるはずだから。私も自分が脚を失うまで、正直パラリンピックという言葉ぐらいしか知らなくて、もちろん競技をしているところも観たことがありませんでした。私自身が義足になって、あぁスポーツがしたいなと思ったときに、初めてパラスポーツに触れました。イメージがガラリと変わりましたね。リハビリの延長のスポーツではないんだなぁと。れっきとしたスポーツだなと。

まりあ谷さんは20歳で足を切断されましたよね。パラスポーツを始めてスポーツに対する考え方は変わりましたか?

すごく変わりました! 想像できないと思うんですけど、将来を不安に思ったり、落ち込んだりする日々が数カ月続きました。でもスポーツを始めた頃からすごく前向きになれて。スポーツは、人を前向きにポジティブにしてくれるものだなと感じました。

まりあ谷さんがおっしゃるように、やるのも観るのも、スポーツを通じて前向きになれることって多いですよね。頑張った結果は必ず自分に返ってくるんだよということや、チームで動くことの大切さを子どもにも学んでほしいなと思います。

私も、常に目標などを持って頑張っている姿を子どもには伝えたいと思っています。子どもは日々私がトレーニングをしている姿を見ていますし、応援にも来てくれて「ママがんばれー」と言ってくれているので、きっと肌で感じてくれているんじゃないかな。

まりあお子さんはすでにママがアスリートだということをわかっていますか?

わかっていますよ。「来年、東京のパラリンピックだよねー」って話しています。私は朝、トレーニングに行くので息子が起きると私はいないんです。ママがいない寂しさと応援する気持ち両方あるみたいで。「ママ、トライアスロンいつ終わる?」なんて聞かれちゃったり(笑)。まりあさんのお子さんは、ママがモデルだってもうわかっていますか?

まりあうーーーん、、、どうかなぁ。VERYを一緒にペラペラ見ていると、もちろん私を指して「マミー」、他のモデルさんを指しても「マミー」。この前なんて、綾瀬はるかさんを指して「マミー」(笑)。「う~ん、そうだったらいいね~!」って話しました。

 

人間の無限の可能性を感じられるのが
パラリンピックだと思います。

 

MC谷さんは4歳、まりあさんは3歳のお子さんがいらっしゃいますがパラリンピックを見る上でコツはありますか?

コツというのはないですね。とにかくまず子どもと一緒に観戦してみる。うちは車いすバスケットボールとトライアスロンを観たことがありますが、選手みんなに頑張れって声援を送っていました。どの競技を観ても、例えば車いすバスケットボールはスピードと迫力がありますし、視覚障害の人のカテゴリーなら、目が見えない代わりにすごく耳を研ぎ澄ませて、音に集中しているのだなと驚くと思います!

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まりあすごい能力ですよね。障害を乗り越えて頑張っていらっしゃる方って、人間本来の能力+αみたいなものを持っていて、シンプルにすごいなって。谷さんも義足で走るなんて相当練習しないと難しいですよね?

そうですね。私も失ったからこそ他の能力を引き出すというのがわかって、自分自身、そして他のパラ選手を通じて、人間の無限の可能性を感じています。それが感じられるのがパラリンピックだなと思っています。

まりあ谷さんのIOC総会でのスピーチですごくいいなと感動して、子供にも絶対伝えたいなと思ったフレーズが、“I learned that what was important was what I had, not what I had lost. (私にとって大切なのは、私が持っているものであって、私が失ったものではないということを学びました)”。

わぁ、うれしい! 調べてくださったのですね。

MCまりあさんは、パラリンピックについて谷さんに聞いておきたいことはありますか?

まりあ繰り返しになってしまいますが、子どもとの楽しみ方っていうのはどうしたらいいですか?

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公園に遊びに行く感覚で足を運んでいただき、競技を観ていただいたらイメージがガラッと変わると思います。障害がある人へのイメージも変わると思うし、それこそ国際大会なので国籍も違うし、しゃべる言葉も違うし、障害の重さも違う。“多様性”とは何なのか、言葉で説明しなくても子どもにはそこにいるだけで感じ取る力があると思うので、そういう力を養うのによいチャンスかなと思います。

まりあ私はスポーツを観るのは大好きなんですけど、すべてすごく知っているわけではなくて薄っぺらくて(笑)。でも何か感じるものは必ずありますよね。

ラグビーと同じようにパラスポーツだって“にわか”から始まってもいいと思うんです。パラスポーツって、例えば100メートル走でも視覚障害や四肢障害などいくつもクラスがあるんです。でもそんなの考えてる暇なくどんどんスタートするので、深く考えないでとにかく楽しんでほしい。言葉で説明するよりも、スポーツを見れば、こんなにも可能性があるんだ、自分よりもこんなに早く走れるんだって、子どもたちの方が純粋に感じ取れる力があるんじゃないかと思っています。

MC谷さんは選手として、どんな応援がうれしいですか?

トライアスロンは声が届きやすいので、名前を呼んでもらえると、すごく力になりますね。

 

来年のパラリンピックが成功したら
その後の社会に残るものは大きい

 

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MC「バリアフリー」という言葉が最近はよく聞かれるようになりましたが、進んでいるバリアフリー、遅れているバリアフリーというのはありますか?

東京はハードウェアはとても進んでいます。でも心のバリアフリーはまだまだ遅れています。触れ合う機会が少ないから、心の壁を作ってしまうのではないかなと思います。そういう意味でも来年のパラリンピックはよい機会になると思います。もし来年のパラリンピックの会場がお客さんでいっぱいになったら、その後の社会に残るものは大きいと思います。実際にロンドン大会は大成功しました。素晴らしい大会だったと世界中に言われていて、障害のある方に対する印象が変わり、雇用率も上がるという、その後の社会に良い影響を与えています。学校や社会で、障害のある人たちがいろいろなところで交じり合い、支え合う社会に変わっていくのではないかなと思っています。

まりあせっかく来年パラリンピックが日本であるんですもんね。すべてのことに優しい街・東京というイメージが作れたらいいですね。私も“にわか”からですが、みなさんと一緒に勉強して、来たるパラリンピックを楽しみたいと思います!

MC今日は、おふたりともありがとうございました!

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トークショーが終わると、谷さんの息子さんがプレゼントを持ってステージへ。アスリートではない、ママの顔も垣間見られました。

PROFILE

谷 真海(パラトライアスロン/サントリー)

たに・まみ 1982年3月12日生まれ。宮城県出身。2001年早稲田大学在学中に骨肉腫のため右膝下を切断。卒業後、サントリー入社。社員として働く傍ら、陸上競技・走り幅跳び日本代表選手として、2004年から3大会連続でパラリンピックに出場。東京オリンピック・パラリンピック招致の英語スピーチが話題に。2015年に長男を出産後、トライアスロンに転向。2020年の東京大会出場を目指す。
【衣装】 ワンピース¥58,000(エブール)その他/本人私物

PROFILE

神山まりあ(VERYモデル)

かみやま・まりあ 1987年2月17日生まれ。東京都出身。2011ミス・ユニバース・ジャパングランプリ。2015年に結婚、2016年男児出産。ファッション誌、コラム執筆、テレビ、イベントなどで活躍。 飾らない明るいキャラクターが魅力で、インスタグラム(@mariakamiyama)も人気。
【衣装】 コート¥128,000トップス¥24,000パンツ¥36,000(すべてエブール)その他/スタイリスト私物


 

『BEYOND FES 日本橋』って?

東京都によるパラスポーツの応援プロジェクト「TEAM BEYOND」の一環として、多くの方にパラスポーツの競技や選手に興味を持っていただき、競技会場での観戦、応援を推進していくためのイベント。今回その趣旨に賛同し、スペシャルステージが実現しました。


当日は、競技用車いすの試乗体験や、ボッチャの体験などもあり、子どもだけでなく、大人もパラスポーツを体感。競技の大変さとそれ以上に面白さを感じている方も多かったよう。

パラリンピックへ向けて、折り紙や手形で選手たちへの応援メッセージを。選手の皆さんに届きますように!

撮影/杉本大希<Zecca> ヘア・メーク/TOMIE<nude.>(神山さん分)、chiSa<SPEC>(谷さん分) スタイリング/石関靖子 取材・文/嶺村真由子
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