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【ママががんになったら】“9人に1人”が乳がんの時代…検診の最新事情や体験談まとめ

ママが『がん』になったら?子どもは?仕事は?女性の9人に1人が罹ると言われている乳がん。予防はなかなか難しいけれど、早期発見はできるから、検診もブレストチェックもちゃんとしたい。ママたちに知ってほしい、検診の最新事情やがん体験談などをまとめてお届けします。

ママたちの『乳がん検診』事情を聞きました!

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みんな乳がん検診どうしてる?

  仕事や育児に多忙なVERYモデルの結果もまちまちでした

神山まりあさん

罹患したママ友が打ち明けてくれたときに「絶対に絶対に検診は欠かさず受けて」と言ってくれて、その言葉の重さを感じています。

最初にマンモグラフィも行っていてそのうえで乳房の性質から、以降はエコーだけというのであれば〇です。30歳以上で一度もマンモグラフィを受けたことがない場合は、一度マンモグラフィも組み合わせをおすすめしたいところです(島田菜穂子先生)。

近藤千尋さん

家族の幸せは、お母さんが健康でいることが重要だと思います。少なくとも年に1回、これからも受け続けていきたいです。

東原亜希さん

30代前半に線維線腫で引っかかって以来、乳腺専門クリニックで経過観察も兼ねて検診。毎年、同じ先生に診てもらえているのが心強いです。

辻元 舞さん

5年前の次男妊娠のとき以来、健康診断などは未受診。ダメだとは思いながら、元気だからつい時間を作ることを怠ってしまっています。

申 真衣さん

人気のクリニックで予約に苦戦するより、まずは自分の予定で取りやすく、家から近いところで確実に定期的に受けることを優先。

笹川友里さん

30歳を機に毎年受診しています。〝必ず3月頭〟と決めておけば、妊娠・出産などでタイミングがズレても検診漏れ防止。

岡本あずささん

20代から年1回のペースで。でも2023年2月に第一子を出産し、今年はまだ行けていません。間が空いてしまう前に再開しなければ!

妊娠中も授乳中も超音波検査はできますので1年ごとの検診はその時できる検査を継続することが大事です。ただし自治体の検診や人間ドックなどでは妊娠中・授乳中は検査や診断が難しいこともあり、受けつけていない場合もありますが、乳腺専門クリニックなどであれば大丈夫です。また、マンモグラフィは妊娠中・授乳中は基本行いませんが、断乳後3カ月以上経過すれば通常時と同じように診断ができるようになります(島田菜穂子先生)。

お母様が乳がん経験あり、
病気で亡くされた経験をお持ちの
2人の受診体制は?

「エコーは半年に一度。
35歳を過ぎた頃から
欠かさず行ってます」

◉profile

スタイリスト
安西こずえさん

VERYをはじめ多くのファッション誌で活躍するスタイリスト。カシミアニットブランドとのコラボ「COZ manufactured by WRAPINKNOT」も大人気。インスタ@cozcozrin

母が乳がんを患ったのは私が高校生のとき。片方の乳房を摘出しましたが、自分でちょうどいいパッドを作ってラ ペルラのレースランジェリーを着続けたり、趣味の水泳も諦めない母でした。遺伝とかはそこまで気にしたことないけれど、その頃から適齢になったら婦人科系はきちんと検診に行こうと思い、35歳から乳がん検診は半年に1回。エコー検査は毎回、マンモグラフィは2回に1回。子宮頸がん検診は年1回受けています。

胸に良性の脂肪の塊があると指摘されてもずっと同じ病院で定期的に診てもらっていると、その経過もチェックしてもらえるから安心。次の予約は必ず取ってから帰宅する!というのが鉄則です。フリーランスで仕事をしてきて、もし「がん」になったときに何の保証もないという経済的な心配もあるけれど、それよりまだまだ楽しく仕事していきたいから、万が一の早期発見したいっていうのが理由かな。

「毎年、自分の誕生月に
がん検診を受けています」

◉profile

「Tokyo Flamingo」代表
久林紘子さん

パーティスタイリストとして雑誌撮影や企業イベント、CM等の空間スタイリングなどを行う。VERYの撮影時の装飾などをオーダーすることが多い。インスタ@rohicocco

私が大学生で就職活動をしている頃、母ががんに罹患。1年9カ月の闘病の末、亡くなりました。本人も苦しみ、家族にとっては一瞬で世界が変わりました。その経験から、検診は受けようと心に決め、25歳の頃から行っています。婦人科検診で軽度異形成を早期発見できたこともありました。母親になり、子どもが巣立つ前に同じ思いをさせたくない、という強い思いから、大学病院の人間ドックを受けていたこともあったのですが、今は専門のクリニックで受診。

前年の経過を踏まえて診察してもらえること、専門医に診てもらえるということが私にとっては安心できるポイントになっています。女性のリスクが高いレディース系の乳がん・子宮がんは半年単位で、消化器系の大腸・肝臓・胃カメラは一年に一度、自分の誕生月に行くようにしています。検診の前は、薬を飲んだり、夕ご飯を抜いたりするので、今年12歳になる娘にも大人になったら検診に行くことは当たり前のことだと伝わっているのではないかと思っています。

医師に聞く「乳がん検診」の基礎知識

column 1

乳がん検診の今について
聞いてきました

ピンクリボンブレストケア
クリニック表参道

島田菜穂子先生

女性医師、女性スタッフによる乳腺専門クリニック。土日や、平日も夜8時まで診療してくれる曜日があるのが嬉しい。
住所:東京都渋谷区神宮前4-3-13 2F ☎03-3401-7700 乳がん検診(自費・フルコース) ¥18,000

「VERY世代は人間ドックは
オプションの方が大事です」

私が米国で研修をした20年以上前、驚いたのは米国と日本の一般女性の乳がんに対する関心の違い。現在、ようやく日本でも「ブレスト アウェアネス(胸への関心・気付き)」という言葉が広まりつつありますが、現在もまだ関心は低く、二極化しているようです。きちんと検診を受けている人とそうでない人。間が空くと億劫になるし、怖くなるもの。このペースで受けると決めて、かかりつけ医を作ると前のデータを見ながらお話できるのも利点。人間ドックも良いのですが、多くは働き盛りの男性ターゲットに組まれたもの。30代女性には優先度の低いものも含まれ、婦人科系がオプションになっていることが多いので要チェック。

Q. 検診の頻度は
どれくらいが適切?

A. 1年に1回。自治体の検診は2年に1回ですが、それだと万が一進行が速いタイプのがんだと発見時に進んでいる可能性が。遺伝子検査でがんリスクが高いと診断されたり、女性ホルモン治療をされている方は半年に1回をおすすめしています。

Q. マンモ・エコーどっちも必要?

A. マンモグラフィは微細石灰化、エコーはしこり、それぞれ発見が得意なものが違うんです。高濃度乳房(デンスブレスト)の方はマンモでは見つけ見づらいなど人によって乳房の性質、年齢、出産の有無等でも変わってくるため、最初は自分の乳房について専門医に診てもらうのが良いかと思います。もちろん毎年両方受けておくと安心です。

Q. 何歳から受ければよい?

A. 私は35歳からは必ず受けてほしいと思っています。そして一度受けたから安心ではなく定期的に受けることが大切。

体験談①「希少腫瘍が判明。調べ尽くして医師を見つけました」

〝9人に1人〟は他人事じゃない

VERY編集部のメンバーも
〝がん〟を経験しています

罹りたくはない病気だけど、年々身近になっているのも事実だから……もし隣のママががんになったら、受け止めて、受け入れて。

チームVERYでがんサバイバー会を開催! 信頼できる間柄で病気の近況報告や情報交換ができることは何より心強く、貴重な機会となりました。
(左から藤田、関城さん)(佐藤さん衣装)ニット¥29,700(エレンディーク)

【がんになったら、患者は受け身?】

希少腫瘍とわかり、
調べ尽くして見つけた医師。
患者になる道筋は自ら作りました

──ライター 関城玲子さん

「結婚相手を探すようなものだから、
納得いくまで紹介状は何通でも」と
最初の担当医も協力

私の場合は、乳がんではなく、大腸に腫瘍が見つかりました。ちょうど元夫と離婚の話し合いを進めている渦中で、落ち込んでいる場合ではありませんでした。小学4年生だった息子とはその前から〝バディ〟のように生きてきたから、何も隠すことなく、泣くことなく毅然と伝えるべきだと思いました。そして彼も、そのときもその後も体調を気遣う言葉はあれど、弱音はなし。最近聞くと、「一人ではいろいろ考えた……」とは言っていましたが。

死ぬわけにはいかない。NETは珍しい種類の腫瘍。告知当初は、患者はどうしても聞き手になってしまい、医師の質問に答えるだけで終わってしまいがち。ネットで検索しても自分がそのとき欲しかったポジティブな情報はほとんどなくて落ち込むだけ。周囲のアドバイスもあり、ネットを封印していた時期もありましたが元々リサーチ魔で何でもとことん調べて自分で納得することを選んできた人生なのに、肝心なときに私はそれを放棄するの!?と奮起。患者のためのサイトだけでなく、英訳アプリを片手に医療従事者向けの論文や文献も読み漁り、英語を知人に読み解いてもらったり。その当時の主治医にも本音を話し、一般的にお願いするのは気が引けると言われる紹介状も2回書いていただきました。その過程でこの方に診ていただきたいと思える医師に辿り着きました。

年間の発症率は10万人に3~5人と言われる希少腫瘍。その患者を全国に何百人と持つ先生であること、そしてその人柄にも信頼を置いています。もちろん、完治となるまでは私の選択が正解だったのかはわかりません。でも、この先生のもとで手術を受け、今も治療、経過を診てもらえていることに私自身が納得していることがとても大切な気がしています。

プライベートではスペイン在住のパートナーと縁があって、私も拠点を向こうに。今はスペインの大家族、友人たちと賑やかな毎日を過ごしており、数カ月ごとに日本に帰国、仕事も続けています。理解して仕事を発注してくださるクライアントにも本当に感謝なんです。息子の学校のことや仕事のことを考えたら、移住に関して以前なら親も反対したでしょう。でも病気になって初めて、自分の人生の期限を感じた。再発の恐怖と隣り合わせの側面も。だから、ここからは人生のアディショナルタイムだと思って生きていこうと。誤解を恐れず言うと「病気になってよかった」とさえ思えているんです。

病気がわかるまで&治療の経緯

2019年9月から 腹部に違和感

2019年10月 クリニック受診、内視鏡検査→追加検査要の電話連絡

2019年11月1日 院長より告知

2019年11月上旬 1つめの大病院受診

2019年11月下旬 大学病院のNET専門医へ

2019年11月末 手術に向け再度内視鏡やMRI

2020年1月 入院・手術

2020年4月から 大学病院と専門病院での連携した定期検査開始

2020年12月 ベーチェット病と診断される

現在 NETの定期検査を残り7年とベーチェット病の投薬治療をしながら元気に過ごす

体験談②「丈夫な体と過信して、受診が遅れました」

【がんになったらキャリアを諦める?】

治療後も変わらずに元のところに
戻っていくことができました。
戻れる環境があったのは
治療中の大きな支えに

──編集 藤田摩吏子

この9月にはNY出張へも。 撮影/古水 良

「まさか自分が罹るなんて……」
悔しさからの言葉ではなく、
なんてお気楽に生きてきて
しまったのかと思い知らされました

新卒入社からほとんどの時間を仕事に費やし、責任ある立場にもあった2022年4月にステージ2の乳がんと診断されました。実はその前年の秋ごろには自分で何となくしこりに気づいていたのですが、本物の乳がんのしこりを触った経験があるわけでもなく、特に自覚症状もなく、むしろ怒涛の撮影が集中する時期だって校了前だって無理が利く丈夫な体と過信。大きな病院にかかるまで4カ月の時間をかけてしまいました。急展開で組まれた手術、治療へのスケジュール。病に対する恐怖の一方で、日々の生活や仕事はどうしようかということに直面していました。

特に抗がん剤治療は、イメージが先行していて、未知のことにどれだけ具合が悪くなるのだろう、と本来の病気への不安は一度遠くに離れ、あれができない、これができないとなるのか、ずっと寝ているのか、気持ちが悪いのか……。子ども(当時3歳)の相手はどうするのか。幸い、私が想像していたよりも医療は進んでいて、これは個人の体質などにもよるので一概には言えませんが、吐き気どめなどを服用することでずっと何もできないという状況は避けられたこと、そして夫が保育園の送り迎えを含むほとんどの子育てを引き受けてくれたことに助けられました。

仕事は、完全リモートワークを認めてくれた職場の制度、そして上司・同僚の理解に本当に恵まれました。直属の上司は、とにかく休めという優しさもあったと思うのですが、私がどうしたいかを聞いてくれ、私は「確信はないができる限り仕事をしたい」と告げました。聞けば、がん罹患経験のある人に相談してくれたそうで、先回りして私から仕事を取り上げない、と決めたそう。そこからは、常に相談ベースで。パフォーマンスの高い仕事ができたかというとなかなか難しかったと思います。

治療中の副作用や体調は、精神的な浮き沈みも含め個人差があるのであくまで私の場合ですが、今まで仕事中心、子どもが生まれてからは仕事と子育てのみ、で生活してきた私にとっては、やはり治療が進むにつれ暗い気持ちや不安になる日もあったので、〝治療だけ〟にならなかったのは本当に救われました。寛解※1した2023年春、現場に復帰。病気前と変わらない怒濤の日々ですが、仕事や子育てをまた思いっきりできる幸せを感じています。

※1 「寛解」:病気が完全に治った「治癒(ちゆ)」という状態ではありませんが、病気による症状や検査異常が消失した状態のことを指します。

病気がわかるまで&治療の経緯

2021年9月くらい 胸にしこり認識

2021年12月末 クリニック受診

2022年4月8日 大きい病院の乳腺外科受診、検査

2022年4月27日から 入院・手術(温存の部分摘出)

2022年5月末〜 抗がん剤 4クール 途中コロナ感染のため3カ月予定が4カ月

2022年10月〜 放射線治療 1カ月

2022年11月〜2023年1月 抗がん剤 4クール

現在 寛解、再発予防のホルモン治療の飲み薬を服用中

体験談③「ステージ0の乳がんで全摘」モデルが公表した理由とは?

【がんになったら公表する?】

ステージ0でも「がん」は「がん」
情報が少ないことに驚き、
モデルの仕事をしている自分が
話すことで誰かの役に立つなら、
と迷わず発信していこうと思った

──モデル 佐藤弥生さん

◉profile

モデル
佐藤弥生さん

元VERYレギュラーモデルとしてエレカ様連載などで活躍。現在はモデルのほか、コアコンディショニング・瞑想の講師や料理教室など新しい分野にも挑戦。

病気がおもしろい人生に
連れて行ってくれたなと
思いたいから、挑戦していきたい

2021年2月左乳房の全摘手術を受けました。その数年前に乳腺症と診断され、年1回の検診は受けていましたが、がん化の可能性は低いと言われていて楽観視。ところが2020年12月の検診で、しこりは見えないものの明らかに白いモヤモヤが増えていて、すぐに精密検査を受けることに。診断はステージ0の乳がん。ステージ0でも全摘がベストと告げられたときは、どこか他人事で受け入れられない自分と、しっかりしなくてはという自分がいました。

不安でいっぱいのまま手術台に向かいましたが、4時間に及ぶ手術は無事成功。術後は直ぐに通常の生活に戻れると聞いていましたが、自律神経の乱れからくるのか傷の痛みや、頭痛などの不調に見舞われました。同じ経験をした人の声を聞きたくてネットで検索しても、リアルな情報は得られませんでした。誰かの役に立つならと思い自身の経験をブログで公表。すると、多くの反響をいただいてビックリしました。今もブログ、インスタ、そしてラジオやこうした取材を通して、自分の経験をお話ししています。

多くの温かいメッセージをいただく一方、同じような辛い現実と闘っている方々からのメッセージもいただきました。数年前まで想像もしていなかった状況の今、仕事や生活にも変化が。コロナ禍や離婚も経験し「誰かが笑顔になる仕事をしたい」と強く思うようになり、自分にできることは何かと模索してきました。「がんになって良かったとは言えないけれど、新しい自分に出会えた感がある」。再発の怖さや術後の傷口との付き合いかた、術後の不調、再建のこと、迷い決断しながらも、〝私の場合は〟というお話を発信していこうと思います。

病気がわかるまで&治療の経緯

2020年12月 検診、エコー検査

2週間後 MRI、CT、針生検

2021年1月 乳がんと診断

2021年2月 手術

ママが「がん」になったら?読者のリアル体験談

【ヘルシーな生活をしていても、がんになるの?】

努力で回避できないのががん。
だからこそやりたいことを
先延ばしにしない

──読者 会社員、11歳女の子のママ 江 冴子さん

撮影/川原崎宣喜

毎年受けていた人間ドックがきっかけで腎臓がんが見つかり一部摘出しました。運動は週3回するし、酒・たばこもやらない健康が自慢だった私。予防も回避方法もないのががんという病気。本当に〝運〟でしかないんだなと思うと、それはそれでショックで。幸い早期で、担当医から「今までどおりの生活をしていいよ」と言ってもらったのですが、これがもし不幸中の幸いになっていなかったら……と思うと人生やり残したことを先延ばしはやめようと思いました。

その1つが、大型犬を飼うこと。娘が巣立って、自分たちが定年した頃でいいと思っていたんです。元々マンション住まいが好きでしたが、犬が買える一軒家を建てて、ゴールデンレトリバーをお迎えしました。がんは自分の努力ではどうにもできないからこそ、完治はしていますが、転移・再発のチェック、それと年1回の人間ドックは引き続ききちんと受けていこうと思っています。

病気がわかるまで&治療の経緯

2020年1月 人間ドックでグレー判定

2020年2月 再検査、引き続きグレー

2020年4月 再検査、引き続きグレー

2020年5月 大きな病院で再検査、ステージ1と診断される

2020年5月末 入院・手術

2020年6月 オンラインで職場復帰

【ママががんになったらどこで弱音を吐くの?】

甘える自分を良しとして
病気のお母さんでもいい、
と思えたら気持ちが楽になりました

──読者 ヨガ・マインドフルネス講師、
6歳女の子のママ 千葉かつらさん

2021年、友人が30代で子宮頸がんに罹患し、毎年年末に受けていた検診を前倒ししたところ、がんが見つかりました。ステージは1。ステージ3、4の方もいるのだから、私が泣いてはいけない。自分からカッコ良く「乳房は全摘でもいいですよ」と毅然と言おうと思っていたところ、がん細胞に広がりが見られたため「全摘しかありません」と医師から言われたとき、初めて怖くなって病院1階のカフェで大泣きしたんです。

そのとき、自分に泣く許可を出したら、随分心が軽くなりました。ステージにかかわらず落ち込んだって当たり前、と。病気に立ち向かうカッコ良さはなくてもいい、と家族や周囲には弱い自分も見せられるように。今は、何かちょっとストレスを感じたり、忙しくてたまたま外食が続くようなことがあるたびに、再発を気にしていたら精神的に厳しいので、不安に支配されるのは勿体ないという考えで再発は気にしすぎないように。再発しないことが私の人生の目標ではないのです。

乳がんが判明する半年前に福岡を旅したとき。これからも娘の成長を見届けたいし、楽しい思い出を作っていきたい。

病気がわかるまで&治療の経緯

2021年6月 区の健康診断受診

2021年7月 健康診断の結果、しこりがあることを告げられ、近くのクリニックを紹介される

2021年7月 紹介されたクリニックで生検

2021年7月半ば 乳がん告知

2021年8月 大学病院の乳腺外科を受診

その後 遺伝子検査やMRI検査

2021年10月 片胸の全摘、同時再建手術

2022年1月 仕事再開

2022年8月 インプラント再建

現在 ホルモン療法中

知っておきたい『ブレスト・アウェアネス』とは?

column 2

検診だけでなく、知っておこう
「ブレスト・アウェアネス」

出典:Breast CancerRes Treat(2016)156:485-494
より詳細は、ピンクリボンフェスティバル公式サイトにて
https://pinkribbonfestival.jp/

ブレスト・アウェアネスとは、乳房を意識する生活習慣のこと。普段の自分の乳房の状態を自覚しておくことで、些細な変化にも気づくことができるようになります。変化を感じたら迷わず受診をする流れが大切ですが、その入口として主流になっているのがこの概念です。というのも、事実、乳がんに気づくきっかけは、触ったり見たりするブレストチェックが68%。乳がん検診では32%というデータも。

つまり、自分で気づくことができる可能性のある数少ないがんなのです。日本では毎年9万人以上が罹患していますが、早期に発見すれば90%以上の方が治ります。早期発見・適切な治療に繋げるファーストステップとして、大切なのが自分の意識。「がんを探す」のは難しかったり大袈裟で億劫になり習慣化しづらいので「自分の胸を把握する」イメージで。

がんサバイバーママたちが
嬉しかったコトバとは?

◉担当医のコトバ──

「誰もが病気で死ぬわけだから、今病気がわかったからといってすごく不幸というわけではない」

ライター 関城玲子さん

◉思い詰めていた私に
担当医のコトバ──

「原因と結果が結びつくわけじゃないから、今までどおり生活していいよ」

読者 江 冴子さん

◉当時4歳娘のコトバ──

「『ママ、一緒にお風呂入ろ!』片方の乳房を全摘し、傷もある胸を見たら、怖がるのではないかと思っていましたが、全く気にしていませんでした」

読者 千葉かつらさん

◉病名を告げたときの友人のコトバ──

「もうがんになるのって珍しくないから、大丈夫! 私もいつかなる覚悟してる!」

編集 藤田摩吏子

◉治療後訪れたマッサージ師の
コトバ──

「手術、抗がん剤、放射線とフルコースできたことはそれだけやれることが多くてラッキーなことだったんですよ」

読者 永濱佳奈さん

撮影/来家祐介〈aosora〉、木村 敦 モデル/辻元 舞 スタイリング/岩田槙子 ヘア・メーク/桑野泰成〈ilumini.〉、KIKKU 取材・文/嶺村真由子 編集/藤田摩吏子 モデルの検診パート監修/島田菜穂子 撮影協力/Podium Cafe
*VERY2023年11月号「ママががんになったから、伝えたいことがあります 自分をもっと抱きしめよう!」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。

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