VERY July 2024

VERY

July 2024

2024年6月7日発売

930円(税込)

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モンテッソーリ視点で「子育ち」がうまくいく 「住まい」づくり【5つのルール】

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子育ちとは「子どもが自ら成長する力のこと」。積水ハウスが提案する「子育ち」を支える住まい。それは親目線の“子育て”以上に、“子ども自身の育ち”に寄り添う家です。今回は未就学児を育てるVERY読者120名にアンケートを実施。そこから見えてきた疑問や不安に応えるべく、子どもの発達段階の研究に裏付けされた積水ハウスの住まいづくりと、子どもの育つ力を信じるモンテッソーリの2つの視点から、モンテッソーリ教師・あきえ先生と「子育ち」がうまくいく住まいの5つのポイントを考えました。

モンテッソーリ流 × 積水ハウス
子どもがすくすく育つために「家」ができる5つのこと

ルール01

家のどこにいても
子どもが親の存在を感じられて
安心できる空間を設ける

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「0〜3歳は“自分になる”ことを、3〜6歳は“自分でできる”ようになることを手伝ってほしい時期。直接手を差し伸べることだけでなく、“親がいつも見守る”ことで子どもは安心できます」 (モンテッソーリ教師・あきえ先生)。リビングづくりがカギに。例えば、間仕切のない広い大きなリビングをつくり、様々な居どころを設けることで、いつも子どもに目をやりながら、家族それぞれの居心地のよさを叶えられます。
ルール02

子どもの目線の高さに
収納スペースを作れば
自分でお片づけができるように

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「子どもに寄り添う家=居心地のよさと自立を助けることが両立できる家」。成長によって変化する目線の高さに合わせた収納を作ることが、“自分で片付けたい”という思いの後押しに。収納にも可変性を持たせることが大切。「子どもが自分の“居どころ”だと感じられる原点は“自分のものをしまう場所がある”ということなんです」(積水ハウス フェロー・河崎由美子さん)。自分のものを置くことで、テリトリーを作っています。
ルール03

お気に入りのものや
作品を飾るスペースを
子ども自身でコーディネートして
感性を育む

自分が選んだものを好きなように飾る場所があったら、日々小さな成功体験の積み重ねにつながります。子どもの今の興味関心やセンスを知るきっかけにも。「本人がせっかく選んだものは、却下せずに大らかな気持ちで見守りましょう。“結局最後は親が決めるんだ”と思ってしまうと、親や他人に思考を委ねる癖がついてしまいます。子どもの興味関心の移り変わりも見えてくるので、とってもおもしろいですよ」 (あきえ先生)
ルール04

子どもの作業スペースは
親の目が届きながらも
状況に応じて集中できる位置に

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今回のアンケートではリビング学習を実践していたり、プレイスペースをリビングに設けている家庭が多々。「親の目が届くリビングは子どもにとっては安心の居どころなので、リビングで遊んだり勉強したりするのは自然なことです。写真のような机スペースをつくると、集中しやすくなりますよ。15分ほどの勉強なら、座るよりも立って行った方が集中できるというデータもあります」 (河崎さん)
ルール05

子どもがお手伝いをしたくなる、
使いやすいワクワクするキッチン

オープンキッチンは今も人気。「安全を確保したうえで料理しているところを見てもらったり、子どもの“やってみたい”という気持ちを見極められたら。例えば幼児期は、キッチン横に小さな作業台を置いて一緒にお手伝いしてもらうことで、キッチンに立ち入らなくても気持ちを盛り上げることができます」(あきえ先生)。ワクワクとともに危険も潜むので、何でも手を伸ばす時期には洗剤や炊飯器、包丁などを潔く“見えないようにする”ことも重要です。

VERY読者120名へのアンケートで分かった
「住まいづくりと子どもの関係性」

現在お住まいの住居はどういった形態ですか?

1位持ち家・戸建て2位賃貸・マンション3位持ち家・マンション

家のつくりやインテリアは
子どもの成長に影響があると思いますか?

はい
92%いいえ1%

子どもの教育で重視していることは何ですか?
(複数回答可)

1相手を思いやる気持ちや知的好奇心を育む情操教育2判断力や想像力、推察力を育む知育教育3絵や工作、モノづくりなどの創造力

モンテッソーリ教育が薦める“子どもが育つ家づくり”はご自宅でも実践できそうですか? してみたいと思いますか?

わりとそうだ31%とてもそうだ27%かなりそうだ24%
積水ハウス フェロー・河崎由美子さん×モンテッソーリ教師 あきえ先生

子どもの成長には「環境=家」を
整えてあげることが大切です

子どもが自分の力で生活できるようになるために、どのような環境づくりをすればいいのでしょうか。積水ハウスで子どもの発達段階を軸とした住生活研究を続けている河崎由美子さんと、モンテッソーリ教師で自身も1歳と7歳のお子さんを育てるあきえ先生に、「子育ち」をサポートする家づくりについて伺いました。
積水ハウス フェロー R&D本部 河崎由美子さん

河崎由美子さん

積水ハウス フェロー。1987年入社。キッズデザイン、ペット共生、収納、食空間など、日々の生活に密着した分野の研究開発全般に携わる。執行役員、住生活研究所長を経て、2023年4月より現職。一級建築士。共著「生活リテラシーBook 子どもの生きる力を育む家」

モンテッソーリ教師(国際モンテッソーリ協会ディプロマ)あきえ先生

あきえ先生

モンテッソーリ教師(国際モンテッソーリ協会ディプロマ)。保育士として関わった大人主導の現場に疑問を感じたことをきっかけにモンテッソーリ教育を学び、教師となる。著書に『モンテッソーリ教育が教えてくれた 「信じる」子育て』(すばる舎)がある。

子どもの“やってみたい”を後押しできる住まいを

VERY編集部(以下、VERY)
「子育ち」に寄り添う住まいづくりのために、まず頭に入れておきたいことは何でしょうか。
河崎由美子さん(以下、河崎さん)
家づくりの主語を「子ども」に変えてみることです。親にとって子育てが大変だから○○、子育てが楽になるから○○だけではなくて、“子どもはどんな家に住みたいだろう”とまずは考えてみる。思いっきり遊べるようにリビングを広くしよう、片付けを自分でできるように収納はリビングに作ろうなど、子どもがどの発達段階にいて、どんなサポートを必要としているのかを考えると、住宅に必要な条件が変わってきます。
あきえ先生
子どもは育てるものではなく、本来育つ力をもっているので、私たち親は住まいを通して「自立」のサポートができればいいんですよね。大人が子どもをしつける、教えこむという一方通行の構造ではなくて、「子ども」「環境」「大人」の三角関係がバランスよく保たれることをモンテッソーリ教育でも大切にしています。子どもの、“自分でやってみたい”という気持ちを叶えられる住まいを考えたいですね。
河崎さん
子どもにとってのユニバーサルデザインはシニアにとってのそれとは大きく違っていて、段差や開き戸もむしろあっていい、“自分でできる”を促してあげられる住まいづくりが大切です。家から一歩外に出れば、段差も扉も蛇口もあるわけだから、“こうやって気をつけるんだよ”ということを家の中で学んでいける。“小さなケガは学びのため、大きなケガは防ごう”、という意識でいるといいのかもしれません。

どこで勉強をしたいかの選択を子どもに委ねる

VERY
子どもがリビングで勉強や作業をしている家庭がたくさんありました。それは「子育ち」にどのような影響があるのでしょうか。
河崎さん
リビングであることがいいかどうかよりも、子どもがどこで勉強をしたいのかを子どもに聞くことが大事。聞くと、漢字ドリルはここ、計算ドリルはここ、社会の勉強はママに聞きたいからリビングで、というように必ずしも1カ所ではないんですよね。本人が気に入った居心地がいい場所で勉強できるように整えてあげればいいんです。
あきえ先生
モンテッソーリ教育を実施しているほとんどの園や学校では、固定の席が決まっていません。「今日は何をしよう?」から始まり、「昨日のブロックの続きをやろうかなあ」→「それなら広い席が必要だ」→「空いている席を探そう!」と、自分で考える。子どもの欲求から想いにまで耳を傾けて、最終的に選択する権利は子どもに委ねます。
河崎さん
リビング学習で気をつけたいのが、机の上の明るさのこと。よく食卓で勉強するシーンがありますが、できれば、食卓と勉強机は別にするのが理想的。衛生的な理由はもちろんですが、実は食べるときと学ぶときとでは必要な照度が大きく違うんです。勉強時に、食卓の明るさでは足りないんですね。例えば漢字は、トメやハネまではっきり読める明るい照明の方が記憶に残るというデータもある。子どもが宿題やお絵かきをしたり、ママが保育園の手帳を書いたり……座る姿勢で作業できるちょっとした専用の机をリビングに置く。
あきえ先生
大いに賛成です。食卓で勉強を進めると、「そろそろごはんだから片付けて」など、子ども以外の事情が入ってきてしまうんですよね。専用の机が一応設けてはあるけれども縛られているわけではなく、選択する余白はもちろんある。その中で、“やりたいならば環境はありますよ”と示してあげる。子どもを主語に考えることができるかがとても大事だと思います。

まずは余分な椅子を1脚置いてみる

VERY
アンケートを見ると、編集部が想像している以上に住まいづくりの中で「子育ち」を考え実践している家庭が多いという結果でした。今そこまで進んでいる方に提案したい、“次の一歩”はどんなことが考えられますか?
あきえ先生
常に“子どものために”という家の捉え方ではなくて、家は“家族みんなの場所”なので、子どもを主語に考えながら大人も心地いい場所にすることです。子育ちや子どもの自立を促すことはもちろん大切ですが、家は訓練の場ではないから、大人にとっての暮らしやすさも実現できたら。今回はモンテッソーリ教師として住まいづくりについてお話ししましたが、“こうしなきゃいけない”からやるのではなくて、あくまで目の前の子どもが答えを持っていることを一番に考えられたらいいのかなと思います。モンテッソーリ教育だからではなく、子どもがどう感じているのかを大切にしたいですね。
河崎さん
私は、「社会性」について考えてみることを提案したいです。子どもにとって最寄りの社会は親。いつかは誰かと生活しますから、コミュニケーション力をつけるヒントが家の中にあるといいのではないでしょうか。そのために、親が家の中で誰かと関わる姿を見せていく。まずは、余分な椅子を一脚置いてみませんか? いつお客さんがきてもいいように。海外に比べて日本の家はまだまだクローズド、他人を受け入れることが少ないのが現状ですが、余分な椅子があるだけで“ウェルカムな家”になる。急に遊びに来た子どもの友達にも「一緒にごはん食べる?」と気軽に言える。そんな心構えの部分も、私たちは提案できたらと思っているんです。
「家」は子どもたちにとって大切な原風景。どんな家で誰とどう過ごすかで、それぞれの生きる力を身につけていきます。「子ども」を主語に家づくりを考えるには、まず、子どもがどう発達しようとしているのか、様子をじっくり観察すること、そして、小さな一個人として目線を合わせて対話をするといいですよ。もし、これから家づくりを検討したい方、今まさに家を作ろうとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。

取材・文/藤井そのこ
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