“大人”がもっとも
読みたくなる
“キッズファッション”
メディアができるまで
VERYでスポットを浴びるようになって10年を迎えたクリス-ウェブ 佳子さんが「これからは自らの力でビジネスチャンスを切り開く女性たちをサポートしたい、一緒に何かを創出したい」との想いから立ち上げたこのSPOTLIGHT。新時代らしいビジョンを持ち、しなやかに自分らしく、仕事を、そして人生を楽しんでいる女性たちにスポットライトを当て、ウェブさんが実際に会いにいきます。2回目となる今回は、ウェブさんと共通の友人も多いけれど、実際に会うのは初めて! という、オンラインメディア『TIAM(ティアム)』代表の石川明日香さんを迎えます。
2011年からVERY専属モデルに。モデル業のほか、本誌巻頭エッセイを執筆し、書籍化するなどマルチな分野で活躍中。InterFM897「Naked Seoul」(毎週土曜13:49~13:59)でメインDJも務める。2人の娘を持つママ。
キッズファッションメディア『 TIAM』代表。GAP、TOMMY HILFIGER 、PATACHOUを経てフリーランスのPRとしても活動。中学1年の男の子と小学4年の女の子を持つママ。
発信する場所がないなら
自分で作るしかないなって
明日香さんとは初めましてのはずなんだけど、そんな気がしないのは、実は共通の友人がとても多いんですよね。
そうなんです。いつかお会いしたいなと思っていたら、我が家に来ていただけるなんて!
手掛けていらっしゃる『TIAM』読みました。PEOPLEのカテゴリとか、本当に気になる方ばっかり!人選の基準はどのように?
実はほとんどが友人なんです。自分がこの人の書いたものを読みたいかどうかが基準。キッズメディアでありながらも、ママとしてだけでなく、一人の女性として読んでもらう価値のあるものを作りたかったので。
なぜ、今メディアを作ろうと思ったんですか?
すごくシンプルな理由なんですけど、キッズファッションを発信できるフィールドがなかったんです。もともとPRなので、常に情報を発信したいと思いつつ、方向性が微妙に違ったり、WEBが弱かったり、これ! という媒体が本当になくて。じゃあ自分でやるしかないか、と。
スマホでも読みやすいTIAMのビジュアル。リリースを記念してSKINとコラボしたTシャツはウェブさんも絶賛。
周囲の反応はどうでしたか?
だいたい反対されましたね(苦笑)。仕事繋がりの友人には「必然性は理解できるけど、どこで収益を得るの?」って心配されました。PRとしてお世話になっているキッズのファッション誌にも、メディア立ち上げのご挨拶にお伺いしたんですが「業界全体が活性化するのはとても良いことだから歓迎だよ」と競合にもなり得るのに快く迎えてくださって。でも「とはいえメディア運営は本当に大変だから、まずはインスタでいいんじゃない?」なんて、アドバイスもいただいたりして……。それでも、なぜかやめようとは思わなかったんですよね。
自分が心からいいと思えるものは、絶対ビジネスに乗せるべき! 本当にそこで折れずに、立ち上げてよかったですね。『TIAM(ティアム)』って音の響きがすごくいいなと思ってたんだけど、由来は何ですか?
名前のヒントを探しに出かけた本屋さんに『翻訳できない世界のことば』という本があって。その中にあった“TIAM”はペルシャ語で「初めてに出会ったときの目の輝き」という意味だったんです。ああ、これはぴったりだなって。初めてのニュースにふれて、子どもたちがわぁ! ってなるようなことを積み重ねていきたいなとはっきり思えたんです。
教育は“共育”でもある
母も子も一緒に
育っていくもの
『TIAM』は昨秋にリリースしたんですよね。去年は明日香さんにとってどんな一年でした?
本当に言葉通り、怒涛の一年でした。当初、『TIAM』は個人でやろうと思っていたのですが、メディア運営が個人ってイメージ的に脆弱だし、やっぱり法人化したほうがいいなと思い直し、昨年の8月に会社を作って、10月には『TIAM』のローンチ。目がまわるような日々でした。
そんな明日香さんをご家族はどんなふうに見つめていらしたのでしょう。
娘は「最近、ママってなんのお仕事してるの?」と興味津々。息子は場所も時間もフレキシブルに働く私を見て「うちって変わってるよね、超自由じゃん」と(笑)。実は私、2年前に離婚したんですけど、この一年は家族の空気もすごく大きく変化した気がします。会社設立、メディア立ち上げ、そこに息子の中学受験も加わって。
盛りだくさんな一年! どんなふうに変化が?
受験が一番効いたというか。息子に必死で寄り添って、一緒に悩んで苦しみぬいた中で生まれた新しい信頼関係は大きかった。すんなり離婚を受け入れた娘とは違い、息子はずっと「ママが離婚を選ばなければ、パパと一緒にいられたのに」と、周囲の友達にも離婚の事実を隠していました。本当に申し訳なくて苦しかった。ところが中学に入ったこの春、仕事と学校のPTA活動の両立に悩んでいた私に、息子が「シングルマザーなので無理です、って言いなよ。周囲のお母さんに助けてもらおうよ」って急に言ってきたんです。もう驚いたのと胸がいっぱいで言葉にならなかった。なんだか私たち家族の間の空気が変わった瞬間でした。
今も現役のレコード盤を見て、
ウェブさんが「この曲聞きたい!」とリクエスト。
何かと趣味の合う二人が話す姿は旧友のよう!
子どもに教えられること、気づかされることは本当に多いですよね。教育は共に育つ“共育”でもあるから。私も離婚してすぐの頃「普通のママじゃなくてごめんね」って話したら「ママ、普通ってなあに? 普通の家なんてどこにもないのよ」と。彼女たちも友達同士で家族の話をし、その中でどんな家庭にもそれぞれ悩みや陰があることを知っているのだと教えてくれて、救われる思いでした。
自分のことは整理できても、子どもたちにとってこれで良かったのか、ずっと不安だったから。でも迷いなく前に進むしかないなって。
すごくわかる。この前ね、友人たちが離婚後「新しい人生の始まり、おめでとう!」ってお祝いしてくれて。ああ、そうだ、私は幸せになるために離婚したんだって思い出したんです。
好きなことを仕事にできた
その幸せを伝えていきたい
この先は『TIAM』を通じて、一方的に発信するだけでなく、参加型のイベントを開催したり、服以外にもカテゴリーに縛られない提案をしたりとインタラクティブなことを自由に、制限をかけずに挑戦していきたいなと思っています。
少女時代を過ぎ、結婚・出産・離婚まで経て、いよいよ私たちは人生のチャプター3。
本当にその通り! この前、息子が「塾で友達が“受験失敗したら、人生終わりだよ”なんて言っててさ。そんなわけないじゃんって思ったよ」とふいに話しかけてきて。好きなことを仕事にする喜びや、人生で最も大切な財産は家族や友人、仲間といった“人との繋がり”であることをたくさん語り合えました。決して順風満帆ではないけれど、私が母として一番子どもたちに伝えたいことは、仕事を楽しむ姿を通じて感じ取ってくれているんだなと少しだけ安心したんです。
子どもたちは本当に私たちをよく見てくれているんですよね。私も嘘偽りなく幸せである姿、仕事を心から楽しむ姿をこれからも見せていきたいな。まだまだ話し足りないから、今度は友人たちを交えて、また会いましょう。
居心地の良い明日香さんの自宅兼オフィス。
デスク横には娘さんがハマっているというスライム作りのワークスペースが。
眺めても読んでも楽しい♡
感度の高いキッズファッションメディア
TIAM(ティアム)
2018年にリリースしたキッズファッションに特化したWEBメディア。眺めているだけでも夢中になれる作り込まれたビジュアルはもちろんのこと、ジャンルにとらわれず、親子で体験したいモノやコトの情報がWEBならではのスピード感で発信されています。今回は『TIAM』と話題のクリエイティブユニットSKINがコラボした大人&キッズサイズのTシャツをSPOTLIGHTでも特別展開。シンプルでいて、存在感のぐっと効いたTシャツはオールシーズン活躍すること間違いなしです!
- URL:https://tiammagazine.com/
- Instagram:@tiam_magazine
撮影/谷口大輔 取材・文/関城玲子