VERY October 2022

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SHELLYさんがウィル・スミスの一件で思った「日本とアメリカの受け止められ方の違い」

※このコラムはVERY2022年6月号(2022年5月7日発売)に掲載されたものです。

長女も6歳になり、お友だち同士のトラブルもこれから増えてくるタイミングかなぁと思っています。今はお友だちとのお出かけも親同伴で目の届く範囲で遊んでいるけど、そろそろ子どもだけの世界も増えていきますよね。よく、トラブルにどこまで親が介入するか悩む話を聞きます。でも私は、手が出ちゃったとか明らかに意地悪しているわけでないなら、基本的には子どもたちの中で揉まれたらいいかな、というスタンス。トラブルを避けようと親が出ていくことで、「嫌われないようにしないとね」「できることを自慢しちゃダメ」などと刷り込んでしまうこともあると思う。嫌なことを嫌と言える子は、周囲から「私は言えなくて我慢しているのに何、この子!」と反感を買ったりします。でも嫌われる勇気を持っている人の方が成功していたりもするし、個人的には嫌なことをちゃんと言える大人になってほしい。輪を乱さないことを重要視しすぎているために、面白い発想を持っている子や、はみ出る子を押さえつけているかもしれません。そう思うと、子どものケンカ一つでも、親がどう子どもに声がけするか、気をつけないといけないなぁと思っています。

先日(※取材当時)のウィル・スミスの暴行事件は大きな話題になりましたよね。私は心底、ウィル・スミスにがっかり。それと同時に、日本とアメリカの受け止められ方が全然違うことにびっくりしたんです。日本では、「自分が妻だったらうれしい」とか、「男らしい」「あんなことを言われて怒って当然だ」とかウィル・スミスを擁護する声が多かったように思います。でもアメリカでは、どんなことに対しても暴力はダメだ、という意見が多数派だと感じました。

もちろん大前提として、人の見た目を笑うのは絶対によくないこと。もしぶたれたクリス・ロックがウィル・スミスの妻の脱毛症を知っていたなら論外だし、知らなかったとしてもひどい。でも、数億人が見ている前でぶつなんて理性のある人間のすることではなくて、ウィル・スミスはアンガーマネジメントのカウンセリングに行った方がいいと思う。もしぶったのがウィル・スミスではなく一般客ならすぐセキュリティにつまみ出されたはずなのに、そうなることもなく、結局その場で受賞も許されたというのもおかしな話です。ぶつことで家族を守ったつもりかもしれないけど、クリス・ロックにも子どもがいます。世界が見ている前で父親がぶたれたら、ショックですよね。「オレの女を侮辱した、許さねえ」と所有物を守っている感覚も危険だし、それを外野が素敵と思ってしまうのも危険ですよね。まさにこれはToxic masculinity(有害な男らしさ)、ではないでしょうか。

久しぶりにTwitterを熟読して興味深かったのは、もしぶったのが妻だったら?という意見。ウィル・スミスと違い、ヒステリックな女性として捉えられたのではという意見に納得してしまいました。それにもしクリス・ロックが白人司会者だったら? ひどいことを言った男を殴って喧嘩両成敗という話ではなくて、いろんな問題が隠れているなと思います。

でも、こんなことがあっても、アメリカでは男の強さの基準はだんだんと変わってきていて、だからこそ非難も大きかったのだと思います。有害な男性性は、男性も女性も苦しめるもの。「壁ドン」だってある種のDVだと個人的には思うし、娘たちがそれを喜ぶように育てたくない。まだまだがんばって、この問題と向き合っていかなければいけないようです。

◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。6歳と4歳の娘の母。

公園で必死にカエルの卵を探す長女。手を何度も突っ込み、空振りして、ようやく見つけました!

撮影/須藤敬一 取材・文/有馬美穂 編集/羽城麻子
*VERY2022年6月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

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