生活リズムも価値観も自分優先ではなくなったけれど、本当は誰にでもあるずっと変わらず好きなこと。費やす時間は変わっても、持ち続けることが笑顔の糧になっている、そんな素敵な人たちの〝自分軸で好きなこと〟をご紹介する、新連載がスタートしました。
※掲載中の情報はVERY2021年10月号掲載時のものです。
【新連載】 ママですが、○○が好き!
TBSアナウンサー・古谷有美さんは
イラストが好き!
❝忙しい日々の中で
これだけはラクしたいと
思わない時間です❞
イラストを描くのは、
生活の必需品iPad
以前からイラストに登場するもののほとんどが、自分には似合わないだろうけど素敵だなと思うファッションの世界。金髪ショートヘアやハイブランドのオートクチュールを纏った女性……描きあがると、もう自分自身が着たも同然!なんて(笑)。使うのはiPadのみ、アプリも無料のもので、途中で中断するのも、片付けも簡単。必要なスペースは自分1人分で、そうやってこじんまりとできるのも良いところ。子どもが生まれてからは、授乳中には映画、子どもがぐずったら子ども番組、オムツが足りなくなったらポチッと発注するなど、iPadは何においても頼りになっています。
息子は今、9カ月。産後3カ月は夫婦ともに記憶がないほど目まぐるしく過ぎ、徐々に今後を考える余裕ができたころ、夫が「好きなことは無理してでも続けたほうがいい」と背中を押してくれ、再びペンを握る時間を作るようになりました。家事など、いかに簡単に済ませようかと考えることのほうが多い中で、この時間だけはラクしたいと思わないのが不思議です。ときどき我を忘れて没頭してしまうのですが、体は疲れていても、頭の中はふわっと元気になれるんです。
もちろん、今日は描かずにぼーっとしていたいなと思うこともあるし、日々美しいものに触れてこそ描きたいとなる、そのインプットが枯渇していると思うことも。でも、それがダメとも思いません。いくらでも絵の題材になりそうなヤンチャな息子を観察しながら、いつかあれこれ描けたらと想像し、ゆるいモチベーションで続けています。
自分の時間が持てるのは
先輩たちの教えのおかげ
イラストを描く時間は、息子のお昼寝2時間と、就寝後の20時以降。この習慣がうまくついたのは、先輩ママパパである友人たちのおかげです。妊娠が分かった時、ネントレの大切さや産後に起こる心や体の変化を教えてくれて。夫婦でも産前から様々な話をしてきたので、こんな日もあるよね、と上手に消化することができています。
絵を描き始めるとつい、カップの紅茶を一口も飲まず2時間没頭なんてことがザラにある私。夫は運動が大好きで、毎日5時半起きを厭わず汗を流しているような人。お互い、そういう姿を見ているのが楽しくて嬉しくて。好きなことを尊重して、お互いの時間は干渉しないのが、私たちのスタイルです。
夢は、大好きな父の作り話を
絵本にすること
ありがたいことに、これまでも個展や商品の挿絵などをさせていただいたのですが、今後もイラストのお仕事を広げていけたらと思っています。先輩の結婚25周年にサプライズでイラストをお贈りしたら、とても喜んでもらえて。誰かに喜んでもらえるって嬉しいものですよね。密かな夢もあります。小さい頃、寝る前に必ず父が聞かせてくれたオリジナルのお話を絵本にすること。毎晩とても楽しみだったそのお話は、父の思いつきなので、まずは思い出すところからですが、いつか実現したい。と、思う存分描く時間はまだないけれど、妄想はいっぱい膨んでいます。
PROFILE
●古谷有美さん
ふるや ゆうみ・TBSアナウンサー。2011年にTBSテレビに入社後、報道からスポーツ、朝の情報番組まで幅広いジャンルで活躍。みんみん画伯として描くイラストが人気で著書に「you&me女子アナの私、普段のワタシ」(双葉社)がある。プライベートでは、一児の母で現在産休中。
撮影/佐藤航嗣〈UM〉 ヘア・メーク/KIKKU 取材・文/高橋夏果 編集/磯野文子
*VERY2021年10月号「【新連載】 ママですが、○○が好き!」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。