余裕がなくて、やりくりがうまくいかなくて、自分が思う「いい母像」に近づけなくて。ふと自分が嫌になったりしちゃうあなたに、人生の先輩たち=かまへんサポーターズから、ママの心の負担が少しでも軽くなるようにとの思いを込めて、愛ある「かまへん」お届けします。今回は、お茶の水女子大学こども園園長・宮里暁美さんです。
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#ママも休業宣言しちゃってかまへん 宮里暁美
努力は報われると信じて頑張ってきた人生なのに、子育てとなるとこんなに努力が報われなくて、達成感もなくて、理不尽な経験ってないわよね。子育てって、人生で一番大変なことかもしれない。だから、休業宣言しちゃっていいと思います。週休2日とってもいいくらい。子育ては自分の責任だと思いつめやすいけど、選手交代してもっと放り出していいんじゃないかな。パパでも、おばあちゃんやおじいちゃんでも、誰にでも頼っちゃう! もしかしたら面倒なことが倍起きるかもしれないけど、一人で抱え込んで苦しくなっちゃうよりずっといい。それに、ママが頑張っても打てば全部響くわけじゃないし、子どもは今日できたことが明日できるとも限らない。「あれしなさい」「これしなさい」だと9割くらいはあんまりうまくいかないし、自分も辛くなっちゃうよね。子どもを信じて成長を見守ったところで7割くらいは肩透かしなんだけど(笑)、たまにピタッといい感じにうまくいくことがあるじゃない? 育児がそんな3割打者だったらもう上出来! 周りのママがすごくいい親に見えるのも、みんな一緒なの。とびきりの秘策を教えるね。子どもを認めるハードルをうーんと下げておく。そうしたら自分も楽になれるし、褒められてうれしくない子どもはいないから。
私も、1人目の時はピリピリ神経質になってその子が中学生の頃に「僕が辛い時にお母さんが僕より辛くなるのはやめて」って言われたことがすごく心に残ってる。子どもはね、今のお母さんのままでいいと思ってるから、がんばらないでいいんですよ。「笑ってるお母さんが好き」なんて子どもから言われるのは修行だと思うけど(笑)、達成感は仕事や趣味で手に入れて、子育てでは求めないのが一番。休業宣言だってばんばんしていいと思いますよ。
国立大学法人お茶の水女子大学
アカデミック・プロダクション特任教授
宮里暁美さん
元文京区立お茶の水女子大学こども園園長。「耳をすますこと、目をこらすこと」を心がけ、30年以上保育の現場や保育者育成に従事する。著書に『子どもたちの四季』(主婦の友社)など。3児の母。
取材/有馬美穂 編集/羽城麻子
*VERY2021年9月号「【大特集】「そんなの、かまへん!」マインドでいこう!Part6」より。
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