今回は、2017年4月にオープンしたばかりのインターナショナルプレスクール「東京チルドレンズガーデン」へお邪魔してきました。ここではイタリア発祥の「レッジョ・エミリアアプローチ」の教育理念をコアに据え、2歳から6歳までの子どもたちがのびのびと過ごしていました。
「レッジョ・エミリア教育」って知ってる?
教育のコアはイタリア発祥の「レッジョ・エミリアアプローチ」を採用。子ども一人一人の自由な考え方、プロセス、学び合いを大切にしていくことを重要視しているのがレッジョ・エミリア教育です。そこに欠かせないのがアートの存在。アート作品を製作することで、子どもの潜在的な可能性を引き出し、その子に合った教育を掘り下げていきます。
例えば、子どもたちが自由に使えるスペースには、木の枝や葉、小石などの自然のものや布地などが置かれ、子どもたちは自由にそれを使って、作品を作っていきます。先生が「あれをしなさい」と指導することはなし。クレヨンや紙が置かれたコーナーもあり、絵を描きたいと思った子はそこでのびのびと絵を描いています。平日ほぼ毎日アートの専門家が来て、子どもの創造的活動を支援してくれるそう。
その結果、自分で考えながらコミュニケーション能力や社会性を身につけ、自主的・個性的でありながら協調性のある子どもが育つことに繋がるといいます。
圧倒的人数の教員配置
300㎡もある広々とした校舎には、空間作りへのこだわりが溢れています。最大限大きくとられた窓からは日差しがたっぷり入り、室内の遊具は木目調で統一され、備品なども温もりのある色使いを意識。揃って給食を食べる机は保育園や幼稚園では珍しいハイテーブルで、部屋の中にはソファも配置。まるで、誰かのお宅でみんなで遊んでいるような、穏やかな雰囲気が感じられました。
その広さに対して子どもの定員は18名。そして職員8名(うち教員5名)という、かなり余裕のある教員比率も特徴のひとつ。
「ひとりの子どもにとって最良の関わりを導くには、複数の教員が日々接し、子どもの成長についてさまざまな視点から確認し、話し合っていくことが必要」と理事長の伊原さんは話します。
朝から縦割り教育スタート
2歳から6歳までが一緒に過ごすため、自然に年上の子が年下の子を思いやったり、教えてあげたりする機会がたくさん。また年下の子も上の子の真似をしたり、憧れを持って異年齢の子供たちの活動の様子を見ることで、お互いにいい影響を受け、いろいろな成長が見られるといいます。
訪れた時も、お散歩の準備の時に下の子が靴をゆっくり履くのを、上の子が自然と待っていたり、下の子が歩くスピードに合わせてあげたりという姿が見られました。下の子たちも上の子の様子をよく観察しているな、という印象でした。
〝日本語もあり〟がほっとする
基本、保育は英語で行われますが、分からない子には日本語で話すことも。インターナショナルスクールによくある〝日本語厳禁〟のルールは敷かず、先生が毎日英語の絵本を読み聞かせしたり、その他の勉強もランチタイム前に数字カードを使ってゲーム感覚で数を学んだり……。日常の中に自然と学ぶことが組み込まれていて、ワクワクしながら、楽しみながら、勉強ができるように考えられています。
「東京チルドレンズガーデン」
東京都品川区東五反田5-11-1101 ☎03-6271-9336
http://www.tokyochildrensgarden.com
対象年齢 2歳から6歳まで
保育時間 8:30-14:30(最大延長18:00まで)
(取材・文/立花あゆ)