撮影現場のロケ弁でも人気のケータリングやさんに教えてもらう、おもてなし料理。冷めても美味しい&オシャレ見えのアイデアは、ママ友たちを招くホムパでも活躍するはずです。
Vol.10 出張料理人 岸本恵理子
イタリアのマンマから教わった
常備フードを展開するおもてなし術
マンマの味がいちばん! イタリアではお母さんの料理が最高のもてなし料理なんです。 色々な地方の家庭料理を学んだ岸本さんが知ったのは、“常備フード”をいろいろな形にアレンジしていること。だからマンマは、突然の来客や大勢のゲストがいても、いつだって慌てず笑顔でもてなしてくれる。
■サルサヴェルテ
サルサ=ソース、ヴェルテ=緑という意味のソースは、イタリアンパセリやバジル、アンチョビ、ゆで卵などを細かく刻んで混ぜたもの。このレシピは、ローストしたパプリカを隠し味に入れているのがポイント。
<材料>
イタリアンパセリ…40〜50g バジル…5〜6枚 アンチョビ…5枚 ケイパー…15粒
コルニション(小さなきゅうりのピクルス)…2本
ローストしたパプリカ(皮が柔らかくなるまでオーブンなどで焼き、皮をむき、水分を飛ばす)…1/10個分
にんにく…1/4個 ゆで卵…1個 オリーブオイル…100〜150cc 赤ワインビネガー…小さじ1/2
<作り方>
❶ゆで卵以外のすべての材料を、細かいみじん切りにする。オリーブオイルを加えて和える。
❷ゆで卵を粗めのざるを通してミモザ風にして①に加え、赤ワインビネガーを加える。
※冷蔵庫で2〜3日保存可能。
★サルサヴェルテの作り方を動画でチェック
■鶏のツナ仕立て
しっとり柔らかく茹でた骨つき鶏もも肉をツナフレークのように割いて、ハーブとオリーブオイルにつければ冷蔵庫で約1週間保存ができる。ホムパ当日は、ポテトサラダにしたりフルーツサラダにするなどいろいろな料理展開が楽しめる。
<材料>
骨つき鶏もも肉…2枚 ローリエ…1枚 クローブ…4〜5本 玉ねぎ…小1個 人参…小1本 セロリの葉の部分(もしくはパセリの茎でも良い)…少々 塩…適量 黒胡椒粒…適量 にんにく…ひとかけ オリーブオイル…150cc程度 セージの葉…4〜5枚
<作り方>
❶皮をむき、表面にクローブを刺した玉ねぎ、乱切りの人参、セロリの葉、ローリエを、材料が隠れるほどのたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰させる。
❷①に十分な塩を加えて(スープとして飲める程度の塩分)、鶏もも肉を入れ、あくをすくう。
❸弱火で1時間茹でる。肉面が水面上に出ないように、オーブンペーパーなどで落し蓋をすると良い。
❹火を止めて、そのまま常温になるまで放置する。
❺鶏肉を手で細かく割く。
❻ガラス等の保存容器に押しつぶしたにんにくを入れ、オリーブオイル、肉、セージ、黒胡椒を交互に入れオイル漬けにし、冷蔵庫で半日以上置く。
※冷蔵庫で約一週間保存可能
★鶏肉の割きかたやオイル漬けの方法を動画でチェック
■茹で白インゲン豆
白インゲン豆は常備フードとして、たっぷりまとめて茹でておけば普段の食卓のおかずにも役立つのでおすすめです。ビーツと和えてピンク色に染めれば、オシャレなサラダの出来上がり!
<材料>
白いんげん豆…200g にんにく…ひとかけ イタリアンパセリの茎…少々 水…適量 塩…適量
<作り方>
❶白いんげん豆をサッと洗い、豆の3倍程度の水に4時間以上浸す。シワがなくなるくらいが理想。
❷水ごと鍋に移して、にんにくとパセリの茎を入れて強火で沸騰させる。あくが出てくるので取り除く。
❸中〜弱火にして、塩少々を加え、蓋をして柔らかくなるまで煮る。途中、豆が水面よりも出て来ないように水分が足りない場合は差し水をする。柔らかくなったら茹で汁ごと冷ます。
※豆は茹で汁ごと冷蔵庫なら約1週間、冷凍なら1ヶ月保存が可能。
■茹でスペルト小麦
イタリアでは“ファッロ”と呼ばれる古代小麦の一種。栄養やミネラルも豊富で、モチっとプチプチとした食感なのでスープに入れると美味。覚めても美味しいのでパスタの変わりの一品にもなります。
<材料>
スペルト小麦…200g にんにく…1/2片 イタリアンパセリの茎…少々 塩…少々 オリーブオイル…適量
<作り方>
❶スペルト小麦はサッと洗い、鍋に3倍程度の水と、にんにく、パセリの茎とともに入れて強火で沸騰させる。
❷中〜弱火にして、塩を少々加えて芯がなくなるまで20分程度煮る。途中水分が足りなくなったら、差し水をする。
❸ざるで水分を切り、オリーブオイルをまわしかけておく。
※茹でたスペルト小麦は、冷凍保存がおすすめ。フリーザーバッグに平らに入れて冷凍しておけば、必要分量だけ折るようにして使えて便利!冷凍庫で約1ヶ月保存可能。
●出張料理人 岸本恵理子
広告代理店に勤務する傍ら、葉山の海の家で料理を手伝ううちに料理への熱が高まり渡伊。3年間イタリアの様々な地方の郷土料理を学び、帰国後、出張料理人に。イタリア家庭料理他、自らの体験した記憶に残る味わいを、個人宅やイベントの出張で振る舞う。
Instagram:@eritin_on_the_earth
撮影/在本彌生 取材・文/藤井そのこ