“こんまり”こと近藤麻理恵さんが『人生がときめく片づけの魔法』で一世を風靡してから10年。今回出版された新刊は、ママたちの働き方もときめく、片づけの魔法・仕事版です。インタビュー前編「こんまりさん『ときめく働き方』を手に入れる片づけの魔法」に続き後編では、旦那さまの川原卓巳さんも登場。おうちの片づけについても伺いました。
※掲載中の情報はVERY2021年1月号掲載時のものです。
夫の片づけ
――ご主人も同じように片づけをされるんですか?
川原 そうですね。僕も片づけは、得意なほうですね。
――そうなんですね(取材の目論見がはずれてちょっと残念)。奥さんが片づけていても、片づけのできない夫もいると思うんですよ。こういう場合、どうすればいいでしょう?
近藤 まずは収納場所を明確に区切ること。旦那さんの趣味のモノが多ければ、「あなたのモノはここからここまで」「私のモノはここからここまで」というのを公平に決めておく。収納には限りがある、家の空間には限りがあるということを認識してない方が実は多いんです。それをご家族で一回話し合っておくことは必要になってくると思います。ご夫婦間における片づけのお悩みは、片づけだけの問題ではなく、夫婦のコミュニケーションの問題であることが多いですね。
――近藤さんの場合は、収納の配分について話し合いはされたわけですか。
川原 我が家の場合は、基本彼女に委ねてます(笑)。
近藤 私が決めて、プロの観点から合理的に説明しています。あ、ちゃんと公平になるようにしていますよ(笑)。
――近藤さんが前の本を出されたころ、「VERY」では「『家族が一番、仕事が二番』の私たち」という特集をしました。
近藤 どちらかと言われたら、私たちもそうですね。何か大きな仕事のスケジュールを決めるときも、まずは家族の時間がちゃんと確保されているかを第一優先にします。
――お二人はよくいろいろ話し合いをされますよね。家族と仕事がどういうバランスであれば自分たちがハッピーでいられるか、とか。それってなかなかできないことだと思うんですよ。
近藤 日常的なこまめなコミュニケーションはとにかく大切にしています。
川原 話し合いをするときは、自分の主張をただ通そうとするのではなく「家族みんなでときめく暮らしをするためにどうしたらいいか、一緒に考えよう」というスタンスがお互いに大事だと思います。
近藤 一緒に仕事をしているいないにかかわらず、夫婦間のそういう話し合いは逃げないほうが、お互い不満をためずにハッピーだと私たちは考えています。
子どもの片づけ
――前著を出されたときの近藤さんは独身、その後結婚され、お子さんは2人。子どもの散らかしはどうしようもないですよね。
近藤 子どものおもちゃは定位置を決める、親自身が片づけを楽しむ姿勢を見せるなどのポイントはいくつかありますが、子どもが小さいうちは「諦める力」をつけるのも一つの手ですね。完璧を目指さず、自分の心身が穏やかになれるバランスを常に意識しています。
――今回の本には「自分がときめく場所を死守する」とありました。
近藤 たとえばキッチンカウンターの一角はつねに好きな花を飾る場所、とか、午前中に15分はティータイムを取る、みたいに自分なりにリラックスできる時間や、ここさえキレイがキープできていたら穏やかになれる場所があるということが大切だと思っていて。たとえば、洋服はきちんとたたんで、引出しを開けたときにキュンとするような状態にしておくとか、そういう本当にちょっとしたことでいいんです。
――川原さんもそういった場所、時間はありますか?
川原 僕の場合、朝早く起きるのが好みで、家族が起きてくる前に自分の仕事とかすべてやり切っちゃうというスタイルで生きています。
――なるほど。早起きして自分の時間と場所を確保する。ありがとうございました。
『Joy at Work -片づけでときめく働き方を手に入れる-』
共著者 スコット・ソネンシェイン
河出書房新社 ¥1,600+税
今回のインタビューでは主に仕事場、デジタルデータの片づけについてお伺いしましたが、本書には「時間」「決断」「人脈」「会議」「チーム」の片づけについても書かれています。テレワークや在宅勤務の増えたいま、自分の働き方を見直すチャンス。そんないまこそ読みたい一冊。
◉近藤麻理恵(こんどう・まりえ)
1984年生まれ。2010年に出版した『人生がときめく片づけの魔法』は累計1,200万部を超える世界的ベストセラーに。2015年には米『TIME』の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれる。昨年からNetflixで配信された『KonMari~人生がときめく片づけの魔法』はエミー賞2部門にノミネート。ロサンゼルス在住。4歳と5歳の女の子ママ。
◉川原卓巳(かわはら・たくみ)
「Be Yourself」プロデューサー。1984年生まれ。近藤さんとは学生時代からの友人で、2014年に結婚。公私ともにパートナーとなり、2016年アメリカ移住後はシリコンバレーとハリウッドを拠点にKonMariブランドの世界展開をプロデュース。Voicyでセルフプロデュースをテーマにしたラジオを配信中。
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写真/©KonMari Media, Inc. 取材・文・編集/フォレスト・ガンプJr.
*VERY2021年1月号「近藤麻理恵さんの片づけでときめく働き方!」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。