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人生100年時代のママたちへ「もし明日、私が働けなくなったら」

仕事、家事、子育てに毎日朝から晩まで全力投球のママたち。

 

栄養のある食事を用意し、家族の健康にはだれよりも心を砕いているのについ、自分のことは二の次になりがちです。でも、健康はあたりまえじゃない。

 

人生100年時代と言われる今、病気のリスクは意外と身近な話なのかもしれません。

 

今回、実際にがんとの闘病を経験したVERY世代のお2人にインタビュー、女性の健康とキャリアについて考えました。

 

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<LINEUP>

1.人生100年時代を生きるママたちへ

~VERY世代が語るがん闘病記~

2.働けなくなるリスクと女性のキャリア

~社会学者・大沢真知子さんインタビュー~

3.人生100年時代の前向きな生き方、一緒に考えませんか?

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1.人生100年時代を生きるママたちへ

 ~VERY世代が語るがん闘病記~

岡崎裕子さん 陶芸家

 

イッセイミヤケの広報部勤務を経て陶芸家・森田榮一氏に弟子入り。陶芸の道へ。2007年神奈川県横須賀市にて独立。9歳と6歳の女の子ママ。3年半前に乳がんが発覚、1年間の闘病を経た後も数々の個展を開催、書籍の出版やメディア出演など多岐にわたり活躍している。

Yuko Okazaki Pottery

instagram:@yukopottery

西部沙緒里さん 株式会社ライフサカス 代表取締役

 

2014年に乳がん発覚。闘病と不妊治療を同時に経験し、「働く女性と健康」の重大さを実感。博報堂を退社し、現代女性がライフステージで直面する生きづらさ・働きづらさを支援する会社を立ち上げる。不妊、産む・産まないについてのリアルな体験を伝えるWebメディア「UMU」を運営。コロナと第2子出産を機にUターン移住。3歳の女の子と生後1ヶ月半の男の子ママ。

がんが発覚。その時自分は、家族は

 

————がんが発覚した時のことを教えてもらえますか?

 

西部さん(以下、敬称略): がんが発覚したのは今から6年前。検診で良性のしこりが見つかったことをきっかけに、自分の胸に意識を向けるようになり、普段から自分でチェックする習慣がついていました。

 

それから半年くらい経った頃、良性のしこりがあった胸とは反対側の胸に「何かある」と違和感を感じ、すぐに検査に。早期のがんが見つかったんです。あまりの衝撃に、新宿駅の雑踏の中、崩れ落ちるように夫に電話したのを覚えています。

 

岡崎さん(以下、敬称略): 私も、まさかそんなことが自分の身に起きるなんて…、と衝撃でした。私の場合は、次女の授乳中、左胸に大きなしこりを見つけたのがきっかけ。最初、乳瘤だと思ってお風呂でマッサージをしていたのですが、一向に流れない。さらに乳瘤だと痛いはずが全然痛くない。そこで、おかしいと乳腺外来に行ったんです。

 

そしたら、すぐにマンモグラフィーを撮って、また2日後来てくださいと言われ、ただごとじゃないムードを肌で感じました。その後、生検して確定するけれど画像診断でおそらく9割9分がんだから、紹介状を書く先を決めてきて欲しいと言われて。フラフラと帰宅して夫に報告しました。

 

————ご家族はどう受け止められたのでしょうか?

 

西部: 夫はあえて淡々と振る舞っていてくれた気がします。夫婦2人で大波に飲まれないように、セカンドオピニオンや病院のリサーチなど、とにかく目の前のやれることを段取ってしてくれました。

まさに晴天の霹靂で、目の前の現実をすぐには受け入れられないのに、早急な意思決定を求められて、そこからは自分の気持ちが追いつかないままベルトコンベヤーのようにどんどん治療の計画が進められて闘病生活に入っていった感じです。

 

岡崎: 私も、紹介状を書く先を決めてきてと言われた時点である程度は覚悟してたけど、その23週間後に確定診断を受けた時はやっぱり大きなショックを受けました。上の娘が5歳、下の娘が2歳でしたが、夫ととにかく子供を守ることを最優先にしようと決めました。

 

闘病中、家族がいつもそばにいてくれた

 

———闘病にあたって、職場にはどう伝えましたか?

 

西部:当時は会社員でしたので、確定診断の後すぐに上長に報告しました。仕事やりがい感じていた矢先の発覚で、自分がリーダーとして進めていたプロジェクトの引き継ぎと病院の調整を必死にやっていたのを覚えています。

 

岡崎: 私はフリーランスなので仕事への不安もあり、周囲には言わずに闘病をスタートしました。ただ、親に話すより前に長女の幼稚園、次女の保育園の先生には病気のことを話して連携をとりました。家では病気の話はしないと決めて普通に過ごすようにしていたけど、外での子供の様子が一番心配だったんです。

 

———闘病中、お子さんのことは夫婦でどうフォローされていたのでしょう?

 

岡崎: 抗がん剤治療は通院で、切除手術は4日ほどの入院だったので家を長い間空けることはありませんでした。でも普通にしていても髪は抜けるし、子供もやっぱり変化に気づきますよね。

手術の際は「悪いのを取りに行くから待っててね」と話して、夫には会社を休んでもらい、夫の母にも来てもらって子供のケアに努めました。家にいる時はなるべく普通に過ごすことを意識して、半年間の術前化学療法中も朝のお弁当作りはずっと続けていました。本当に大変な時は夫に頼ることもありましたが、基本的に家事は自分でするようにしていました。

 

————西部さんは闘病と並行して不妊治療も始められたとのこと、ご主人はどのようにサポートされていたのでしょう?

 

西部: もともと夫は家事もできて頼りになりましたが、何よりメンタルの部分で支えてもらうことが多かったです。会社に休職届を出してから、3度の手術を経験しました。

 

つどつど会社に戻り、通算で1年ほど闘病したのですが、がんの闘病と不妊治療、そして闘病の後期はできる時には仕事こなしていたので本当にハードな毎日で。当時、がんで特別対応してもらっている引け目から、不妊治療のことは会社に言えませんでした。その頃、いつもそばで支えてくれた夫には本当に感謝しています。

 

保険やお金、避けられない不安

 

———— 闘病中は働けなくなったり収入面での不安もありますが、がん発覚当時、保険には入られていましたか?

 

岡崎: 私はフリーランスで会社からの保障もないのですが、実はがんが分かったのが保険を解約した直後だったんです。まさか私が…の典型ですが、夫の会社の高額医療費制度に助けられました。お金の面をはじめとして、夫の会社の保険制度にも支えられました。

 

西部: 私は自分では保険に入っていなかったのですが、親が成人前から積み立ててくれていた保険があって。手術一時金と個室代が下りました。あと、休職中も給料の何%かは会社から支払われていたので、改めて会社員の保障の厚さを実感しました。

 

今、保険も色々なものがありますが、女性を支援する会社を運営しながら思うのは、女性のライフステージで起こりうることそれぞれにちゃんとフィットした保険があればいいなということ。女性特有の疾病、更年期などに寄り添ってくれるもの、この時期から入り直すことの意義のあるものがもっと提案されることを期待しています。

 

人生100年時代を生きるママたちへ

 

————最後に、健康への不安も抱えながら人生100年時代を生きる今のママたちへメッセージをいただけますか?

 

岡崎: がんは本来身近なところにある病気なのに、無関心層が大半です。実際私もそう、まったく目を向けてこなかった。がんに罹患した時に動揺しないためにも、正しい知識、情報を知っておくことの大切さを痛感しました。

 

闘病中はなかなか病気のことを話せませんでした。自分が死ぬと思われたくない、かわいそうと思われたくないという気持ちが大きかったんだと思います。もちろん怖い病気ではあるけれど、必要以上に恐れることががん患者の生きづらさに繋がってしまうことも。常に正しい情報を選び取る、知っておこうという意識が自分の、家族の健康を支える基盤になると思います。

 

西部: 私は、企業に所属している女性に講演する仕事もしていますが、女性は生きていく中で特にいろんなことが起き、その度に選択をしなくちゃいけない。産む産まないの選択、 PMS(月経前症候群)、疾病、更年期、未病も含めて本当にいろんな揺らぎがある。起きてしまうことは防げないから、自分はどう生きたいかを主体的に考えることが大事です。

 

自分の体の状態に備えるために、「ヘルスリテラシー(自分の体を正しく知り、時々に必要な健康情報を手に入れ、活用できる能力)」を持つこともひとつ。人生をこう生きたい、というのをパートナーと共有し、自分の人生を自分でデザインする。常に自分がボールを持っている状態で今のこと、そして未来のことを考えられたら、女性はもっと自分らしく健康に、ポジティブにこの“100年時代”を生きていけるはずです。

 

2.働けなくなるリスクと女性のキャリア

~労働経済学者・大沢真知子さんインタビュー~

大沢真知子

日本女子大学 人間社会学部 現代社会学科教授。同大学現代女性キャリア研究所所長。

 

日本をはじめ、アメリカやヨーロパの経済と女性の関係を研究。内閣府「仕事と生活の調和連携推進評価部会」委員を務め、『女性はなぜ活躍できないのか』(東洋経済新報社)など、女性の働き方についての著書多数。

病気=退職ではなく、闘病しながらキャリアを続ける時代に 

 

人生100年時代を生きる私たちは、仕事や子育てだけでなく親の介護、自分やパートナーが病気になるリスクなど、様々なことを背負っています。今や、一生のがんに罹患する確率は2人に1人。決して他人事ではない病気のリスクにどう備えるかはもちろん大事ですが、最近ではがん=働けないから会社を辞めるではなく、治療しながら働き続けられるようサポートする体制に会社や社会も変わりつつあります。

 

病気になっても「〇〇ならできます!」と自分で会社に交渉する、会社も時短や部署異動など臨機応変に働く環境を整える。会社と個人が歩み寄ってキャリアを持続する方法を考える時代です。特に、コロナ禍で昔のように毎日決まった時間に会社に行くことから解放され、テレワークがぐっと一般的になった今、闘病と仕事の両立は色々な形で実現するのではないでしょうか。

 

生活の基盤である雇用の保障を簡単に手放さない、キャリアを諦めず、踏みとどまって道を探す、そのことが生きる力、自己肯定感にも繋がります。

 

夫婦でキャリアを持つことが最大のリスクヘッジ 

 

日本は厚生年金から医療保険まで、公的な保険制度が充実していて、大企業だと会社独自の保険が上乗せされる場合もあります。なので病気になった時も会社員は手厚く保護されているイメージですが、人件費を抑えたい会社が採用に消極的な昨今の社会事情に鑑みると、今後はよりフリーランスが増えていくでしょう。90年代は2〜3割だった非正規雇用は、今や4割を超えています。コロナによる影響は雇用や年金制度にも及び、男性の雇用不安が高まっているというデータもあります。

 

男性女性どちらもがキャリアを持ち、何かあった時にはお互いに支えあうことがこの時代の何よりのリスクヘッジ。例えば夫が失業したり、病気になったりした時に一時的に生活が成り立つ収入が妻にあるとやっぱり強い。夫に転職やキャリアを転換する準備の時間を与えることができ、家族でこれからの生活スタイルを模索する時間を持てます。

 

アフターコロナでより多様化していく働き方、生き方 

 

アメリカで女性の社会進出が進んだ背景には、男性の失業率の上昇という事実がありました。日本はまさに、今がその転換期と言えるかもしれません。

 

まだまだ差別はあるけど、女性に希望もある時代。女性がキャリアを築くことがもっと自然になり、キャリアを持つ妻を支えるために夫も家事をやるという連鎖反応が家庭内で起き、まさにチームとして家族を支える、生活を回していくというスタイルが今後一般的になってくるのではないでしょうか。

 

30年後、女性の管理職はもっと増えているはず。女性がキャリアを持ち、フリーランスが増え、働き方、生き方が多様化。ワーク・ライフ・バランスの“ライフ”に重きを置いた生活スタイルに変わっていく中で、健康への意識もより高まり、万が一の時に生活や家族を支えてくれる保険も、個々の生活に寄り添うものに変わってきています。

 

人生100年時代を“健康”に生きるために、今一度キャリアを持つこと、助け合いの最小ユニットである夫婦のあり方について考える時間を持って欲しいと思います。

 

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3.人生100年時代の前向きな生き方、一緒に考えませんか?

 

人生100年時代の健康を考えるためにも、夫婦の関係が大切になってきているのかもしれません。とはいえ、日々の忙しさに追われ、自分や家族の健康についてもなかなか想像できない…そんなVERY世代も多いのではないでしょうか。

 

そこでVERYでは、日々忙しいママのためのインプット、学びの時間を提供します。10月24日(土)開催の「VERY Academy」では、「人生100年時代、VERY世代の不安を希望に変えるコツ」をテーマに、人生100年時代を前向きに過ごすために「今からできること」を考えていきます。

 

 

VERYモデル・タレントの優木まおみさん、コラムニストの犬山紙子さんが、ファイナンシャルプランナーや有識者と一緒に登壇。人生100年時代を生きる世代のライフシミュレーションや、これからの人生を前向きに生きるコツについて議論を深め、人生100年時代との向き合い方を考えます。

【10月24日10:00~】VERY Academy第3弾開催決定!

■視聴方法:VERY公式Twitterをフォローするだけ!

※視聴は無料です。

■出演者

VERYモデル・タレント:優木まおみさん

コラムニスト:犬山紙子さん

ファイナンシャルプランナー:黒田尚子さん

SOMPOひまわり生命:池田百美さん

VERY編集長:今尾朝子

■主催:株式会社 光文社 VERY編集部

■協賛:SOMPOひまわり生命保険株式会社

公式サイト

撮影/杉本大希(岡崎さん分) ヘアメーク/小松胡桃M(岡崎さん分) 取材・文/北山えいみ
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