「親に、こんなときに保育園に預けるの?と言われた」「同僚の無神経な言葉にイライラ」「みんなが自粛中に仕事に行く罪悪感」。いろいろな価値観がいつも以上に交錯し、人付き合いに悩むことも多い今の時期、心のモヤモヤの対処には「受け流し力」が必要でした。今回は、職業柄リモートワークにできないママのモヤモヤをご紹介します。
R.Tさん(38歳)の場合
Q.職業柄リモートにできない私はついモヤモヤ…
休校期間、同僚の小学生ママが「学童に通わせることも自粛しているから仕事にならない。どうしたらいいの」とよく言っていて。気持ちはよくわかるけれど、預け続けている側にも葛藤があって、あなただけじゃないのに…、と思うことも。職業柄リモートにできない私は、「自分は自粛に協力しない悪い親だ。危険にさらしてしまい子どもにも申し訳ない」という気持ちに。
A. 子どもに対して「申し訳ない」と思ったり、このような時期に子どもを預けることで迷惑がかかるのではと罪悪感を持ったりする気持ちはよくわかります。今回の事態はみんなが協力し合って乗り越えていく必要があります。私は仕事で学童や保育園に行くことがありますが、感染対策に十分配慮しながら子どもの安全な居場所になることを第一に運営を続ける様子を日々見聞きしています。スタッフのみなさんは「このような事情でも働かなければならない親をサポートしたい」という気持ちで仕事をされています。そんなサポートに感謝しつつ、仕事の調整ができる日は早くお迎えに行ったり、休日に家族でふれあう時間を増やしたりするなど、今、自分ができることを続けながら子どもと向き合う。親のそういった姿を子どもはよく見ているものです。たとえ0歳であっても、子どもはお母さんの自分への眼差しを、感じ取っていると思いますよ。
アドバイスをくれたのは…
●岩谷由起先生
早稲田大学教育・総合科学学術院助手。公認心理師、学校心理士。同大学大学院在学中に本田恵子教授の元でアンガーマネージメント理論に基づいたカウンセリングを学び、スクールカウンセラーとして教育現場に関わる。
撮影/古本麻由未 取材・文/髙田翔子 構成/湯本紘子
*VERY2020年10月号「ママになったら「受け流し力」。」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。