栄養状態が悪く子どもを何人も産んでいた昔の人より、なんと9倍ほどの生理を生涯に経験するといわれる現代女性。生理は“オンナである証”？　“健康な証拠”？　そんな言葉とともに、長らく女性にとって「生理」は我慢して当然のものとされてきました。

それがここ数年、少しずつ意識改革が始まっていると思いませんか？

VERYでもたびたび企画になり、世間でも「#NoBagForMe」、生理ちゃんバッジなどの議論が起きて話題に。最近ではピルやミレーナも、避妊の側面より女性自らが「生理をコントロールする」ためのものとして、語られ始めています。でも生理が忌み嫌われたり、穢れと扱われる国はまだたくさんあり、日本でもその風潮が消えたわけではありません。だって「汚物入れ」ってまだ表現される場合もあるし、生理だってつい「アレの日」って言っちゃったり、息子にうまく生理について伝えられなかったり…。

そんななかとうとう、生理だけで地上波のTV番組が一本できちゃった！と聞き、テレビ東京制作局の工藤里紗さん、出演者の皆さんにお話を伺いました。工藤さんは最近もテレ東無観客フェスで「新・大人の性教育 セクシャルマインドセットをバージョンアップせよ！」を手掛けるなど、女性の悩みに光を当ててくれている女性プロデューサーです。

――『生理CAMP2020』（8/31 深夜2時〜テレビ東京にて放送）を企画した理由は？

工藤さん：10年以上前にも「極嬢ヂカラ」という番組で生理を取り上げたり、自分自身も初潮が早く悩んでいたこともあり、人と悩みを共有することで誰かが楽になればと生理をオープンに語ってきました。だけど本当はオープンに話すも話さないも、個人の自由で正解なんてありません。でも眉唾ものの都市伝説も多いため、正しい知識や新しい選択肢の情報を得た上で、どう生きたいか、どんな選択をしたいかが自由になればいいなと思い、企画しました。

――番組ではどんな内容を扱っているのか、ちらりと教えてください！

ナプキン、タンポン、月経カップ、ずっと気になっていたディスク、吸水型ショーツにシンクロフィットや履くナプキン…世界中から生理用品を集めたのですが、国際フォーラムで生理展をやりたいくらいテンションが上がる光景で、ずら〜っと並べるとなぜか心がワクワクしました（笑）。選択肢が広がると生理期間がもっと過ごしやすくなるのかも!?と生理のポジティブな未来を個人的には感じています。

夏のキャンプを意識した明るい雰囲気のなか、世界のタンポンが対決する「タンポン選手権」や日本の技術が結集された工場への潜入、世界中のカラフルな生理グッズなどを紹介しつつ、「生理」についてオープンに語り合っています。ぜひ男性にも見ていただきたいです。

出演者は、「#NoBagForMe PROJECT」のメンバーとして活躍中のバービーさん、下着撮影時の衝撃の生理対策を番組内で披露しているというゆきぽよさん、初潮が来た時、親に言い出せず半年ティッシュで過ごしてしまったという森三中の黒沢かずこさん、妻・ぺこりんのためにオーガニックナプキンを研究中のりゅうちぇるさんという布陣。明るいぶっちゃけトークが期待できそうです。

出演者のコメントはこちら！

<写真左から＞

★バービーさん

「テレビで生理オンリーの特番って本当に画期的！　皆さんがどれだけ話せるのかな？と収録前は心配でしたが、こんなにオープンに話してくれると思ってなかったのでびっくり！　女性の中でも生理の捉え方は全然違うと思うのですが、番組を通して選択肢が広がってよかったなと思います」

★ゆきぽよさん

「生理用品はかわいくあってほしい〜。世界のものを見て、ポップでかわいく明るいのがいいな〜と。“ナプキンこそこそ渡す”じゃなくて「今日生理」みたいなことを普通に言えるようになるといいなと思いました」

★黒沢かずこさん

「バービーが知らないものも使っていたという衝撃。新しい口紅を使ってみよう、みたいな感覚で気軽に使えたら人生楽しそうだなって思いました。生理を楽しむというか、自分のものにしていく感じ、いいなと。世界が広がりました」

★りゅうちぇるさん

「男の人は生理について知りたくないわけじゃないんですけど、失礼なことをたまに言ってしまったりとか、それが怖いから逆に聞きづらいとか勉強しないとかがあるなと。今回、みんな全然違うんだということが分かって、話を聞けてよかったです。男の人も見ていいんだと思ってもらえるように、シェアしたい」

また産婦人科医の稲葉可奈子先生がリモートで出演。出演者の体の悩みに答えたり、体の仕組みについてわかりやすく解説してくれています。

深夜帯ではあるけど、とうとう「生理」が地上波に！　ぜひチェックしてみて。