新型コロナウイルスという脅威を前に、日々の暮らしも家族の笑顔も守っていかなくてはいけないママたち。世界のママたちは今、新型コロナウイルスとどう向き合っているのか、6カ国のママたちをリサーチ。今回は、ドイツに駐在するママ・井上恵莉子さんにSkypeでインタビューしました!
▼現在のドイツの状況は…
「私は5月末に帰国しましたが、この3ヶ月で新規感染者数は大きく減少し、段階的に規制も緩和されました。マスク着用という新しい生活様式は、ドイツ人にとってとても大きな変化。日本人と違い屋外に出るとすぐマスクを外す人々の姿が強く印象に残っています。今は休暇シーズン真っ只中ですが旅行はドイツ国内に留めたり、隣国へ車で行ったりして工夫しているそう。またライン川の河川敷にcity beachというコンセプトでパラソル等を設営し、市民がリゾート気分を楽しめるサービスの提供も始まっています。現状ある環境を心満たす場所へと変える発想や行動。コロナ禍の閉塞感は辛いですが、乗り越えていくヒントの一つがここにある気がします」(2020年8月取材)
井上恵莉子さん(32歳)。ドイツ・デュッセルドルフに夫と長男(4歳)、次男(2歳)と6年在住。※2020年4月当時
▼2020年4月取材時の状況は…
「直接会って言葉を交わせなくても、
伝えたい気持ちがあれば、
やり方はいくらでもありました」
ドイツでは、多くの小売店が営業停止となっているなか、お花屋さんの営業は許可されています。今は、外出しづらい現状と、店内に人が集まらないようにとの配慮か、住宅地を回る移動式ワゴンのお花屋さんも出てきました。我が家の裏にも毎週木曜日にワゴンが来てくれます。老若男女問わず、お花を日常的に買う習慣のあるドイツでは、お花からの素敵な癒しも、この世界的危機を乗り越えるための国民にとって必要なライフライン、メンタルケアと考えられているようです。また、今最前線で人の命を救っている医療機関の方々への感謝と応援のメッセージを込めて、虹のアートを外向きに窓に飾っています。少し外の空気を吸うために、息子たちと近くへお散歩に出掛ける際に、この虹のアートを街中で見掛けると、感謝の気持ちを改めて持つことができます。また、ふと足元を見ると、チョークで子供たちが描いたカラフルなアートが並んでいます。その隣に、恐らくママ・パパが苦戦しながら描いただろう大作も続いている姿を見つけると、このアートの作者たちと直接言葉を交わせなくても、「みん頑張っているんだ! 自分たちも頑張ろう!」と本当に励まされます。こんな状況だからこそ、癒しやちょっとした感謝の気持ち、文化的なことに目を向けることは、気持ちにゆとりを与え支えになると、また新たな学びをドイツ生活から得ることができました。
VERY2020年6/7月合併号「Me&My Life 番外編 世界中のママたちは新型コロナとどう向き合ってる?」より。取材は2020年4月12日。
▼ドイツでの自粛中の過ごし方を写真で紹介!
取材・文/yukari、有馬美穂 編集/鈴木恵子
*掲載中の情報はすべて取材当時のものです。地域により状況が異なる場合があります。