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辻元舞さん「結果を出せてなくてもママだってやりたいことをやっていい!」

2020年、VERYは創刊25周年を迎えました。ずっとママたちを見続けてきたVERYですが、特にこの5年はママたちの変化に驚いています。誌面で活躍しているモデルたちも、5年の間にいろいろありました。結婚したり、夫婦関係が変わってきたり、離婚したり。そのなかで感じた価値観、ライフスタイルの変化について聞きました。
今回は、モデルとして活躍する一方、その絵画の才能でも注目を集めている辻元 舞さんです。

 

“結果„を出せてなくても
ママだってやりたいことをやって
「/」を増やしていってもいい!

今でこそプロフィールにママ/モデルと肩書を並べていますが、5年前の私はまだ〝何者〟でもありませんでした。長男が生まれる前の私は鳴かず飛ばずで(笑)、事務所に言われるがままにオーディションを受けて、与えられた仕事をこなすだけ。見かねた夫が「もっと欲を出したほうがいい」と真剣にアドバイスをくれても、『これ以上、どう頑張ればいいの?』と思ったり。でも今思えば、あのときの私は本気を出してなかった。そう思えるようになったのは、この5年で2人の育児をしてきたからです。

 

育児って自分の限界突破の連続ですよね。つい先日の外出自粛期間も『もう、これ以上頑張れない』と思うくらいしごかれて。でも、やるしかない。そのたびに『私ってこんなに頑張れるんだ』と自分の底力を知りました。人見知りが激しかったはずなのに、いつの間にかなくなっていたり(笑)。子どもを生んでからの自分の変化に自分でも驚いています。

 

仕事への向き合い方も母になって180°変わりました。子どもを産むまでは『好きでやっていることだから』と何も言えずにいたけれど、子どもを育てていくためにこの仕事でお金を稼がないと、と思うようになると事務所に要望を伝えられるようになりました。私は変に真面目なところがあって、まだ成果も出せていないのに自分の意見を主張してはいけない、と思っていて。事務所に対して『こんな仕事がしたい』という話しもできずにいました。絵を描くのも、もともと好きだったけれど、与えられた仕事以外に手を出すのは失礼なことだと思っていたんです(笑)。あの時、マネージャーに「好きなことをやりましょう」と言ってもらわなければ、いまだに『結果を残してないから』とブレーキをかけて自分ではなにも始められない人間だったかもしれません。

 

産後、絵を描き始めたのは、写真やビデオには写せない子どもの成長を残したいと思ったから。大変だった出来事も絵に描いているうちにすっきりして笑えたり、「こう思っていたんだ」と自分でも発見があったり。書き留めた絵日記をSNSにUPすると多くの人が共感してくれて。少しづつSNSやブログでも子育てのことを書くようになり、最初はプライベートなこと書いて大丈夫かな?興味あるかな?と探り探りでしたが、同じように子育てに悩むママからコメントをもらえて『あ、これアリなんだ』と自信になって。この5年でSNSは本当に大切な場所になりました。

 

最近は英語の勉強を始めました(毎日英語で日記をつけています)。前々から息子が通うインターナショナルスクールの先生ともっときちんとコミュニケーションを取れるようになりたいと思う気持ちはあったのですが、近頃は息子も「どうして僕はイングリッシュなの?」と言うようになって自分ができないことを息子に強要したくないから自分も勉強しようと思うように。毎日ちょっとだけでもいいから〝ながら〟で続けています。

 

振り返ってみると、子どもを核にしてどんどんやりたいことが見つかった5年間。ダンスも絵も得意だけど抜きん出た才能はないことがコンプレックスでしたが、いまは〝スラッシャー〟という言葉があると知って。なにか1つで勝負しようとしないで、自分がやりたいことを掛け合わせてオンリー1を目指していけばいい。〝器用貧乏〟だと思っていた私の生き方を肯定してもらえたような気がします。今後はずっと興味があった絵本を描いてみたいしパッケージのデザインもしてみたい。素直な気持ちを大切に「/」を増やしていきたい、と思っています。

 

絵を描くのは息子2人を寝かしつけてから。1時間後に起こして、と頼んだ夫に逆ギレしながら起きて、取り掛かります。すべて独学なので、わからない表現はYouTubeなどで調べながら描いています。時間ができたら、久しぶりに美術館に行きたいです。(服はすべて本人私物)

 

28歳。長男妊娠を機にビューティの仕事をするようになり雑誌に出ることも増えた頃。でも今思うと生きる力が弱かった(笑)!

 

●辻元 舞さんPROFILE
1987年生まれ、京都府出身。4歳と1歳の男の子ママ。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでダンサーとして働いていたところスカウトされ上京。モデルとして活躍する一方、『プレバト!!』で披露する絵画の才能でも一躍有名に。

 

撮影/花盛友里 ヘア・メーク/中山友恵 取材・文/増田奈津子 編集/鈴木恵子
*VERY2020年8月号「結婚、夫婦関係、仕事、離婚。いっぱい考え、手に入れた幸せがある この5年、VERYモデルの中に起きた“変化”」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

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