VERY November 2020
VERY NAVY

VERY

November 2020

2020年10月7日発売

780円(税込)

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2児の母 井川遥さんの“子育てと仕事” VERYカバーモデル時代を振り返って

VERYの歴史の中でも最長の93ヶ月、カバーモデルを務めた井川遥さん。VERY創刊25周年を記念して「おかえりなさい!」インタビューが実現。卒業から4年、VERY時代から現在まで、仕事のこと、子育てのこと、自身のことを振り返り“5年間の気づき”を語ってくれました。

 

ジレ各¥65,000〈ヘルト〉左耳ピアス¥49,000〈ロワン〉(ともにロワン)バングル/井川さん私物

 

新しい場所に飛び込み
気づいたのは、
自分の中の風通しが良くなったこと

まずは、ただいま(笑)! タキマキさんにみっこさんにバトンを渡してからも毎月読んでいたVERY。久しぶりの撮影、現場に着いたら卒業の号が用意されていて、当時の記憶が一気に蘇って目頭が熱くなりました。そして、創刊25周年おめでとうございます! そんな壮大なストーリーのなかで、カバーを飾ることができた喜びを改めて感じています。

 

5年前というと、まだVERYのカバーモデルをしていたんですよね。卒業して4年、もっと長い時間が経っているような気がします。約10年間、毎月撮影があって、そのための準備をして、写真や原稿をチェックして……。当時、私のなかでVERYのことを考える、現場に行くことは当たり前の日常で、生活の一部。でもいつも真剣そのものでした。その期間に2人出産も経験しているので、人生がギュッと詰まっているんです。“この仕事が終わってしまったら、私は何者なんだろう”と、卒業当時は心にぽっかり穴が空いたような気持ちでしたが、振り返るとその歳月は独りよがりなものではなく、皆さんに“焼き付けてもらった時間”でもあったんですよね。数年経った時、新しい現場に行くと「VERY時代からのファンが、ずっと応援してくれている。財産ね!」とおっしゃってくださる方がいて、本当にそのとおりだなと。すごく幸せな時間だったと思います。

 

私がVERYでモデルを始めた頃は、誌面に登場している読者さんは“◯◯在住の奥様”という紹介がほとんどの時代。今は“ママ”であり、仕事をされている方が8割近くもいらっしゃると聞いて驚きました。時代は変わりましたね。モデルさんも読者さんも眩しく映ります。内側からの充実感が滲み出ているんでしょうね。情報交換も早くて、皆さん暮らし上手でもありますよね。もちろん、水面下では大変なこともあるとは思いますが、ライフスタイルを豊かにしようと、日々の生活にポジティブに取り組んでいるのが伝わってきて、同じママとしても感心することばかりです。

 

そして、我が子もだいぶ大きくなりました。あの頃は、5年後は2人とも小学生になるから「きっと子育ても楽になっているはず!」と自由を期待していましたが、実は今が一番大変(笑)。学習面も生活習慣も進級するたびに変わり……、ひとりひとりの個性もはっきりしてくるし、今までとは違う形で子育ての悩みがやってきて、子育ての果てしなさを痛感しているところです。この自粛中はとにかく忙しくて子供のオンライン授業のサポートが日増しに多くなって、三度の食事の支度と家事、私もリモートでの仕事もしなければならない。ようやく取り掛かれたと思ったら、また「ママ!」と呼ばれる(笑)。

 

やっぱり子供も休校が3ヶ月にも及ぶと行き場のないエネルギーを持て余すし、それぞれの時間がここ数年でできていたのを感じます。でも、仕事に出ると「ママ、お仕事頑張ってね」とメッセージが届いたり、帰宅したら「ごめんね」って手紙を渡されたり。去年タブレットを持ち始めた上の子も、字を覚えたばかりの下の子も、だいぶ成長したなって。面と向かうとうまくいかないことも、そんな風にコミュニケーションも変わっていくものなんですね。何事も“反省や失敗から学ぶ”と思うので、ぶつかり合って反省して、そこから理解して互いに成長していく……。まだまだ私が大人気ないことが多々あるけれど、最近ではこれが我が家のコミュニケーションのあり方なのかなと思えるようになってきました。いつか子供が大人になったとき、わかってくれることがあったら嬉しいなって思います。

 

シャツ¥34,000パンツ¥36,000〈ともにヘルト〉左耳ピアス¥49,000ネックレス¥53,000〈ともにロワン〉(すべてロワン)バングル/井川さん私物 靴/スタイリスト私物

 

3年前にスタートした「ロワン」と「ヘルト」というふたつのブランドは、母として、女性としての日常の多面性を叶える服作りを目指しています。VERY時代にたくさんの服に触れた経験も生きていて、だから服作りに携わるのはどこか必然だったように感じているんです。女優の仕事は短期的で作品の中のパーツを担っていますが、毎日のようにアトリエに通って、継続的な仕事に打ち込めるのは充実感があります。アイディア出しから素材決め、時には問屋さんや職人さんのもとに出向くこともあります。そこまでするの?と驚かれますが、楽しくて仕方ないんです。そして、生産から流通までの流れを見ていくなかで、視野が本当に広がりました。新しい環境に飛び込んで感じたことは、自分のなかの風通しが良くなったこと。そこで関わる人達とは、子育てしている、していないにかかわらず共通の話題が実はいっぱいあって、自分とは違う考え方や物の捉え方に、いい刺激をもらっています。家庭の中にいたらわからなかった自分の個性に気づかされることも多く、社会と関わることの意義はそこにあるのかなって思うんです。子供にも同じことが言える気がしていて、子供が今いる環境を超えてコミュニケーションの広がりを持って、そこから個性を伸ばしていくこともきっとある。ついつい干渉してしまうのですが、風通しの良い環境を作ってあげる勇気も必要かもしれませんね。

 

こうして5年間を振り返る機会をいただき、5年間って長いようであっという間! 5年後の自分は何をしているか想像つきませんが、真っ先に考えるのは“子供はどれくらい成長しているだろう”ということ。5年経っても私はきっと余裕なんてなくて、悩みもたくさん抱えているはずですが、それでも子供の成長は楽しみで仕方ないです。

 

◉井川 遥(いがわ はるか)
女優。1976年6月29日生まれ、東京都出身。2008年~2016年までVERYカバーモデルを務め、2017年秋より「ロワン」と「ヘルト」のブランドディレクションをスタート。ドラマ日曜劇場「半沢直樹」(TBS系)新シリーズ、2020年11月30日から放送予定の連続テレビ小説「おちょやん」(NHK)に出演。

撮影/岡本充男 ヘア/左右田実樹 メーク/水野未和子〈3rd〉 スタイリング/梅山弘子〈KiKi inc.〉 取材・文/櫻井裕美 編集/鈴木恵子
*VERY2020年8月号「創刊25周年特別企画 元VERY表紙モデルに聞いてみた 5年先行く先輩、井川遥さんが40代になって気づいたこと」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

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