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中学受験、子どもをやる気にさせるには?東大理Ⅲ4兄妹合格・佐藤ママが回答!

第1回

三男一女、子ども4人を全員東大理Ⅲ(医学部)に合格させたママ、佐藤亮子さん。長男・次男は医者となり、今春、三男は東大医学部を卒業、長女は4年生となり子育ても一段落。現在は、受験のカリスマ・ママとして、年間数十回に及ぶ講演活動、オンラインサロンなどで全国の子育てママたちのお悩み相談に答えています。今回、VERY世代に向けて、子育てや受験の悩みに全4回にわたって回答していただきました。第1回のテーマは、「子どもに自主性・個性を求めるべきか」です。

 

 

Q

佐藤さんは4人のお子さんの、それぞれの性格を見極めて受験計画を立てられたそうですが、子どもの個性を見極めるにはどうしたらいいのでしょうか?(幼稚園年少の男の子、年長の女の子のママ)

 

A

特に個性を見極めたというような大層なことをした訳ではありません。この子はきちんとしたことが好き、この子はイラストが多いほうが好きとか、それぞれの好みを大切にして、やり方を変えました。

例えば、わが家では参考書や問題集は、長男は正統派、次男は漫画や絵をたくさん使っている楽しいもの、三男は専門書のような分厚いもの、長女は兄たちのものを参考にして自分で決めていました。

同じ“きょうだい”でも全員性格が違うので、判断基準は、子どもがそのやり方で「笑顔」になるかどうかで決めました。楽しくないとやる気も起こりませんからね。ニコッとならなかったら合わなかったということです。そのときは、他のものを使えばいいのです。

私が書店に行って参考書を買うこともありました。そのとき、「これだ」と思った良さそうな参考書は、1冊だけではなく、同じものを数冊購入しておきました。いずれ他のきょうだいにも役に立つかも、と思ったからです。結局、まっさらのまま使わなかった参考書もありましたが、それは気にしないということにしました。

4人の性格を考慮しながら、1時間同じ科目をする、それでは気が散るから15分ずつ科目を変える、などそれぞれの子どもの顔を思い浮かべながら計画を考えました。「この子なら、このやり方がウケるかな」なんて想像することは楽しい。子どもにはウケが大事で、「笑顔とウケ」を目指すことが子育てのコツです。

よく、「子どもの個性を見極めたい」などと言うママがいらっしゃいますが、あまり難しく考えないことです。そもそも、子どもの個性なんて複雑で一言では説明できないものなのです。成長するにつれて変わったりもしますから、目の前の子どもに徹底的に寄り添うことです。今の子どものあるがままを受け入れて、それに対処できるやり方を考えてやってみるしかないのです。合わなかったら、微調整する。そして、前に進む。それの繰り返しです。要は、一つのやり方に固執しないことです。親は、柔軟な気持ちで子どもを導いてあげたらいいと思います。

笑顔を目標に楽しくやりましょう。

 

Q

どうしたら、親がガミガミ言わなくても自分から勉強する子になるのでしょうか? 子どもが勉強好きになるための環境づくりは? (小3女子、小1男子のママ)

 

A

親が言わなくても子どもが勉強してくれると親は楽でしょうね。でも、子育てはそうはいかないということをまず覚悟することです。もちろん、子どもが自主的にやってくれたらママはラクで理想的ですが、そもそも子どもに「自主性」はないと考えなければなりません。「ガミガミ」言うのは、親子で不愉快になるだけ、何も解決しませんからやめた方がいいですね。親が言わなくても自分から率先して勉強する子なんてどこにもいませんよ。だから、親が子どもに、どんな勉強をどれくらいするか、「時間」と「量」を具体的に示して導くことが大事なのです。

勉強の環境づくりということでは、「勉強する空気(環境)」を作ることが大事です。子どもは「家の空気感」で生きていますから、「遊ぶ空気」だとそちらに流されて、勉強する気にはなりません。たとえば、リビングで勉強しているのなら、リビング全体を「勉強する空気感」にしなければいけません。夕飯が済んだら、それぞれの子どもがバラバラに勉強を始めるのではなく、時間を決めて全員で始めさせるのです。家の中を一気に勉強の雰囲気にすることが大切です。

わが家ではテレビは2階に上げて、1階のリビングを「勉強部屋」に変えました。ふつうリビングは大人が寛ぐための快適な空間でしょうが、それをなくしたのです。子どもが専用の勉強部屋を持っていたとしても、やりたくないからなかなか部屋には行かない、(勉強部屋に)入室してからもすぐには始めないと考えたのです。親の目がないと子どもはサボるもので、毎日の勉強を「さあ、頑張るぞ」「気合いを入れてやるぞ」とはいかないもの。よって、「頑張らなくても」「気合いをかけなくても」なんとなく時間がきたら始めるように工夫しなければならないのです。それが、わが家では「リビングを勉強部屋にする」ということでした。リビングではいつも私がいますし、“きょうだい”みんなで勉強するので辛くなかったと思います。

ポイントは、ママがいつも見えるところで勉強させるということでしょうか。

 

Q

子どもがその日勉強する内容を私が指定しているのですが、それでよいのでしょうか? それとも、ある程度の選択肢の中から子どもに選ばせたほうがいいのでしょうか? (小3男子のママ)

 

A3

選択肢を与えても、子どもは選ぶのに困ります。しかも、選ぶ時間が無駄です。やることは決まっているのですから、親が「今日は、この問題集の○ページから○ページまで○分でやる」と決めることです。でも、予定通りに済まなかったら、次の日にその分を回すなどを考えて調整してあげることです。それは、やはり大人でないとできません。

だから、小学生までは、ママが勉強スケジュールを決める。やらなければならないこと、やってほしいことを、ママが詳細に考えておく必要があります。毎日の予定を紙に書いてママが子どもに渡しておくと、親子ともに便利です。

そのような地道なことが、子どもの学力を伸ばすのです。

 

 Q

子どもが言うことを聞かないとき、つい「鬼が来るよ」と言ってしまいます。普通に言い聞かせてもまったく通用しません。こういうときはどのように接したらいいのでしょうか?(幼稚園年少の男の子のママ)

 

A4

「鬼が来るよ」と子どもを脅すのは良くないと思っています。なぜかというと実際に存在しない「鬼」の力を借りるのは子どもを騙すことになります。存在しないのに「鬼が来る」と脅すのは子どもを甘く見ているし失礼です。私はそのような言い方は一度もしませんでした。よくママが使う言葉で、「痛いの痛いの、飛んでいけー」などがありますが、これも使いませんでした。「痛い」のは飛んでいったりしない(笑)。怪我をして痛がっている大人に対しては「痛いの痛いの、飛んでいけー」なんて言わないでしょ。大人に対して言わないことは、子どもにも言わない。子どもが言うことを聞かないからといって、「嘘で黙らせる」ということほど、人間同士として失礼なことはありません。子どもという存在を軽く見ていますよね。

子どもが言うことを聞かないときは、必ず何か理由があるはずです。その理由を具体的に聞いてみてください。ママは、「なぜ、これをしてはいけないのか」を、言葉を尽くして子どもに説明しなければいけません。子どもを大人と同じ1人前の人間として扱う、ことが大事です。

 

次回、第2回のテーマは、「幼少時の習慣付けはどうすればよいか」です。

 

 

佐藤ママにもっと話を聞きたい人は、オンラインサロン「佐藤亮子の“ニッコリ”教育サロン」をチェック。

プロフィール

佐藤亮子 大分県出身。津田塾大学卒業。英語教師として勤務後、結婚。長男、次男、三男、長女の4人を出産。4人兄妹が東京大学理科Ⅲ類に合格したママとして、育児法や教育法で注目を集める。好評既刊『志望校に一発合格する過去問攻略法』(小社刊)が絶賛発売中。

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