
おしっこはトイレでできるようになったから、トイトレもついに最終コーナーに到達!って思っていたら、まさかの“うんち”で苦戦…(涙)これって失敗からくるもの?それともただの個性?焦る気持ちと、まだこのままでもいっか、という気持ちの間で揺れる日々。最後の壁にぶち当たる、四者四様のママたちのリアルなお悩みを、便秘外来の専門家に相談してみました。
夫に「まだオムツなの?」
と言われ親子で不安に(涙)
K・Kさん(8歳と4歳の男の子ママ)
長男は難なくできたものの、次男はまだオムツでうんち。夫からは「まだオムツなの?」とうんちのたびに言われ、次第に本人も傷つき始めています。いつまでに外れれば“普通”なのでしょうか?
個人差があり、兄弟でも差がある
小学校前までなら焦らなくてOK!
100人いたら100通りの腸があるように、うんちは本当に繊細でとても個人差があります。そもそも、大家族の中で育った昔とは違い、家の中でサポートできる大人の人数も減っているため、オムツはずれの年齢が上がってしまうのは当たり前。トイレの主流が踏ん張りやすい和式から洋式に変わったことも要因のひとつだと思っています。
これはあくまで目安ですが、大体3歳前後にひとつの山があり、4歳ごろまでに約8割のオムツはずれが完了します。でも小学校前のギリギリではずれる子も一定数います。3歳児健診もパスして、オムツでする背景にうんちの出しづらさや便秘の兆候もなく、その子なりに何か上向く兆しが見えているなら、小学校前まで見守ってあげて大丈夫。親御さんが焦らないことが大事です。ある日突然、ポンッとできるようになりますよ。

もう5歳なのに、
うんちをするときだけ
「オムツ派」です
S・Mさん(5歳と0歳の女の子ママ)
おしっこはスムーズにトイレでできるようになったのに、うんちだけは便意を感じると自らオムツを穿き、こっそりカーテンの裏に隠れてするように…。もう年長さんなのに大丈夫でしょうか。
家=オフモードで
オムツになるのはよくあること。
期限を何度か設定してみて
家にいると子どもながらにオフモードになり、おしっこも含めてオムツになる子が多いです。トイレトレーニングには個人差があるので、一人ひとりのペースや性格に合わせて進めることが何より大事。カーテンの裏で隠れてするのも、あるあるです!くねくねしながらでも、5分10分かかっても、きちんと大物が出て、うんちが出た感覚を摑めていれば問題ありません。
僕がよく患者さんに伝える方法は、本人と相談して期限を作ること。4歳、次の誕生日、年長さんの冬までなど、もしその期間までにできなかったとしても半年や1年おきに設定し直せばOK。そうすると、ほぼ6歳までにオムツが外れていますね。積極的に、でも期待を込めずに声かけを続けてみてください。

たった1回の失敗がトラウマに。
以来、パンツを穿きたがりません…
A・Mさん(3歳の男の子、0歳の女の子ママ)
夫に息子を任せた日に限って、失敗してお風呂でうんちをしてしまったんです。それがトラウマで、ずっとオムツを穿きたがり、さらにうんちを我慢するようになってしまいました(涙)
次への突破口になるチャンス!
乗り越えた経験が自信をつける
園で漏らしてから、もう絶対に園のトイレではできなくなっちゃった…など、みんな失敗しているから大丈夫。何も経験せずに進むよりも、トラブルがあるほうが本人の成長に繫がると個人的には思っています。目先は真っ暗と思うかもしれないけれど、乗り越えた子たちは強く逞しくなり、本人も自信がつきます。「今思えば、あの時の辛さが子どもの成長のきっかけになった」と話すママも多いんですよ。ぜひ、寛大な心で接してあげてください。
もし、便秘気味になってしまい、子どものお腹が苦しそうだったり、食欲が減ったりと変化があれば、早めの受診をおすすめします。自分を責めるのではなく、前向きに今からスタートしてみましょう。

オムツにうんちをしたあとも
『まだしてない~』と言って
遊び続ける。臭ってますけど…
Y・Mさん(5歳と0歳の女の子、3歳の男の子ママ)
本人も分かっているのに「してないよ~!」と言い張り、遊び続けます。そもそも不快感を感じていないの?となると、「このままうんちはオムツでいいや!」と思ってしまいそうで心配です。
将来のポジティブなイメージを
根気よく声かけするのが効果的
不快であることは無意識の中で絶対にわかっているので、これはもう根気よく、「うんちがお尻についているの気持ち悪いよね」「すべすべのほうがいいよね〜!」と、ポジティブな言葉をひたすら声かけしていけば大丈夫。将来のイメージをつけてあげるんです。
それでも、3カ月、半年、中には1年経ってもオムツにうんちをしたまま遊ぶ子もいて、相談がくることもあります。子どもは柔軟なぶん、不快を超える楽さを優先する子も。でも、隠れ便秘や発達の問題がなければそのまま見守ってみてください。親御さんには究極諦めてもらって、「トイレに座るほうがカッコイイよね!」など、引き続き上向きの声かけをして待ってあげていれば、オムツは自然と取れますよ。
教えてくれたのは…

便秘・排便トラブル外来
小森こどもクリニック院長
小森広嗣先生
小児病院などで小児外科医として活躍後、2018年に開院。専門は、子どもの便秘治療。その的確な診断と温かい人柄が口コミで広がり、年間5,000人以上の親子が全国から訪れる。
イラスト/うのき 取材・文/はなむらあや 編集/中台麻理恵
*VERY2025年10月号『うちの子「トイレでうんちできないんです」問題』より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。









