Q.7
夫は御三家、自分も有名付属校出身なので、子どももできて当たり前という思いがあって、成績が期待通りでないと「何度言ったらわかるの!?」「なんでこんなにできないの!?」と暴言を浴びせていました。ある日、叱っている最中に、子どもが目をパチパチしているのが気になり、調べるとチックの一種だと判明……。このままでは子どもを壊してしまうと、転塾をして緩やかなペースに。以降、チックはなくなりましたが、あのまま追い詰めたらと思うと怖いです。(10歳・男の子ママ)
A.よくぞ立ち止まった、 素晴らしい例です!
子どものためという思いから、だんだん押し付けがエスカレートするのは誰しもあります。ただ、押し付けられた中で子どもの自立心や自己肯定感は育ちません。自己肯定感があるから何でも「頑張ってみよう」と思えるわけで、とても大事な力です。このお母さんに言いたいのは、当時エスカレートしてしまった自分を責めないでほしい、ということ。人間性が悪かったからではなく、子どもとの関わり方の知識がなかっただけ。子どもが10歳なら親も10歳。その程度の経験で、すべて正しい判断なんてできませんから。どの親御さんも、間違っているかもと思ったら、立ち止まる勇気を持ってほしいですね。
答えてくれたのは…
●小川大介さん
教育専門家。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。京都大学卒業後、中学受験のプロ個別指導教室SS-1を創設。個別面談の実施数は6000を数え、受験学習だけでなく、幼児期の能力育成や親子関係の築き方指導にも定評あり。著書に『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』も。中学受験においては、夫婦の子育てビジョンが重要であると指摘し、著書『親も子も幸せになれるはじめての中学受験』には、中学受験の成功のカギがたっぷり。
撮影/古本麻由未 取材・文/宇野安紀子 編集/フォレスト・ガンプJr.
*VERY2020年4月号「受験勉強だけじゃない、過剰な習い事も… もしかして、教育虐待?」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。