小1の息子に「学校に行きたくない」と言われて……。働くママが向き合った5年間<前編>

2019.12.27

小中学生の不登校児童・生徒数が14万人※を越えるといわれる中、本誌7月号の記事『もし、子どもが「学校に行きたくない」と言ったら……?』は大きな反響をいただきました。そこでVERYwebで誌面では掲載しきれなかった読者の皆さんの体験談を紹介します。今回ご登場いただくのは公立小学校に通うお子さんを育てる会社員M.Kさん。息子さんは現在小学校高学年になり、元気に学校に通っているそう。そんな息子さんが「学校に行きたくない」と言い始めたのは小1の頃のことでした……。

 

※文部科学省「平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より

我が家の不登校体験談① 

.Kさん 39歳・会社員/子ども・小5

小学校に入学、泣きながら教室に入る毎日

 

息子は運動が大好きで友達とも活発に遊ぶタイプなのですが、幼い頃から不安感が強い子で特に私から離れることにかなり抵抗がありました。小学校に上がるタイミングで自宅を新築することになり、以前からの友だちがいないエリアの学校に越境通学。学童にも通い始めました。今思えば、朝から夕方まで慣れない環境で気を落ち着けられる場所がなく、ヘトヘトだったのだと思います。毎朝、下駄箱で大泣きし、先生方に引っ張られて教室に入っていました。それも6月半ばには落ち着き、泣かずに教室に入れるようになったのでひと安心していたんです。ただ、不登校になってから、この頃のことを聞くと、抵抗するのをあきらめたのだと話していました。行きたくない、と何度も言ったのに、誰も話を聞いてくれなかった、お母さんも、と。私はこれを聞いて、子どもからの信用をなくしてしまった、と思いました。今考えれば、数年にわたる不登校の期間は子どもからの信用を取り戻すために必要な時間だったと思っています。

 

 

仕事があるので学童を休ませるのも難しく……

 

教室に入れるようになってからは授業中も手を上げて発言し、勉強や学校行事も頑張っている様子でした。しかし、2年生になると、学童でトラブルが続きます。気の強い女の子たちのグループから学校のルールを守っていないと詰め寄られたり、スポーツの試合で上の学年の子から、「お前のせいで負けたんだ」と言われたり。息子はショックを受けて萎縮してしまいました。学童で一緒に遊べる相手がいなくなり、部屋で先生と過ごしていると、今度は「先生を独り占めしてる!」となじられたり。学童に行きたくない、と毎日のように言うようになりましたが、私も仕事を休めず、なだめすかしてなんとかやり過ごしました。夏休み明けまで、子どもは行き渋りながらも、毎日通学していました。しかし、9月下旬の朝、一度は家を出たものの、学校に足が向かず……。その日が不登校の始まりでした。

 

 

「運動会に出たい」……少しずつ通学できるように

 

それから、大好きな運動会の時期になると少しだけ通学できるようになるものの、運動会が終わるとまた行けなくなる、という状態が中学年になっても続きました。5年生に進級してからの運動会では、どうしてもリレーの選手になりたいと頑張り、代表選手になれるタイムを出しました。しかし担任から、運動会でリレーに出るには体育以外も授業に出るのが条件だと言われたのです。リレー選手は皆の憧れでなりたい子はたくさんいる。体育の授業だけ出ていては、みんなから不満が出る。だから体育以外も出られるようにならないとダメだ、と。言わんとすることは分かりますが、学校に行けない子に対しては非情な話です。それでも、ここは子どもの意志に任せることにしました。最初は登校後、図書室で私と過ごしていましたが、体育以外の授業に本当に少しづつ、少しづつですが出席できるようになりました。教室で過ごせるのは一日の半分程度でしたが、大きな進歩でした。無事、リレーの選手として出場した運動会の後も今までのように力尽きることはなく、ゆっくりひとつひとつ参加できる授業が増えていきました。そして2カ月半かかり、ようやく朝から教室に行き、授業に参加できるようになりました。

 

 

仕事をしながら付き添い登校、そして……

 

少しずつ通学できるようになった息子ですが、当初は私の付き添いが必要でした。授業中、保護者は教室外で待つことになりますが、学校内に待機場所は用意してもらえず。仕方なく暗い非常口の突き当りに椅子を置き一日そこで過ごしました。吹きさらしで夏は暑く、冬はダウンを着ても凍えるような場所です。毎日のこととなると本当につらく、涙が出る日も多かったです。幸い理解のある職場で持ち帰りの仕事はできたので、ノートPCを持ち込んで作業をしていました。子どもが学校に行けない期間は、午前中は子どもと過ごし、学校の終わった友だちが遊びに来てくれる午後だけ出勤できるようにしていました。しかし、登校に付き添うようになり、午後、私が帰ろうとすると、子どもも不安になって一緒に帰宅してしまいます。中学に上がる頃まで付き添いはできないだろうから今、何とかしないと、と腹をくくり、会社に掛け合ってしばらく休みをもらい、一日学校にいるようにしました。社長に逐一状況を報告できるようなアットホームな職場で、一人でも仕事を進められる専門職だったので、その頃は土曜日だけの出勤にしてもらっていました。息子のことで悩みを抱えるなか、仕事で頭のスイッチを切り替えられたことは大変有難かったです。つらい時もどうにか自分を保つことができました。その点では本当に恵まれていたと思います。

 

 

自信をつけ変わりはじめた息子、そして今思うこと

 

息子は夏休みに入ってすぐ、保護者の付き添いなしで参加する一泊キャンプに行きました。当初はかなり不安そうでしたが、友達の手前、勢いで参加を決めたようです。これが思いのほか楽しかったらしく、自信をつけて帰ってきました。今思えば、これも変わるきっかけだったように思います。次の学期は私が付き添わなくても登校でき、授業も全部出られるようになりました。今はすっかり元気になり、毎朝元気に家を飛び出して登校しています。学校のサッカーチームにも入り、厳しく、時にかなりキツイ言い方をするコーチに何度もへこたれながらも、頑張って練習を続けています。子どもを元気にする近道は、まず、お母さんが心身ともに健康であること。でも現実は悩みの渦の中で、なかなか余裕がないんですよね。だから、時々自分を癒してあげることが大切。一人でちょっと贅沢なランチをしたり、映画やショッピングといった息抜きも必要だと思います。お母さんが楽しそうにしていたほうが子どもの回復も早まるようにも感じました。私自身の母に電話してつらい気持ちを聞いてもらったことも良かったです。時に暴言や愚痴混じりになってしまう私の話も受けとめてくれる母を改めてすごいと感じましたし、私もそんな母親を目指したいです。

学校でつらいことがあり、不登校になった子どもは自信をなくしていることが多いです。子どもが疲弊している状態で、無理に塾や習い事に通わせてさらに負荷を与えるのは逆効果だと思いました。自分に自信がなく、動き出す気力もない……そんな状態の子が元気に学校に行くためには、いつかの段階を踏む必要があります。まずは穏やかに過ごして、精神の安定を図る時期、少しずつ動き出し自信を取り戻す時期、多少動けるようになったら勇気を持って外に少しずつ出る時期、そんな段階を一歩一歩ゆっくりと昇りながら、本来の自分を取り戻す。今振り返ると、我が子の場合はそんな感じでした。

取材・文/髙田翔子

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