いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピックまで1年を切り、チケットの当落に一喜一憂した方も少なくないはず。オリンピックのように追加募集があったら……と期待しつつも、パラリンピック競技のどんな種目を申し込んだらいいのか悩んでいる方へ、8月に行われた「東京パラリンピックまであと1年!第6回『WHO I AM』フォーラム」は、競技選びの参考にぴったりだったんです。
WOWOWと国際パラリンピック委員会が共同プロジェクトとして放送しているドキュメンタリー「WHO I AM」。8月24日(土)からシーズン4が始まるのを前に、新シリーズに出演の車いすテニスの上地結衣選手、シーズン3から砲丸投げのニコ・カッペル選手、水泳の木村敬一選手をゲストに迎え、MCに松岡修造さん、番組ナビゲーター&ナレーターを務める西島秀俊さんをスペシャルゲストに交えたトークセッションを開催。試合中の真剣な表情とは違い、ユーモアあふれる人柄を垣間見ることができました。
現在アメリカを拠点に練習をする木村選手に、(ご本人も得意ではなかったらしい)英語についての質問が。「だんだんとチームメイトが僕の英語をわかるようになってくれて」、小学校で講演をした際、「僕が話した英語を、子供たちがわかる英語にチームメイトが通訳してくれたんです(笑)」という体験を語ってくれました。もちろん、英語を学ぶためにアメリカへ拠点を移したのではなく、木村選手が「もっと上を目指すため」慣れたプールを離れて、土地勘もなく言葉もあまり通じない場所へあえて身を置くことを決めたそう。
「時間が足りない!」と司会の松岡修造さんから何度もあったように、あっという間のトークセッションでしたが、当日、イベントに参加した2組の親子にその感想を聞いてきました。
「世界で活躍されている方々のお話を直接聞くことができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。また、息子がイベント後もこの日の話をしているので、選手たちの刺激のある言葉の数々がちゃんと息子の心にも響いていることに母として嬉しく思います」(母)
「僕は木村選手の“諦めることは後ろ向きなことだけではない。諦める瞬間は切り替えられる瞬間。状況を変えて前向きになれる瞬間”という言葉に驚きました。今までは、諦めずにやればできるはず!と思ってきたけど、これから行き詰まった時、僕もやり方を変えてみようと新しい方法を学ぶことができました。ありがとうございました」(恵人くん)
「インタビューを通して感じた3選手に共通している“自己肯定感”。それこそが弛まぬ努力を重ねていく上での原動力や自信に繋がっていると思います。また、“周りのプレッシャーはあまり感じない”という言葉。まさに自分との闘いなんですね。誰かにやらされるのではなく、自分と真摯に向き合い信じること、彼らのタフな精神力も魅力のひとつ。本当に学ぶことばかりです。パラリンピックを通じて、子どもたちには、困難にぶつかっても自分で選択して決断して突き進む強さを、少しでも感じてもらいたいです。来年は選手たちの輝く姿を楽しみに全力で応援したいと思います!」(母)
「ニコ・カッペル選手の、“背が小さくてもいいことはたくさんある”という話はすごいなと思いました。(カッペル選手に)見せてもらった本物の金メダルは、思ったより重たくてびっくりしました。木村選手は目が見えなくても水泳をしたり、上地選手は車いすでも、ひとりで暮らして料理したり、僕だったらと考えたら不安に思うので、すごいなと思いました。来年、東京パラリンピックを見るのが楽しみです」(優くん)
当日3人の選手が話してくれた言葉は、前向きになる方法を教えてくれるものばかり。木村選手の「あえて諦める」話だけでなく、カッペル選手からは「小さい身体が私にとっては当たり前だし、ネガティブに捉えたことがない。エコノミークラスだって私にはとても快適だよ!」、上地選手からは「私は“できたい”から頑張る。普通の方と一緒の方法ではできないけど、やり方を変えてやりたい、試してみたい!」と。与えられた環境のなかでプラスの面に目を向け、やり抜く強さ・楽しさを感じさせてくれました。
残り1年、お子さんと一緒にさまざまなイベントに参加して、パラリンピックに詳しくなれたら、もっと楽しく観戦できそうですね。
ドキュメンタリー「WHO I AM」
シーズン4が放送スタートしたばかり。会員登録すると、過去に放送されたシリーズも視聴が可能。上地選手はシーズン4で、カッペル選手と木村選手はともにシーズン3に登場しています。https://www.wowow.co.jp/sports/whoiam/