子連れでも楽しめる!と話題のミュージアム「Immersive Museum TOKYO 2023」で、VERY読者限定のスペシャルイベントが開催されました。抽選でご当選された親子50名様を無料ご招待し、展覧会の鑑賞はもちろん、VERYモデルの辻元 舞さんと天才キッズアーティストとして知られるConocaちゃんとの「アートから考える、子どもの好きを伸ばすには?」をテーマとしたトークショーが行われました。今回は、トークショーで語られた内容をご紹介しながら、ふたりの〝好きの見つけ方、伸ばし方〟について深掘りしていきます。
【今尾編集長】サロペット¥49,600(デ・プレ)バングル¥11,550(エイチアッシュ/フォーティーン ショールーム)その他/スタイリスト私物【辻元さん】ワンピース¥103,400(コー/イーストランド)イヤリング¥7,350バングル¥5,670(ともにアビステ)その他/スタイリスト私物
Conocaちゃんの〝好きの見つけ方、伸ばし方〟
Conocaちゃんって? これまでの活動を紹介します。
6歳の時に幼稚園で描いた絵が『世界児童画展』にて佳作に。いつもチラシの裏などに絵を描いていて、それを見つけたお母様が、インスタ投稿を始め、多くの人に注目されるように。その後都内中心に名古屋・関西にてフェスやグループ展に参加。9歳のころに現在のスタイル『つぶつぶアート』を確立。やがて、日動画廊に才能を認められ出展するなど、今では2年先まで予約が。先日は震災で被災したトルコの方々を笑顔にしたいという想いから、トルコ大使に絵を寄贈するなど、積極的にチャリティ活動も行っています。
──Conocaちゃんが絵を描くようになったきっかけ、好きになったきっかけは何ですか?
母が、子どもの頃から水泳、英語、ダンス、ピアノ、フラダンスなど、色々習わせてくれて、その中から私の〝好き〟を選ばせてくれました。子どもの時間にも限りはあるので、10歳の時、絵一本に。そして母がアクションを起こしてくれたおかげで、どんどん色々な人が私の絵に注目してくださり、世界が広がり、今、私は大好きな絵を思いっきり楽しむことができています。小さな頃の気持ちはあまり覚えていないのですが、今は絵がすごく好きです。 テレビとか友人との遊びよりも今は『つぶつぶアート』が好き。楽しくて仕方ないので、やりたいことを犠牲にしているとは思っていません。『つぶつぶアート』が私の人生だと言えます。絵を描いているときは、普通とは違う集中力が生まれます。とても楽しいから全然疲れないんです。それがいくら締め切りがある仕事だとしても、もし体力的に疲れたとしても全体を通して考えると楽しいと思えます。
──今着ているTシャツもConocaちゃんの絵なのですよね?
『つぶつぶアート』を描く前は、このような絵も描いていたんです。この絵を描いたのは7歳のとき。〝My glasses are my treasure.〟と書いてありますが、みんなが掛けているメガネが動物になっています。この絵には〝自分らしさを大切に〟というメッセージを込めました。
──『つぶつぶアート』が生まれたきっかけは?
最初はもっと大きいつぶつぶだったり、丸、三角、四角の模様を描いていたのですが、塗るのが大変で。丸だけにしたらずっと素敵になり、今のスタイルに。もともと細かい模様が好きなので、息をするようにつぶつぶを描いている気がします。
──どんな時にアートが生まれるのですか?
家にいるときより、外にいるときの方が絵を描きたくなります。特に水族館が好きで、水槽の端から端までじっくり見ます。生き物を見るのももちろん好きなのですが、光の当たり具合や泡、サンゴ礁の形などを見るのが好きです。細かいところがすごく気になるんです。そういう美しいものを見ていると絵を描きたくなります。
──うまく描けなくてイライラしたりはしないのですか?
納得できなくてもあまり感情的にならないタイプです。私は完成したところが見たいので、途中で投げ出したりしないのかもしれません。もし失敗しても母は、『直せないなら、次々!』と声をかけてくれます。深く悩んだりしないポジティブな一家なんです。 イライラしてもしょうがないので、どうしても気分が乗らない時などは、風景や動物の写真などを見て気分転換しています。
──色使いが素晴らしいのですが、色選びのルールはあるのですか?
色のつながりは気をつけています。同じ色が重なると見えにくくなるので、私の感覚になってしまいますが、バランスを見て、色を並べるようにしています。
辻元舞さんの〝好きの見つけ方、伸ばし方
──現在『プレバト!!』でも絵画の才能を発揮している舞さん。大人になった今〝好き〟を思い出したり、見つけたり、突き進めているは難しいことですが、舞さんの〝好き〟はいつ見つけましたか?
絵は、子どもの頃から大好きでした。絵が得意だということを自覚したのは、幼稚園の頃、先生が すごく褒めてくれて。先生が母に、この歳でこんなにちゃんと描ける子はあまりいませんよ、というようなことを言っているのを聞いたことをすごく覚えています。Conocaちゃんと同じように、子どもの頃から、紙さえあれば絵を描いていて、その後もイラストなどを描いていました。が、大人になるにつれ、絵に時間をかけられず離れている時間もありました。特に子育てしていると自分の事は後回しになりますし。TBSの『プレバト‼︎』という番組を通して、また本格的に絵を描くようになり、とても楽しくて、気づいたら番組の課題以外にも絵を描くようになっていました。プライベートで描くときは、お題があるわけではないので、好きな色を使って思いっきり描いています。私にとって、今、絵を描くことは、ストレス発散になっています。子どもがいると自分の時間はなかなか取れないのですが、息子たちを寝かしつけた後や、学校に行っている隙間時間などを利用しています。私は絵を描くことで無心になり、それに没頭することが本当にストレス発散になるんです。そして、自分の描きたいように描けるようになったおかげで、自分らしさ、自分がうれしいもの、楽しいもの、ということにとても敏感になり、今の方が昔よりも〝好き〟に向き合う時間が増えました。自分の〝好き〟があるということは、本当に楽しいな、と感じています。
──息子さんたちと一緒に絵を描いたりするのですか?
息子たちは、自分で描きだすことはあまりないんです。私と一緒に描くことが多いです。私が描いて いると、僕も~という感じで。 息子たちには、楽しく描くことを大切にしてもらいたいので、注意とかアドバイスなど、一切しません。息子たちは、本当に発想力が素晴らしいんです。先日小学校で貼られていた長男の自画像を見たのですが、顔の周りに足がたくさん描かれていて。これは何?と尋ねたら、『走るのが速いから』と言うんですよ。そんな発想大人にはできないじゃないですか。素晴らしいですよね。そういう部分は潰さずに伸ばせていけたらと思います。
──息子さんたちの〝好き〟は、なんですか?
息子たちは、体を動かすことが好きなので、今は運動系の習い事をさせています。好きだと本当に頑張りますよね。〝好き〟に勝る原動力はないですからね。夫とも、息子たちが苦手なことを平均に引き上げる時間はもったいないよね、と。だったらその時間を得意なものを伸ばす時間に使いたいと常々話しているんです。苦手なものに向き合わせると、苦手意識を強めてしまう気がして。だったら苦手を気づかせずに、得意だけを知って成長して欲しいんです。息子たちには、これが好き、得意、これだけは負けない!というものを見つけてもらいたいです。そしていずれ苦手を克服し たり、挑戦することができるような大人になってくれればいいな、と思っています。
PROFILE
トークイベントにいらした子連れの読者さんに感想をお伺いしました!
トークショーが行われたのは……
開催期間:2023年7月7日(金)~2023年10月29日(日)
場所:日本橋三井ホール(中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町1の4階)
チケット料金:小学生以下無料、大人2500円、大学生1800円、中高生1500円
昨年の印象派に続き、ゴッホやゴーガン、スーラ、セザンヌらを代表的作家とするポスト印象派の芸術作品に焦点が当てられています。19世紀後半に巻き起こった印象派の多大な影響を受けながらも、自分自身のスタイルでアップデートを試みたポスト印象派の画家たち。今回、影響を与え合い切磋琢磨した作家同士の関係性にも着目しながら、それぞれの作品の特徴的な技法や創作プロセスを、デジタル技術によって没入型体験コンテンツとして楽しむことができます。
撮影/木村 敦 ヘア・メーク/YUMBOU〈ilumini〉スタイリスト/石関靖子 モデル/辻元 舞 取材・文/沼田珠実