WOWOW「WHO I AMプロジェクト」と日比谷音楽祭がコラボしたイベント“ノーバリアゲームズ”を新人ライター木村幼奈が取材。
最終回は、当日の参加されたママにインタビューをご紹介。
印象的だったのは、みなさんが口を揃えて「また来年も!」と話してくださったことでした。
「主人の知人からイベントの存在を教えてもらい、参加しました。
参加前は、娘もまだ小さく、楽しめるのか不安もありましたが、年齢や障がいの有無を問わず参加できると聞き、障がいのある主人と娘と家族3人で楽しめたらと思い、参加を決めました。参加前は、運動会というよりゲーム(遊び)というイメージでしたが、終わってみると運動会そのもので、娘より私たち両親が楽しんでいたのではないかというくらい、夢中になり、真剣に竸技に参加していました。チーム別のカラーTシャツや、逆転勝利が可能な得点システムに競争精神を掻き立てられた気がします。また、私たち赤チームは見事優勝し、娘にとっては、人生初の運動会で、人生初の金メダル。とても嬉しかったようで、このイベント後も3日間ほどは毎日金メダルを下げ、会う人みんなに自慢していました。2つ目の金メダル目指して、また来年も頑張って欲しいと思います!」
「娘がWOWOWのキャラクター・ウーとワーが好きで、実際に会えるというのが参加のきっかけでした。それゆえ、内容などは理解していませんでしたが、運動はもちろん、初めての事にチャレンジすることが好きな子なので、参加を決めました。競技が始まる前は少し緊張しているようにも見えましたが、開始後はチームにすっかり溶け込んで真剣に参加しており、親から離れて楽しむ姿に成長を感じました。娘はとても楽しかったと言っていましたが、2位の銀メダルが相当悔しかったようで、来年は金メダルを絶対とる!と、早速来年に向け意気込んでいました。
また、ゲーム内容もただ速さを競うだけでなく、遊びの要素も組み込まれており、見ている私や3歳の息子も飽きずに観戦できたことも良かったです。生で観るスポーツ選手の身体能力の高さは想像以上のもので、パラリンピックがより一層楽しみになりました」
「知人からの誘いを受け、参加を決めました。
運動好きな息子は、誘いを受けた3月からずっと楽しみにしており、当日の朝も5時起きという気合いの入りようでした。実際に参加してみると、本気で戦うイベントで驚きました。スポーツをするなかで、対車椅子となるとどうしても遠慮されてしまう方が大半ですが、みなさんが本気でぶつかり合ってきてくれたことが嬉しかったです。また、昨今のパライベントは、パラリンピックの認知拡大の目的からか、健常者をターゲットにした施策が多く、実際にパラスポーツを始めたいと思っている障がい者には参加しづらい環境の場合があるのですが、このイベントはターゲットも含め、ノーバリアなことが嬉しかったです。
息子は、出場チームが優勝し、個人MVPまで頂いたことが嬉しかったようで家までメダルを下げたまま帰宅しました。息子に障害があってよかったとは思いませんが、息子のお陰で知らなかった世界を知ることができ、見たことのない景色が見られることに感謝しています」
取材を終えて……
「普段、一歩街に出るとそこにはさまざまな人がいるなかで、関わる人はほんの一部。私自身、ただ“なんとなく”自分と同じような年齢で、環境が似ている人と狭い世界で生きてきたように思います。年齢もさまざまで、性別や障害の有無関係ない仲間で集まって遊んだり、食事をしたり……、そんな当たり前のことでも経験をした方はあまり多くないかもしれません。でもこのイベントを通して感じたことは機会がないだけで、いざ触れ合ってみると誰もボーダーを気にしていないということ。もちろんスポーツの力もあるとは思いますが、同じ目的がなくてもボーダーフリーな考え方が広がり、さまざまな〇△□を受け入れ、誰もが生きやすく、一人一人が輝く世の中が当たり前になったらと思いました。さまざまな方と子どものうちから関わることで、その当たり前を作っていけるのだと思うので、次回があれば、我が子も参加させたいです」新人ライター木村幼奈