青山祐子さん「自分の行動に責任を持てる力を育むには?」
2020年2月からVERYの連載を始め4年目に突入です。
当時は新型コロナが香港に広がり、先の見えない長いトンネルに入り始めた頃でした。学校やスポーツ施設、ビーチも長期間閉鎖され、不安の中で子ども達と前向きに暮らすヒントや日々感じたことを綴ってきました。
香港は3月から3年ぶりにマスクが必要なくなります。ようやくコロナ前の賑わいが戻り、先日は6歳になったばかりの末娘の学年コンサートで、親子みんなが踊って楽しみました。コロナ規制が特に厳しかった香港では、一つ一つの学校行事がとても新鮮で貴重に感じられます。
もうすぐ長男が11歳になります。子育てを始めてからこの11年間、香港へ移住し、全く新しい教育システムに触れ、子育てに対する考え方が大きく変わりました。
今の学校の入学式で校長先生が「子供達が大人になる頃には、今ある仕事の半分以上はなくなっているでしょう。AIも進化する将来、子供達が新たな世界を創造し生き抜ける力を養う教育をしていきます。」と語った通り、子供たちは好奇心を刺激されながら、創造力豊かに個性を伸ばし活発に成長しています。
私にとっては、学校カウンセラーによる親への子育て講座がとても参考になり、親子の関係をより親密にし、子供の心の成長を助ける大きな力になっていると感じます。
香港移住3年の頃
今回は、「子供の問題行動を改めながら自己責任感を育む」取り組みについて私の体験を交えてご紹介します。
子供が部屋を片付けない、自転車を出しっぱなしにするなど、困ったときに皆さんはどうしますか?
「早く片付けなさい!!」と怒ったり、「言うことを聞かないとオンラインゲーム禁止」などの罰を与えていませんか?
罰があると子供はすぐ言うことに従います。しかし、罰が繰り返されれば子供の中に怒りや反発心を生み、こっそり影に隠れたり、攻撃的になったり、言い訳をしたりするようになり、次第に親子の信頼がなくなってしまいます。親の監視がなければ悪いことを繰り返してしまいます。
子供が成長したときに、ドラッグや犯罪、今問題になっている飲食店での度を過ぎた迷惑行為などに手を染めることがないよう、自分の行動に責任を持って判断できる、悪い行動にストップをかけられるよう自己責任感を育てたいです。
そのために、子供の問題行動を直して欲しいとき、以下の順で子供に話します。
1、優しく丁寧にお願いする。声のトーンを落ち着かせて。
「おもちゃを片付けてね」
2、’I’messages:ママやパパが、子供の行動をどう感じ困っているかを伝え、直してもらいたい点、いつ直すか子供と約束を決める。
「私は、部屋が散らかってとても困っている。片付けてくれる?いつできる?」
3、しっかりとリマインダーする
「さっき一緒に決めた時間になったよ。今から片付けましょう。」
自己責任感を養うために、子供に選択肢を与え、自分が選んだ行動にどんな結果が伴うかを伝えるといいそうです。
Either/Or Choice
「おもちゃを片付ける?それとも、片付けられないものは寄付する?自分で決めてね。」
選択肢は、子供がどちらを選んでも、親もOKなものにしましょう。
When/Then Choice
「宿題を終わらせよう。そうしたら、iPadで遊ぼう。」
注意>「宿題を終わらせないなら、iPadを使ってはだめ」と否定形で言うのは脅している印象を受け、親子間の反発を生む恐れがあるので控えましょう。
行動の選択と結果に関連性がないと、罰になってしまうので注意。
X 「部屋を片付けないなら、ゲーム禁止。」
罰から逃げるだけで、自分の行動に責任を持つ習慣が育ちません。
さらに、家族ミーティングを開いて、家庭のルールを子供と一緒に考えて作ることが重要です。
私は、ルールを決める際に理由も子供達に納得してもらっています。
我が家の場合は、「宿題が終わったら、iPadを使って遊んでいいよ」と言うルールを作りました。
最初は宿題を5分くらいの量から始め、今のところ少し課題が増えても、終わらせてからiPadで遊んでいます。
時に宿題をせずにiPadに向かうことがありますが、「あれ!終わったの?」とリマインドすると、さっさと課題を終わらせます。
勉強は褒めながら、楽しくてすぐ終わるという体験を最初に積み重ねると取り組みやすいです。
もちろん、毎回うまくいくわけではありません。
自分の行動に責任を持つことは、社会で生きる上で必要不可欠です。
日々の生活の中に子供達の自己責任感を養う機会があるのなら、ぜひ活かしたいですね。
さて、日本の子どもたちにも世界で戦える力を養って欲しいと願って始めた、 IT、デザイン、起業家精神を英語「で」学ぶ子供の教室、CURIOOkids(キュリオキッズ)は、世界20カ国に拠点を広げ、4月には福岡市に3校目となる高宮スタジオがオープンします。
ベトナム校の生徒が福岡の教室に来て一緒に学んだり、環境保護を考えて作ったエコバックを英語でプレゼンテーションする大会を開催したり、子供達は毎日色とりどりのカリキュラムでとても楽しそうに学んでいます。
夏には海外生徒との交流イベントとして、日本やアメリカでサマーキャンプを予定しています。
参加した子供からの感想。
「初めて外国の子どもと触れ合って、文化を理解しあえてとても楽しかったです。」
「すぐに仲良くなれていっぱい思い出が作れました。」
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