男の子が大好きなサッカーやテレビゲーム。いつか友達がびっくりするぐらいうまくなって、みんなを驚かせたい!そんな子どもたちの夢を叶えてくれるニューヒーローが絵本の世界に誕生しました♪
『タコやん』は、ユニークな作風で知られる富安陽子さんが、“もしこうだったら”の世界を生き生きと描いた絵本。ある日、しょうちゃんという男の子の家に、タコのタコやんが「あそびましょ」と現れます。躊躇していたしょうちゃんを尻目に、玄関のドアのすきまから「ヌルリンチョ」と入ってくるタコやん。ゲームのコントローラーを器用にあやつり、次々に敵を倒していく達人ぶりにしょうちゃんはびっくり。公園に連れ出すと、今度は名ゴールキーパーになったり、かくれんぼの才能を発揮したりと、あっという間に子どもたちの人気者に。8本の足を自由自在に使いながら、次から次へと遊びをこなしていく姿はなんとも痛快。「タコやん、すっげえ!」とくりかえす子どもたちのセリフも臨場感たっぷりで、読み聞かせるママの声も思わず大きくなりそう。ほめられると「それほどでも」と頭をかく、どこかひょうひょうとしたタコやんを、南伸坊さんのユーモアあふれるイラストが、いっそう魅力的なキャラクターに。
クライマックスには、ルールを守らないワンコ連れのおじさんに向かって、タコやんの最終兵器が炸裂!その大活躍ぶりに、「プカリプカリ」と海へ帰っていくラストでは思わずホロリ。大人も子どもと一緒にワクワクできる、楽しくて痛快な絵本です♪
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