自らも小学6年生の娘を持つ「いちママ」として、子育てで起こる問題やその対処法、さまざまな試みをSNSで発信し、チームVERY内でも「ささる」と話題の存在、あぴママさん。「正解はない」と頭ではわかっていても、「頑張らなきゃ」と右往左往してしまうVERY世代のママたちに、心が軽くなるアドバイスをもらいました。
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( profile )
あぴママさん
大学卒業後、メーカーで通訳や海外営業など総合職として勤務。現在は独立し、事業経営する傍ら、ブログ「あぴママびより」にて発信も行う。Instagram@dayswithapi
Q1
娘が私の機嫌を
察知して怯えます
娘が私の機嫌や状態に敏感すぎてプレッシャーです。できるだけ感情を出さずにいようと思っていますが、私がイライラしたり忙しくしていると、娘も情緒不安定になります(夫には無関心)。疲れている時は娘といるのがしんどいです。(Aさん)
A
人の機微をとても上手に読み取れるお子さんなのですね。それは先天的なもの。この力は社会では本当に役に立ちますから、基本的にはとても素晴らしいことであるように思います。ママだけに向けられると少し困ってしまいますが、それだけママが世界の中心だということでもあります。私なら、今考えていたり感じていることを、ほとんどすべて娘に話すと思います。「今、疲れているから余裕がなくて、小さいことにもイライラしちゃうかも」と。そうすれば娘は機微を読んで予測することなく、その情報が得られる。あぴちゃんも繊細なのですが、私の様子がわかると、安心につながっているようではあります。
Q2
家族の幸せって「私次第」なの?
乳児2人の母です。仕事の特性上、平日は19時台まで、土曜も働いています。帰りが遅い日は夫や母にお迎えをお願いしていますが、一緒にいてあげたい時間にいられない、そろそろ習い事させた方がいい?など、先々が不安です。(Bさん)
A
私は生後数カ月からわが子を園にあずけてフルタイムで働いていたことを、あらかじめことわっておきます。「一緒にいてあげたい」。この気持ちは素晴らしいものですね。ここで思考実験として「仕事をしないあなたと乳児2人の生活」「仕事をするあなたと乳児2人の生活」の2つを用意して、乳児の成長を観察してみても、そんなに違いはないと私は思います。子どもは、「そこにいる大人の愛情を目一杯受け、ただ育っていく」もの。あなたが仕事をしている時間は、保育園の先生やお母さまなど、他の愛情深い方々が子どもたちを見てくれる。これは非常に自然な育児の姿です。これに問題を感じるのであれば、「子どもたちがそれを望んでいるから一緒にいてあげたい」というより、「あなた自身が子どもたちと一緒にいたい」と思っているからかも。その場合は、自分の気持ちに素直に従うべきなんじゃないかなと思います。
Q3
もう修復できないかも。
離婚の選択は私のわがまま?
夫への愛が冷めきってしまい本当に悩んでいます。結婚から8年、なかなかのモラハラもありました。子どもたちにはひどい喧嘩を見せてきてしまいました。離婚を持ち出したこともあり、夫が本気で変わろうとしているのは感じ始めているのですが…。今まで好きな人と好きなことだけに囲まれる人生で、それがモットーだったのでなおさら辛いです。だからと言って、子ども3人を1人で育てるには時間的余裕も経済的余裕もないのに、私はただのわがままなのか?と悩んでいます。(Cさん)
A
「1人で育てるには時間とお金の余裕がない」という発言から、現実的に離婚はないものとして一旦回答します(もしあるなら私は離婚をすすめると思います)。私の友人で同じような方がいました。夫と一緒に夫の出身国に転居するにあたり、それまでの軋轢や心の傷を振り返り、直前までついていくか悩んだそうです。でも「心の傷はすべてここに置いて忘れよう」と転居し、夫ともども子どもを傷つけたことを憂いて自分を変える努力を重ねました。私から見ると彼らは今、ともに成熟し仲良く暮らしています。そう、「成熟」がキーワードなんですね。おそらくですが相談者さんの夫の「本気で変わろうとしている」という姿勢は成熟への第一歩。私の友人の「すべて忘れよう」というのも許し、つまり成熟だと思います。モラハラというものはフラッシュバックがあり、その度に悲しみや怒りで辛いはずですし、乗り越えるのは簡単なことではないですが、ひどい喧嘩が子どもに及ぼした影響を経験として夫婦で何度も話し合い、共有し、避けるべきことだとして互いにマインドコントロールしていく流れが作れたら良いのではないかと思います。話し合いには結束を生む効果もあります。おふたりの平和をお祈りします。
Q4
子連れで理不尽な
目に遭います
スーパーなど子連れで歩いていると、よくおじさんに「迷惑だ」などと理不尽に怒鳴られます。相手にしなければいいのですが、やはり悔しくて、心がすり減ります。(Dさん)
A
若い頃は私もそういう目によく遭ったのですが、「これはおそらく見た目でなめられている」と気づいて以降は、絡まれることはなくなりました。混雑した場所で男性と歩いていない時や、小さい子を連れて歩く時は、少しピシャッとした雰囲気でさっそうと歩くようにしています。作る表情も少し違います。どんな感じかというと「ピシャッと」としか言いようがないのですが、それだけで、変な絡まれ方はしなくなります。また、どうしても暴れがちな男の子2人と女の子1人を連れて商業施設に行かなければならなくなった時、あえて黒いライダースジャケットと大ぶりのピアスを2個つけてごついブーツを履いて出かけたことがあります。ちょっと怖い感じの女の人っぽく見せることで、暴れん坊3人の行動にいちゃもんをつけられることを自分なりに阻止するつもりの武装です。武装が効いたのかはわかりませんが、平和に終わりました。
取材・文/有馬美穂 編集/西脇治子
*VERY2023年2月号「読むだけで救われるあぴママさんの人生哲学」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。