家事育児は〝手伝う〟から〝シェアする〟時代に。頑張るパパの悩みに応える新連載がスタートします。りゅうちぇるさんの愛ある叱咤激励と、ジェンダー論のプロ・東大人気No.1講義の瀬地山 角先生の分析を、ぜひ夫婦でシェアしてみてください。
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▶︎「自分はイクメン」思い込みパパへ東大人気教授がアドバイス
今月の悩めるパパ ⑤
橋本慎太郎さん(仮)/36歳。会社員。大学時代はアメフト部で活躍したスポーツマン。前職で同僚だった妻とは職場結婚をして今年で10周年。
子育てを妻まかせにしてきたため、娘との関わり方がよくわかりません。
ママ大好きな長女、自己主張の強い次女とどう接すればいいですか?
「娘は6歳と3歳、フルタイムの共働きです。今まで家事育児は妻にまかせきりでしたが、部署異動で時間に融通が利くようになり、少しずつ手伝うようになりました。朝食の補助や保育園の送りが僕の担当です。ただ、娘たちと接してきた時間が圧倒的に少なく、子育てに慣れていません。長女はすぐ「ママがいい!」と言いますし、次女は自己主張が強く意に沿わないとグズるので、イライラしてしまいます。異性ということもあり娘の扱い方がよくわかりません。もっと育児に関わりたいのですが……。」
◉ジェンダー論のプロ・瀬地山さんから
悩めるパパへのアドバイス
朝食作りは家事の中で
最も簡単で、妻の満足度も
高いのでおすすめです
女の子だから接し方がわからないとのことですが、異性であることを言い訳に最初から距離をとりすぎている気がしますね。この年齢でそこまで男女差は出ません。体を使った遊びは女の子も喜びますし、少なくとも本質的には何も変わらないですから。ママがいいと言うのも母親と長く過ごしているから当然のこと。解決策は父親との時間を長くすることです。まずは休日に父親と子どもだけで過ごす時間を持ちましょう。あと保育園は送りだけでなく迎えも行く、朝食も補助ではなく最初から作ってみてください。朝食は毎日同じメニューでよく、技術も要らず所要時間も15分程度と、男性がやる家事の中では一番簡単ですが、妻からの評価は比較的高いんです。朝の15分は貴重ですから。登園準備も妻とノウハウを共有して、全体像を把握しましょう。次女が3歳で保育所生活はあと数年続くわけですから、週1日はお迎えまで行って夕食を作るくらいはやってほしいところですが、ハードルが高いなら、まずは朝食を作る、たまには迎えも行く、母親をフリーにして子どもと一緒に過ごす時間を作る。そこから始めてみては? 家事は手伝うものではありません。
瀬地山 角先生
東京大学大学院総合文化研究所教授。専門はジェンダー論で、東大での人気講義No.1と評判。自身も2児の父として10年間保育園の送迎をし、現在も普段の夕食作りを担っている。
撮影/杉本大希 ヘア・メーク/megu スタイリング/曽我一平 取材・文/宇野安紀子 イラスト/N.Ryosuke 編集/井上智明
*VERY2022年2月号「りゅうちぇるの「パパの子育て悩み相談室」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。