ママやパパが子どもと一緒に楽しめるおうち遊びを毎週金曜日にご紹介している「VERYこども遊び研究所」。今回は、おうち遊びの魅力を再発見できるアート感覚のお絵描きを井出武尊さんに教えてもらいました。
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フロッタージュでおうち探検隊
今回はよく知っているはずのおうちを探検する遊びです。使うものは紙と鉛筆。鉛筆は芯が柔らかめのもの(Bや2Bなど)がおすすめ。色鉛筆でも良いですよ。
探検の方法として「フロッタージュ(擦り出し)」という絵画技法を用います。絵画技法といっても難しくありません。コインや葉っぱなど凹凸のある物の上に紙を置いて上から鉛筆などで擦るとその模様が浮かび上がるというものです。名前は知らずともやったことがあるという方は多いのではないですか?
名付けて「フロッタージュでおうち探検隊」。フロッタージュできそうな場所をおうちの中で探したらその模様を擦りだします。これだけなのにとっても楽しいんです。
毎日過ごしているおうちなのに、フロッタージュすると違った表情を見せてくれるのが面白いところ。また、フロッタージュは力の加減を必要とします。力が弱すぎても強すぎてもうまくいきません。遊びながら自然と身体のコントロール(力加減)も身に付きます。
初めはコインなどを使ってテーブルの上で練習してみます。紙に模様が浮かび上がる様はちょっと感動的でもあります。
子どもの年齢によっては、クイズ感覚で探検するのも面白いですよ。親子で別々にフロッタージュをして、その場所がどこなのかを当てるというゲームです。答え合わせはもちろんフロッタージュで。ここだ!と思う場所を擦り出して同じ模様が浮かび上がれば正解です。
子どもの成長に応じて範囲を絞ると遊びやすいと思います。3歳くらいの子どもならリビングだけでやったり、小学生ならベランダやお庭もありとか。床や壁はもちろん、素材によっては椅子や植木鉢などの小物も面白いですよ。
近年、アクティブラーニングやSTEM(STEAM)教育などの話題の中で、重要視されているものの一つは「知識を得ること」ではなく「知識を“得るための力”を獲得すること」だと思います。何事においても変化が早い現代においては、知識を暗記するのではなく、調べる、対話する、実験するということを通じて学ぶ経験が大切です。今回ご紹介したような何気ない遊びからもたくさんの経験が得られます。まさに子どもは遊んで育つというわけです。
フロッタージュしたものは最後にコラージュして他の遊びに展開することもできます。子どもの発想力に任せて遊んでみてください。
遊んでみた様子は、ぜひ#takeruide #VERYこども遊び研究所 のハッシュタグをつけてInstagramにアップしてくださいね!
\教えてくれたのは/
◉井出武尊さん Takeru IDE
2004年東京藝術大学先端芸術表現科卒業。子どもと遊びの企業にて多数のプロジェクトに携わり、15年以上にわたって子どもの遊具や遊び場のデザインを手がける。幼少期における表現活動の重要性を感じており、遊びのプログラムの開発、ノウハウの提供、情報発信などに幅広く従事。子どもの表現教育のためのミュージアム設立が目標。2021年1月現在、5歳の娘と毎日遊ぶ様子がSNSを通じてママたちの関心を集めている。Instagram:@takeru_ide