ママやパパが子どもと一緒に楽しめるおうち遊びを毎週金曜日にご紹介している「VERYこども遊び研究所」。井出武尊さんが、乳幼児ママ向けのおうち遊びをご紹介します。
タオルを使ったプルトーイ。
“タオル列車”でぬいぐるみとお出かけ!
生後6〜9ヶ月くらいの赤ちゃんはお座りが安定したり、はいはいであちこち移動するようになることが多いですね。早ければつかまりだちを始めることもあります。とにかく活発に体を動かし始める時期です。
そんな時期に、より一層体を動かすことが楽しくなる遊びをご紹介します。題して「タオル列車でぬいぐるみとお出かけ遊び」です。
お座りをしている赤ちゃんの前にタオルを敷いて、その端にお気に入りのぬいぐるみを置きます。もう片方の端はママが持っていてください。
赤ちゃんがそれに気づいて、つかもうと手を伸ばしてきたら、ヒュッと優しくタオルを引いてぬいぐるみを動かします。ぬいぐるみがタオルに乗って、赤ちゃんの手から逃げるように動きます。タオルに乗って動くので、「タオル列車」ということですね。
この時期はなんでも触ってみたい時期でもありますから、気になると手が伸びるという赤ちゃんも多いはず。
目の前からぬいぐるみが動き出したら、思わずはいはいで追いかけるかもしれません。赤ちゃんが近づいてきたらまた少し動かして逃げます。これを繰り返して遊びます。
シンプルな繰り返しの遊びですが、お気に入りのぬいぐるみが動きそれを追いかけるという、赤ちゃんが夢中になる要素がたっぷりの遊びです。
なかには「タオルを引っ張ると動く」ということ(原因と結果)を理解し、自分でやりたくなる赤ちゃんもいるでしょう。その場合は、タオルの端を赤ちゃんに渡してあげましょう。お座りのまま自分の前でタオルを引っ張って遊んだり、歩けるようならばタオル列車を連れたお散歩が始まることもあると思います。
※赤ちゃんの首や体にタオルが絡まないように、目を離さないでください。
タオルを引っ張るたびにぬいぐるみが転げ落ちて煩わしいようであれば、タオルの端を丸めて結んでおけば、タオルが舟型になりぬいぐるみが落ちづらくなります。また、落ちたぬいぐるみを「手でつかみ、タオルの上に乗せる」というのも、この時期には楽しい遊びになります。
タオルの上に乗せるのは、ぬいぐるみに限らず、積み木などのおもちゃでも良いですね。積み木ならばカタカタと触れ合う音も楽しいと思います。
はいはいをほとんどしないままに歩くようになる赤ちゃんもいるようですから、無理に練習をする必要はないと思いますが、体を動かすことを楽しんでいるようであれば、こういった遊びを交えて、はいはいを促すということも良いのではないでしょうか。
もう1つ大切にしたいのは、赤ちゃんに対して積極的に「声をかける」こと。
「どう声をかければいいのかわからない」という方は、目に入ったものを、そのまま言葉にするところから初めてみるといいかもしれません。
「ぬいぐるみが動いたね」
「タオルの電車でお出かけなんだって」
「〇〇ちゃん / 〇〇くん(赤ちゃんの名前)から逃げたよ。つかまえよう!」
「タオル列車はどこまでいくんだろうねー」
「タオル列車はテーブルまで行くんだって」
という感じ。この時期はまだはっきりとした言葉を話すことはありせんが、たくさんの言葉を聞くことが、その後の言葉の発達につながっていきます。
テレビや動画ではなく、周囲の大人が話しかけるからこそ、届く言葉というのもあると思います。
赤ちゃんと二人きりで家で過ごす時間が長いという方も多いかもしれないですね。簡単にできる遊びを通じて少しでも楽しんでもらえれば嬉しいです。
遊んでみた様子は、ぜひ#takeruide #VERYこども遊び研究所 のハッシュタグをつけてInstagramにアップしてくださいね!
\教えてくれたのは/
◉井出武尊さん Takeru IDE
2004年東京藝術大学先端芸術表現科卒業。子どもと遊びの企業にて多数のプロジェクトに携わり、15年以上にわたって子どもの遊具や遊び場のデザインを手がける。幼少期における表現活動の重要性を感じており、遊びのプログラムの開発、ノウハウの提供、情報発信などに幅広く従事。子どもの表現教育のためのミュージアム設立が目標。2021年1月現在、5歳の娘と毎日遊ぶ様子がSNSを通じてママたちの関心を集めている。Instagram:@takeru_ide