リモートワークの合間を塗ってでも子どもと遊ぶ時間を捻出しなければ、と焦っていませんか? そんなあなたに『こども遊び研究所』で楽しい遊びアイデアを紹介してくれているしげおかのぶこさんが、お手伝いを兼ねた遊びを伝授。さらに外出時にも間が持つ、マスキングテープを使った遊びをお届けします。
\教えてくれた人/
◉しげおかのぶこさん
おもちゃ・教材などのデザインをはじめ、こども向けワークショップ『こどもじっけんしつ』を通して、楽しいモノづくりやあそびを提案。雑誌や広告などのメディアでも活躍中。おもちゃブランド gg*のデザイナー。6歳の男の子ママ。Instagram:@studiopippi
時間を絞り出す必要なし!
家事のお手伝いも遊びの時間になります
――独身時代からおもちゃのデザイナーをされ、子どもはお好きですよね。実際息子さんとの遊び時間はどのように確保されていますか?
平日の夜、お風呂から出て寝るまでに、主に私の精神・体力的余裕がある時にいつもご紹介しているような簡単な工作をしています。仕事などで疲れて遊ぶのがしんどい時は無理をせずDVDを見せたり、レゴやLaQ(ラキュー)などひとりで遊べるおもちゃに頼っています。
――今、息子さんはどんなおもちゃが好きですか?
レゴが大好きです。初めはカタログを見ながら作っていくのを楽しんでいましたが、今は自分でオリジナルのものを組み立てたり、コマ撮りをして物語を作ることにはまっています。
3〜4歳の時はプラレールやトミカが好きで、ダンボールで駐車場を作ったり、線路のまわりに置くアーチや木など、足りないものを工作にして発展させていました。
あとは、できる範囲で家事を手伝ってもらい、遊びの一環にしていますね。
――お手伝い遊びの情報は、多くのママが知りたいところです。
子どもの中ではお手伝いと遊びに境界がないというか、全部遊びの認識。わざわざ遊ぶ時間を取らなくてもいいと思うんです。子どもって、バスの降車ボタンとかボタンを押すのが好き。洗濯機のスタートボタンや給湯ボタンを押してもらう、数字を理解し始めたら給湯器の温度の設定、レンジやトースターのダイヤルを回すとか、ボタン押し遊びはよくしています。
息子に自分の服をハンガーにかけてもらうとか、靴下を洗濯バサミに挟むとか、洗濯干しの手伝いも。挟むのは少し難しいけど、コツをつかめば3〜4歳になるとできるかも。取り込む時、かごに入れてもらうとか、神経衰弱みたいに靴下のペアを見つけ出してもらうとか、自分のものは畳んでもらうとかもしています。うまくできると、夫に「僕がやったんだよ」って報告したり。一つ一つの積み重ねが自信になっているみたいですね。
――料理のお手伝い遊びもしますか?
袋の中に食材と片栗粉を入れてがさがさ混ぜて、片栗粉をつけるのを手伝ってもらったり、味噌を溶かしたり。卵を割るのが好きな時期があって、きれいに割れたら100点みたいな得点制にして。数字や勝負事が好きな男の子は多い気がするので、点数にすると男の子は燃えるかもしれません。息子が3歳くらいの時、マイ包丁をほしがったので買ってあげると喜んだので、家事に関する子ども専用のアイテムを与えるのもいいかもしれないです。
料理系のお手伝い遊びをすると、作業に倍の時間がかかりますが(笑)、手伝いを始めてからよくキッチンに顔を出すようになって、調理器具や調味料にも興味を持つようになりました。
――でも子どもって気分がのらないと動きませんよね。うまく誘導する方法はありますか?
我が家も気分がのらないとしませんね。でも「手伝ってくれたら、お菓子あげる」みたいな交換条件は出すことは避けたくて。子どものできることが増えて違うステージになるとやる気を見せますけど、あんまり言いすぎても嫌がられますし。料理系なら「⚪︎⚪︎がこの前包んでくれた餃子美味しかったなぁ」とか、お手伝い系なら「この前みたいに手伝ってくれたら、早く終わって助かるなぁ」と、以前あったことを話す時はありますね。
それでも、ダメな時もあるので根気強く誘うしかないかもしれませんが…(笑)。
マスキングテープがあれば、
外食中の待ち時間も遊びに!
――外食の時など、間が持たなくってスマホでYouTube見せるのが当たり前になっています。動画ばかりではなく、それ以外の遊びを知りたいです。
私はマスキングテープ、色鉛筆、A4のコピー用紙などの紙、はさみ、事務用品の丸シールをセットにして持参しています。小さい子だと丸シールを剥がして貼るだけでもおもしろがりますし、1歳半くらいからでもできそうです。
小さな子は、シールを貼る・つなげるだけでも夢中に。もう少し大きくなると、花や動物の模様を作ってアレンジもできます。色鉛筆があれば花に葉っぱを付け足すなどができ、ストーリーが広がります。
荷物を減らしたいのであれば、マスキングテープだけでもおすすめ。
マスキングテープ(1)「引っ張る・ちぎる・貼る」
1〜2歳の子どもなら、ただテープを引っ張るだけでも楽しめます。子どもにはちぎる動作が難しいので、親が少し切り込みを入れたり、手を持ってサポートを。剥がしやすいのがマスキングテープのいいところ。机や持ち物、洋服や身体など、お子さんが希望する場所に貼れます。
マスキングテープ(2)「びりびりあそび」
マスキングテープを好きな長さに切り、縦にびりびりと裂くだけ。最初は親が5mm程度切ると子どもが裂きやすい。慣れてきたらテープを長くしても。手先の器用さが養われます。
マスキングテープ(3)「もようづくり」
マスキングテープで好きな模様や絵、数字や文字などを貼りましょう。テープが2色あると、バリエーションが広がりますよ。
マスキングテープ(4)「ネイル遊び」
爪の大きさにマスキングテープをちぎって、簡単ネイルに。小さな子どもの爪に貼るので親は少し大変ですが、おしゃれ好きキッズはこれだけでもテンションUP。カラフルな模様入りのマステだと可愛く仕上がります。
マスキングテープ(5)「ボール入れゲーム」
マスキングテープで遊んだ後、剥がしたテープを丸めてボール状にし、マスキングテープの穴に入れるゲーム。意外と穴に入れるのが難しく、子どもも夢中に。
スペースがあれば、マステを貼って得点をつけるのも◎。
マスキングテープ(6)「マステ剥がし遊び」
テーブルなどに、ちぎったテープを貼ります(端を5mmぐらい折り曲げてツマミのようにすると、剥がしやすくなります)。そこに油性ペンで絵を描きます。いろんな表情を描いて「にこにこ顏を剥がして」など指示して、子どもに剥がしてもらうだけ。絵は動物や数字など、子どもが興味持つものにすればのってくるはず。
貼る場所がない時は携帯カバーなどのツルツルした面に貼れば、電車などの退屈な時間にも活躍!
遊びのほか、食べかけのお菓子のパッケージを閉じるなど、様々に使えるマスキングテープ。これからはバッグにしのばせてはいかがでしょうか。
取材・文/津島千佳