全国各地が猛暑に見舞われている今の時期こそ、おうちで涼しく遊びませんか? 毎週金曜日にVERYwebで配信中の「VERYこども遊び研究所」では、ママやパパが子どもと一緒に楽しめる“おうち遊び”をご紹介しています。
今週は、井出武尊さんによるパパ遊び。「袋の中身を当てる」というシンプルな知育遊び。中に入れるもの次第で遊び方も広がります。手の感覚をよ〜く研ぎ澄ませて、大人も挑戦してみましょう。
VERYこども遊び研究所 Vol.17
<今週のパパ遊び>
「袋の中身はなんだろう?」
お笑い番組など観ていると、芸人が箱の中に手を入れて、中身を当てるゲームをたまに見かける。
中身は概ねひどいもので、芸人のリアクションを見て笑うのだけど、これを幼児教育でやると、なかなかおもしろい知育遊びとなる。
これは、視覚を使わずに手の感覚だけで形を認識するというもの。知育の代名詞のように語られる“モンテッソーリ教育”の現場でもよく行われる「ひみつ袋」とか「実体認識袋」と呼ばれるもの。
もちろん、手指の感覚に集中するのだから、触覚の発達にもつながるし、認識したものの名前を言うことで語彙の獲得にもつながる。
まずは遊んでいる様子をご覧ください。細かな解説はこの後に続けます。
では、やってみよう。
まずは手頃なサイズの巾着袋を用意します。なければトートバッグなどでも良い。中身が見えず、手を入れることができればなんでもOK。今回は4歳の娘が装飾したオリジナル巾着を使用。ハデハデ。
最初は形も素材も大きさもバラバラのものを、5つくらい入れてみます。テレビ番組のようなドッキリではないので、中に入れるものは事前に見て良い。当てずっぽうでやるのではなく、形の違いや特徴を手で感じ取ることが大切。
中に入れるものを確認したら全部袋に入れて、手だけで形を探っていきます。わかったものから、名前を言って取り出す。
正解したら子どもと一緒にちょっと大げさなくらい喜ぶといいと思います。子どものやる気が変わってくるはず。
全部できたら難易度を変える。
今度は積木だけ。同じ素材で形と大きさだけが異なるから、さっきより少し難しい。
“教育”と捉えずに、ちょっとしたゲームやクイズのような感覚で、“遊び”として楽しくやるのがポイント。当たったら「正解ー!」とか叫ぶくらいが良いと思う。
さらに難易度を上げるなら、同じ形(できれば大きさも揃える)で素材が異なるものにもチャレンジ。
手で形や素材を認識するというのは、触覚を用いているということ。触覚というのは、赤ちゃんの頃から非常に発達している感覚器で、5〜6歳で大人と同じレベルの感覚能力になるのだとか。
それならば、もっと難しくしちゃおう!小さな硬貨の違いがわかるかな?
中に入れるものを変えることで、たくさんのアレンジが可能なこの遊び。集めるのがちょっと大変だけど、ボタンやどんぐりなど同じものを集めて、大きさ順に並べたりしても楽しい。
語彙の獲得を目指すならば、「キッチンにあるもの」や「フルーツ」など種類を絞ってやるのもおすすめです。
モンテッソーリ教育で知られるマリア・モンテッソーリはやらなかったでしょうけど、大人と子どもで役割を交代してやるのも楽しいですよ。ちょっとふざけちゃったりして、大いに笑ってください。
モンテッソーリ教育では厳格な決まりや、やり方がありますが、おうちで遊ぶのであれば、楽しくアレンジするのもいいと思います。
遊んでみた作品は、ぜひ#takeruide #VERYこども遊び研究所 のハッシュタグをつけてInstagramにアップしてくださいね!
\教えてくれたのは/
◉井出武尊さん Takeru IDE
2004年東京藝術大学先端芸術表現科卒業。子どもと遊びの企業にて多数のプロジェクトに携わり、15年以上にわたって子どもの遊具や遊び場のデザインを手がける。幼少期における表現活動の重要性を感じており、学校教育以外の選択肢を構築するべく広く活動中。2020年4月現在、4歳3ヶ月の“姫”と毎日遊ぶ様子がSNSを通じてママたちの関心を集めている。Instagram:@takeru_ide
写真・文/井出武尊