「これはいれたものがなんでもおおきくなるプールじゃ」そんな出だしから始める『はかせのふしぎなプール』は、水面からのぞく巨大化したものの一部を手がかりに、何が水中に沈んでいるかを、博士が助手くんに当てさせる絵本。すぐに正体がわかったり、全然違うものだと思ったりと、ページをめくるごとに不思議な世界に引き込まれていくユニークな作品です。
福音館書店の月刊絵本「こどものとも」で特に人気だった作品を、ハードカバー新刊として発売。
作者は、『どっとこ どうぶつえん』で、2014年ボローニャ・ラガッツィ賞(グラフィックデザインの観点からみて斬新かつ優れた児童書に贈られる賞)優秀賞を受賞したグラフィックデザイナー、中村至男さん。デザイナーならではの視覚表現で、人間の認知能力と想像力を刺激してくれる絵本に仕上げています。日用品や食べ物など普段見慣れたものが、一部しか見えないと別のものに見える驚きは、大人もおもわず引き込まれる新鮮さ。博士と助手くんのコミカルな会話にクスッとしたり、子どもと一緒に楽しく正体探しができる、オリジナリティあふれる構成が魅力的です。
サッカーボールやりんごなど、子どもたちが大好きなものが登場します。