トレンドを追うだけでは満たされない今。自分らしさの軸になるジュエリーを、スタイリスト・三好 彩さんとともに探ります。今回はクリスチャン ディオールの名作「ローズ デ ヴァン」。ロマンと強さを内包するアイコンの真価とは?
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そろそろ自分らしさを表現する
“とっておき”と出合いたい
Be My ICON
ブランドのアイコンにムードと
ロマンを込めた“ローズ デ ヴァン”が
甘派のNEXT本命になる予感!






ディオールのイメージとして一番最初に思い浮かぶのは、建築知識を生かして形作られた構築的なシルエットのオートクチュールドレスではないでしょうか。女性のボディを包み込みつつエッジを利かせたデザインは、いつの時代にも嫋やかさと強さを併せ持った究極のエレガンスといえるでしょう。そんなブランドのスピリットをジュエリーという小さな宇宙に封じ込めたのが、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌ氏。フランスの貴族出身という類い稀なるバックボーン。自身もモデル経験があるという美貌の持ち主の彼女が1998年にクリエイティブ ディレクターに就任して以来、その突き抜けたクリエイションにディオールのファインジュエリーは彩られ根強いファンを獲得してきたわけですが、特に記憶に残るのは2015年の“ローズ デ ヴァン”というアイコニックなモチーフのデビューです。
ノルマンディー・グランヴィルにある、創設者クリスチャン・ディオール氏の生家「レ リュンブ」の館の庭にモザイクで描かれたコンパスローズ(羅針盤)がインスピレーションとなり生まれたこのコレクションは、コンパス型の風配図をゴールドとダイヤモンドで描いたメダイヨン(メダル)デザインが特徴。クチュリエのラッキーナンバーである8を思わせる八芒星とも形をリンクさせたりと、タリスマン的要素もあるお守りジュエリーです。身につけると圧倒的に華やか。昨今の合理的ミニマルな潮とは真逆をいくポエティックなディテールは、まさに子どもの頃夢見た宝物そのもの。子育て期のシンプル服の甘さ足しにはもちろんのこと、ロマンティックなレースなどともトゥーマッチにならず同郷のごとく調和するんですが、これって本当にすごいこと。美しいものだけに囲まれて育った感性のみが具現化可能な本物のスイートネス…! まさに唯一無二の存在です。
その後も天体や占星術へのオマージュを込め太陽と月を描いた「ローズ セレスト」(3・4)や、さりげない煌めきの「エトワール デ ヴァン」(1・2)などファミリーは拡大。昨年10周年を迎え今回新作として登場したのは、(6)のブレスレット。コレクション内での異なるモチーフが共演し、より抒情的なデザインに。また、ここからは現実面なのですが、個人的にいいなと思うのが、リバーシブルで使えるアイテムの多いこと。「ローズ デ ヴァン」の反対面は基本的にモチーフがないつるっとした素材のみの表情。(5)のブレスレットは、裏を返せばマルチカラーのストーンの連なりを楽しめますし、(3)のピアスはサン&ムーンが表裏一体。リバーシブルとしてだけでなくアシンメトリーにつけても素敵です。チェーンやアームにも地金をたっぷり使った心満たされる重みがあり、年を重ねても愛し続けられるだろうなぁと確信しています。なにもかも高価な今だからこそ、ジュエリーを軸にこれからのおしゃれの方向性を定めるというのも粋な選択だと思いませんか?



絵の具による下絵の段階から仕上げの艶出しまで、ディオール アトリエが革新的な技術を駆使して命を吹き込んだ「ローズ デ ヴァン」コレクション。熟練の職人が緻密な作業を幾度も繰り返し磨き上げたゴールドやプレシャスストーンの細工の美しさは随一。
強さと遊び心、愛らしさ。
すべてを内包するレディなジュエリー
印象的なモチーフでありながら、重ねるほどにストーリー性が増し、品格が宿る不思議な魅力をもった「ローズ デ ヴァン」コレクション。表に出す面を変えてリズムを堪能できるブレスレット、一つで圧倒的な存在感を放つリングなど、時間をかけてでも買い集めたい。
ブレスレット手首側から「ローズ デ ヴァン」〈PG×オニキス×D〉¥378,000「エトワール デ ヴァン」〈PG×D〉¥352,000「ローズ デ ヴァン」〈PG×ピンクオパール×D〉¥426,000「ローズ デ ヴァン」〈PG×D〉¥1,500,000リング「ローズ デ ヴァン」〈PG×オニキス×D〉¥1,200,000(すべてディオール ファイン ジュエリー╱クリスチャン ディオール)ブラウス¥27,000(シーニュ)インナー╱スタイリスト私物
Profile

三好 彩
VERY、CLASSY.をはじめ、多くの女性誌や広告で活躍。ラグジュアリーはもとより等身大のコスパブランドにまで精通した審美眼、とりわけロジカルに導き出される服とジュエリーのコーディネートに厚い支持を得ている知性派スタイリスト。
スタイリング╱三好 彩 撮影╱嶌原佑矢〈UM〉 モデル╱桐谷美玲 ヘア╱左右田実樹 メイク╱AIKO ONO 取材・文╱遠藤彩乃 編集╱西脇治子
*VERY2026年3月号「Be My ICON」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のもので、価格が変更になっている場合や販売終了している場合がございます。
*文中の素材表記は、PG=ピンクゴールド、YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、D=ダイヤモンドです。











