毎日のように35度以上の日が続き、あたりまえのように「猛暑日」が続く8月がやってきます。地域によってはお盆もあり、帰省や旅行で着る服や、いつ来るかわからないゲリラ豪雨に対応する服装に悩むこともしばしば。今回は、そんな8月の毎日を涼やかに攻略できるコーデプランをご紹介します。
8月の気候の特徴とおすすめの服装は?
まずは昨年8月の東京の気温を確認してみましょう。
*出典:気象庁ホームページ
「東京(東京都) 2023年8月(日ごとの値)」(https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2023&month=08&day=&view=g_tem)より
8月上旬
7月後半から引き続きうだるような暑さが続く日々。最高気温は30度を超える「真夏日」がデフォルト。それに加えてエアコンの寒暖差もあり、夏バテ要注意な日々が続きます。冷感素材や風通しのよいゆったりとした服を味方につけて、少しでも体力温存したいところ。
8月中旬
多くの地域でお盆を迎え、全国的にもゆったりモードになる8月中旬。最低気温が25度を下回る日はなく、終日暑さと闘うような気温の日が続きます。義実家や実家への帰省や長期旅行など、移動が多くなるシーズン。お盆どきの移動は渋滞や混雑必至だから、飛行機でも車でも新幹線でも、長時間の移動を快適に乗り切るコーデを心がけたい時季です。
8月下旬
いよいよ夏も大詰め。最高気温が35度以下になり、夏まっさかりなコーデを楽しむ最後の時季です。トレンドのアメリカンスリーブをはじめとしたノースリーブなどの肌見せも夏の日差しの中ならヘルシーに決まります。夏終盤のお疲れモードも、おしゃれパワーで乗り切って。
8月の暑い日
最高気温が体温より高くなる37度の日も。1秒だって外に出たくない刺すような陽射しと、アスファルトからの熱気にのぼせそうになる猛暑日は、汗をかいても快適なコットン素材やすぐ洗えてお手入れがラクな服に頼るのが賢明です。おしゃれも実用性も兼ね備えた帽子で紫外線対策をするのもおすすめ。
8月の涼しい日
8月に涼しい日はほとんどないとはいえ、ゲリラ豪雨で急に気温が下がることも。それでも最低気温20度を下回る日はありません。ただし、お出かけで避暑地に行ったり、電車や建物の中はエアコンの効きすぎで寒かったりと、涼しさ重視の服だけだと心もとない日があるのも確か。夏らしい季節感を確保しつつ寒さ対策もできる、薄手シャツやカーディガンなどの羽織りものを活用しましょう。
2024年夏のトレンドアイテムは?
ワンピはきれいめ回帰が今の気分
撮影/渡辺謙太郎
さらりと着られるワンピースは8月のワードローブに欠かせないアイテム。今年はきれいめデザインが豊作なうえ、ワンピよりオールインワン派さんの好みにフィットする“甘くない”ものも多数。出社や義実家への帰省、園の集まりなどオールマイティに活躍する一枚があれば、酷暑のきちんとシーンも快適に過ごせるはず。
白パン感覚の薄色デニムがオールラウンドに活躍
撮影/須江隆治〈See〉
白パンツ感覚で穿けてきれいめにもまとまる薄色デニムがこの夏のイチオシ。涼しげな水色がコーデに爽やかな風を吹かせてくれます。トップスはこのコーデのニュアンスピンクのような柔らかカラーはもちろん、濃い色にもマッチするので、合わせを選ばず受け止めてくれる頼れる存在になるはず。
シースルー素材の羽織りものでヘルシーに肌見せ
撮影/木村 敦〈Ajoite〉
いくら暑いとはいえタンクトップやノースリの肌見せトップスは、二の腕を見せる抵抗感や日焼けが気になるなど、ためらってしまうシーンも多々。そんなときに助けてくれるのは風通しの良い羽織りものです。定番のシンプルカーデも良いけれど、シースルーやレース、クロシェなどの肌感を出せるものがおしゃれのテンションも上げてくれそう。この夏の新しい選択肢にぜひ!
ゆるシルエットパンツで快適さと洒落感をラクに入手
撮影/川﨑一貴〈MOUSTACHE〉
ゆるパンツブームは今夏も継続。風通しもよく、汗で服が張り付く不快さを軽減できて暑い8月にはぴったり。シンプルなトップスとのワンツーコーデでも手抜き感ゼロになる、腰回りにひとクセデザインのあるものも増えています。
8月上旬のおすすめコーデ
ラメシアートップスでTシャツコーデをお出かけ仕様に
撮影/川﨑一貴〈Ajoite〉
夏はなにかとTシャツばかりになり、コーデがマンネリ気味という人に提案したいのが素材感のある夏ニット。シアーなラメニットなら夜のお出かけにもマッチするセンシュアルさも出せて、グレーパンツと合わせるだけでもテンションアップ。ボタンがアクセントになったカーデを肩にかけてコーデに奥行きを。
きらきらニットタンクonタンクで一気に華やか
撮影/川﨑一貴〈Ajoite〉
1枚で着るイメージのあるタンクトップですが、あえてのレイヤードで洒落感を。スパンコールがキラキラ輝く主役級トップスは、同系色でまとめるとコーデがスマートになります。ブラックデニムに足元のビーサン、さらにキャップでカジュアルダウンを。
夏の変化球にジレの選択肢
撮影/金谷章平
秋冬の羽織りものと思いがちなジレも夏仕様に。ワンツーコーデの日も、ジレを合わせれば脱カジュアルスタイルに即チェンジ。コーデのモード感に負けないデザイン性のあるサンダルでまとまりを。ワンポイントになる色のペンダントポシェットでベージュ×黒のシンプル配色にアクセントをつけて、平坦になりすぎないように。
8月中旬のおすすめコーデ
撥水やUVカットの機能に頼るに限る!
撮影/木村 敦〈Ajoite〉
旬顔のゆるっとしたシャツとポップなビタミンカラーのパンツに頼って元気を出したい8月中旬。こちらのコーデ、実は上下ともに機能性付き。吸水速乾や撥水など、夏の水際シーンにも笑顔で対応できます。歩きやすいフラットシューズできれいめを維持しながら自転車もプールもOKの機動性を。
首元にスカーフのひと手間でワンツーコーデも脱無難
撮影/金谷章平
黒タンクにインディゴデニムのシンプルコーデに何かひと味足したいなというときには、首元や足元を盛るのがおすすめ。ビジュー付きのテンション高めサンダルに、青のスカーフでクール&シンプルを一新。今回はスカーフとサンダルですが、ミュールやパールネックレスにすれば上品お出かけコーデに早変わりします。
白ロンTもシースルーならカジュアルにならない新発見
撮影/金谷章平
大人になるとスポーティになりすぎて着こなしが難しい白ロンTは、シースルーで肌をほどよく見せるのがおすすめです。腕まくりをしてさりげなくゆる感をアップ。黒サンダルとシルバーバックルのベルト、さらにゴツめバングルで盛って、オールホワイトコーデをハンサムに。
8月下旬のおすすめコーデ
メンズっぽいアイテムはとことんゆるく
撮影/川﨑一貴〈Ajoite〉
ビッグシルエットのブラックTシャツに、ワイドな黒カーゴパンツを合わせたコーデ。ビーサンにかごバッグを合わせて夏感をアップ。ゆる×ゆるのシルエットはメンズライクになりがちですが、柔らかな素材のTシャツなら体のラインがほどよく拾われ、しなやかな印象が浮かび上がります。しっかりめのメイクで手抜き感ゼロへ。
ベージュっぽ薄色デニムのこなれワントーンコーデ
撮影/須江隆治〈See〉
淡いベージュやイエローのサンダル、ジレ、カットソートップス、バッグに、ベージュみのある薄色デニムを合わせたまとまりのあるワントーンコーデ。ジレのハンサム感を柔和カラーでバランスを取り、やさしげな印象に。ラフになりがちな8月下旬も笑顔で駆け抜けられそう。
総柄オールインワンは街でもリゾートでも活躍
撮影/西崎博哉〈MOUSTACHE〉
総柄オールインワンは、シティシーンにも夏を満喫したいリゾート気分にもマッチする頼れるアイテム。疲れが出てきた8月下旬に、即サマ見えできるオールインワンは一枚持っておくと安心です。
8月の暑い日のおすすめコーデ
ネイビーコーデに合わせるなら白小物が効く
撮影/金谷章平
ボックスシルエットの黒Tシャツにネイビーカラーパンツのシンプルな組み合わせだからこそ、小物を効かせたいところ。白スニーカーで足元に視線を集め、ツヤ感のあるウエストポーチ、ミニビーズバッグ、シンプルネックレスと、小物盛りでカジュアルになりすぎない洒落感を。
ゆるスウェットに頼って残暑も心地よく!
撮影/金谷章平
らくちんアイテムの代名詞、スウェットの活躍シーズンは秋冬だけじゃないんです。汗を吸ってくれて快適に過ごしやすいので、夏も強力な味方。サイドのジップや肩落ちシルエットなど気になる二の腕部分もカバーしてくれるスウェットトップスを同系色のハーフパンツと合わせたコーデは、派手色バッグでのっぺり回避。
肌見せアイテムはジェンダーレスアイテムと合わせて好バランスに
撮影/西崎博哉〈MOUSTACHE〉
暑くておしゃれは二の次になりそう!という日にこそ、大胆に肌見せを楽しみませんか。ハイテクスニーカーとカーヴィパンツに、ストンとしたシルエットのニットタンクを合わせることでヘルシーな色気を纏って。バサッとしたキャップヘアアレンジもしっかり色のリップを塗ればバランスがとれます。
8月の涼しい日のおすすめコーデ
立体感のある生地のセットアップで一気に洒落感が
撮影/川﨑一貴〈Ajoite〉
風通しの良さそうな立体感のある生地のセットアップなら、コーデに迷う日もTシャツと合わせるだけで一気におでかけ仕様のコーデに。べージュほど落ち着きすぎず、イエローほど元気すぎない、絶妙なカラーなら大人もチャレンジしやすいはず。
タンクだけだと冷える日は、クロシェ合わせが今っぽい
撮影/川﨑一貴〈Ajoite〉
いくら8月とはいえ、ゲリラ豪雨のあとの気温急降下やエアコンによる冷えなど、長袖が着たくなるシーンもしばしば。とはいえしっかりした生地の長袖を着込んでしまうと夏らしさが楽しめません。そこで今年おすすめなのは、見た目の涼やかさと体温調節が両立できるクロシェトップス。コーデをモノトーンでまとめてバッグもちょいモードにすれば、シティでも馴染みます。
シャツ合わせなら、サックスブルーがイマドキ
撮影/金谷章平
サックスブルーのシャツとタンクを合わせたさわやかな残暑コーデ。シャツコーデをイマドキにアップデートするコツは、ジャストサイズではなくビッグシルエットになるものを選ぶこと。上半身にボリュームをもってくることで、ボトムスのショートパンツのコンパクトさが引き立ちます。クリアフレームのサングラスでさらに凛とした印象に。
シーン別!8月のコーデ
夏休み中の子どもと過ごす、快適ワンマイルコーデ
普段着見えラッシュガードで水遊びもどんとこい!
撮影/金谷章平
Tシャツ見えラッシュガードなら、じゃぶじゃぶ池や庭先での水遊びをはじめ、プールや川遊びでも着替え不要でおもいっきり遊べます。ペプラムの甘さが効いた長め丈を選べば、フレア裾の効果で気になるお尻や腰回りを自然とカバー。ボトムスは黒のショーパンでゆるっとなりすぎないように引き締めて。
ピンクシャツで定番カジュアルに自分らしく気合い注入
撮影/木村 敦〈Ajoite〉
白タンクにハーフパンツ、ビーサンという定番のラフなアイテムに、ピンクのロングシャツを羽織れば気分の上がるワンマイルコーデに早変わり。サンダルは流行の厚底を選ぶことでトレンドも意識している感を。ムーン型のバッグでストンとしたシルエットにさりげなくリズムをつけて。
夏のお出かけを楽しむコーデ
メッシュの大容量リュックを主役にアースカラーでまとめて
撮影/須藤敬一
プールに海に帰省にと荷物が増える夏のお出かけにおすすめなのが、自立するメッシュバッグを中心に組み立てたアクティブコーデ。タンクとパンツはリュックと同じブラウンでまとめて大人かつ柔和に。ゴツめのリュックでエッジを効かせているからこそ、手もとや耳もとは華奢アクセで盛ってしなやかさをオン。
きれいめおでかけシーンなら存在感抜群のフレアスカートで
撮影/川﨑一貴〈Ajoite〉
夏のお出かけコーデには、一枚で着映えるドラマティックなフレアスカートが強い味方。なにかとシンプルになりがちな夏トップスも、リッチで立体感のあるジャカード生地が即華やかに変換してくれます。フレアシルエットは風通しがよく夏でも涼やかという利点も。
義実家&実家への帰省コーデ
ニットポロシャツならちょうどよいきちんと感
撮影/金谷章平
義実家への帰省時に“Tシャツやノースリだとカジュアルすぎるかも”と悩ましいときにはポロニットの出番。動きやすく長時間の移動によるシワが気にならない素材、着ていて快適と3拍子揃った「できる子」トップスです。タック入りのベージュハーフパンツと合わせたほんのりコンサバなコーデを黒小物で引き締めたスタイリングです。
リラックスコーデだからこそ技ありTシャツが効く!
撮影/金谷章平
とことんオフになれる実家帰省なら、Tシャツにゆるパン、歩きやすいスニーカーでリラックスしたい。そんな気持ちに応えてくれる等身大コーデだからこそ、細部のバランスがカギ。ハイウエストのパンツにあえて短丈のTシャツを合わせ、脚長効果も期待できる今っぽシルエットに。さらに同色のボリュームネックレスで素材感の違いを演出して、のっぺり回避。
ゲリラ豪雨予報あり!濡れるかもしれない日の対策コーデ
撥水パンツなら白パンツにも挑戦できる!
撮影/木村 敦〈Ajoite〉
え、雨の日なのに白パンツ?と思いきや、侮るなかれ。撥水に防汚加工が付いたパンツなら雨も気にせず穿けます。撥水アイテムにありがちなアウトドアっぽさやテックウェアっぽさがないデザインを選べば、通勤やおでかけなどのシーンにマルチに活躍。青ストライプシャツと合わせたオフィスコーデにも難なくマッチします。
水着素材のセットアップ×スポサンなら濡れてもすぐ乾く
撮影/須藤敬一
コーデを考えずに済むうえ、水着素材というありがたいセットアップなら、急な雨にも落ち込まなくて済みます。使い勝手のいいネイビーは会社にもカジュアルにも使えてスタメン入り間違いなし。足元はきれいめスポサンを合わせて着るシーンの幅を広げて。
酷暑を攻略して少しでもラクに!おしゃれに!
連日35度超えの酷暑が続く8月は、タンクトップやTシャツをベースに、手入れしやすいワードローブを揃えるのがおすすめ。ゲリラ豪雨や水際のアウトドアも増える季節柄、撥水アイテムや普段着としても着られるラッシュガードに頼るのも手。おしゃれな機能性アイテムも充実しているから、きっとお気に入りの一着が見つかります。疲れが出てくる8月こそ、ファッションのパワーに頼って夏バテ回避を!
文/楢本美菜子
*掲載中の情報は、過去誌面や過去記事を再編集したものです。掲載商品はすでに販売終了している場合があります。