撮影/佐藤航嗣〈UM〉
保育園や幼稚園での生活に子どもが慣れてくる5、6月ごろに初回が開催されることが多い保育参観や保育参加。どちらも園での様子を保護者が見ることのできる貴重な機会です。保育参観や保育参加は似ているようで違うものだということを知っていましたか。自分の子どもが通う園で開催されるのはどちらなのかを把握し、ふさわしいファッションで参加しましょう。
似ているようで違う
「保育参観」と「保育参加」
そっと見守る「保育参観」
撮影/川崎一貴〈Ajoite〉
保育参観は、子どもが園で過ごす姿を見学する「参観型」の行事です。教室の後ろで子どもの様子を見学する場合もありますが、低年齢児の場合はいつもと違う環境に驚いてしまう子や親の姿を見て「ママじゃなきゃイヤ」と泣き出してしまう子もいるため、子どもに気づかれないようこっそりと見学する方法をとる園も多数。大きな色画用紙や模造紙に穴を開け、教室の窓に貼ってその穴から中を見学したり、保育士のユニフォームを着てほかのクラスから子どもの様子を見たり、変装して子どもの散歩についていくなんていう場合も!子どもの自然な姿が見られるよう配慮がなされています。
保育士体験もできる「保育参加」
撮影/西崎博哉〈MOUSTACHE〉
一方保育参加は、保護者が子どもと一緒に過ごす「参加型」の行事。絵本の読み聞かせをしたり体を動かして遊んだり、一緒に給食を食べたりと、保育士と一緒に保育を行います。自分の子どもだけではなく、ほかの子どもにも目を配り一緒に楽しもうとする姿勢が大切です。
きれいめカジュアルが基本の
保育参観ファッション
撮影/須藤敬一
動きやすさ前提の
きれいめファッションで
“保育参観は見学するだけ”とはいえ、園庭に出る場合もあるので動きやすさを重視したファッションを意識しましょう。ただ、カジュアルすぎる必要はないので、きれいめを意識したいつものファッションがちょうどいいさじ加減。室内での保育参観ならスカートでも問題ありませんが、床に座ったりかがむこともあるので、タイトスカートや短いスカートは避けたほうが安心です。
カジュアルが望ましい園のカラーも
自然とのふれあいを大切にする園や裸足保育を行っている園では、保育参観でもカジュアルコーデのほうがしっくりくる場合も。子どもたちが活発に活動して汚れがついてしまうこともあるので、服装はさっと汚れを払えるものや洗濯できるものを選びましょう。
主役は子どもと心得て
保育園は子どもに合わせて設計されています。用意されたイスが小さかったりサイズが小さな遊具も多いので、かがんだりしゃがんだりするシーンを想定して露出は控えめに。静かに子どもを見守るのが基本なので、派手すぎる色や柄も避けるのがベターです。
動きやすさ最重視!
保育参加ファッション
撮影/金谷章平
何よりもまず、動きやすさ
たくさんの園児に囲まれて過ごす保育参加は、じっとしている暇なんてありません。動きやすい服装で参加することが何よりも大切。トゥーマッチにならないおしゃれ感をキープできる絶妙バランスを探っていきましょう。
パンツスタイルがベター
動きやすさといえば、パンツスタイル。きれいめトップスをスウェットパンツでハズしたり、カジュアルコーデにスラックスを合わせたりと組み合わせ次第でカジュアルすぎないコーデが完成します。
アクセサリーは、はずすのがマナー
保育参観と違い、子どもたちと直接触れ合うのが保育参加。不意に落としたり子どもに引っかかってしまう心配もあるので、保育参加中はアクセサリーをはずしておきましょう。ビジューや大きな飾りなどが付いた服も望ましくありません。
脱ぎ履きしやすいスニーカーがベスト
園庭で遊んだり室内に戻ったりと出入りの多い園での生活。子どものお世話を優先するためにも脱ぎ履きしやすい靴で参加するようにしましょう。走り回ったり散歩に行ったりすることを考えるとスニーカーがベスト。履き慣れたものがいちばんです。
季節別!
保育参観のおすすめコーデ6選
【春・秋】
ふんわり甘トップスを
インディゴデニムでカジュアルに
撮影/三瓶康友
大きめに結んだリボンが甘めな雰囲気を漂わせるギンガムチェックのボウタイブラウス。今っぽいシルエットを叶えるバギーデニムでほどよくカジュアルダウンさせて保育参観仕様に。インディゴならきちんと感もキープできて◎。
【春・秋】
洗練スポーティコーデは
太パン合わせがカギ
撮影/金谷章平
屋外での保育参観にも対応できるアノラックジャケットとスニーカー。ハードル高めなスポーティファッションは、ハンサムなワイドパンツを合わせて洗練されたコーディネートに。シアーなタートルネックをアノラックジャケットにINして女性らしさも覗かせて。
【夏】
楽ちんキレイを叶える
ゆったりサロペット
撮影/遠藤優貴
Aラインのゆったりサロペットは楽ちんキレイな頼れる1着。シャカシャカ素材なら汚れがさっと落とせてシワもつきにくいメリットが。白タンクと白小物を合わせてヘルシーコーデにするのがおすすめ。
【夏】
きちんと派のママは
Tシャツ×ジレがちょうどいい
撮影/森脇裕介
カジュアルになりすぎないTシャツコーデを目指すなら、ジレのセットアップに頼ってみて。きちんと派ママも安心のきちんと感はありつつ、柔らかい素材ならTシャツの動きやすさを邪魔しない軽さと動きやすさも確保できます。
【冬】
スウェット×デニムは
甘さを仕込んでおしゃれ上級者に
撮影/宮下昌生〈hannah〉
カジュアルなグレースウェット×デニムをおしゃれに着こなしたい。洗練させるポイントは、首元&手元からちらっと覗くフリルと、足元の白ソックス&バレエシューズ。随所に甘さをちりばめれば、定番の組み合わせもおしゃれ上級者に。
【冬】
冬に映える白アウターは
キルティング素材で着膨れ知らず
撮影/須藤敬一
子どもが主役の保育参観だから、落ち着いたモノトーンコーデは失敗知らず。全体的に暗くなりがちな冬は、アウターを白にして華やかさを意識しては。Aラインシルエットとボリューム袖でエレガントな着こなしに。キルティング素材を選べば、動きやすく着膨れしない好バランスを保てます。
季節別!
保育参加のおすすめコーデ6選
【春・秋】
上品なデコルテ見せが
カジュアルコーデのアクセ代わりに
撮影/金谷章平
アクセサリーをはずすのが保育参加のマナー。ワイドパンツにスニーカーというカジュアルコーデも、デコルテがきれいに見えるトップスを選べば、アクセいらずで女性らしさが極立つ効果が。あくまで上品に、さりげなくがポイント。肌見せはトレンドなので、今っぽさも出せます。
【春・秋】
短丈×ハイウエストのバランスで
シャレ見え&スタイルアップ
撮影/遠藤優貴
動きやすさ重視で選ぶことが多いスウェットパンツは、ハイウエスト&クロップド丈で部屋着感を回避。裾絞りデザインなら今っぽいシルエットに。短丈シャツを合わせれば、INしなくてもスタイルアップが叶うのがうれしいポイント。ブルー×ホワイトの配色なら清潔感も出せます。
【夏】
ネイビーLOVEなきれいめママは
ローテクスニーカーを上手に取り入れて
撮影/川﨑一貴〈Ajoite〉
ハイテクスニーカーに躊躇してしまうきれいめママは、いつものコーデにローテクスニーカーを合わせるのがおすすめ。SDGsを取り入れ、海外セレブからも人気の「VEJA」は、さりげないデザインでネイビーのワントーンファッションとも好相性。シャツ&パンツはゆったりシルエットをチョイス。
【夏】
Tシャツ&パラシュートパンツは
ペールトーンでやさしげに
撮影/川﨑一貴〈Ajoite〉
あちこち動き回る保育参加は、Tシャツとパラシュートパンツの組み合わせが鉄板。ペールトーンのパンツとスニーカーで明るく柔らかい印象に。夏の日差しに備えてキャップは必須。腰に巻いた長袖のシャツは腰〜お尻まわりがカバーできるだけでなく、冷房や日差しが気になるときにはさっと羽織れて重宝するはず。
【冬】
「ソックスイン」で抜け感を
淡色でまとめた大人のスウェットコーデ
撮影/金谷章平
スウェットパンツは、足元のバランスが大事。パンツの裾を靴下に入れる「ソックスイン」で抜け感を。スニーカーはボリュームのあるものを選ぶとバランスが取りやすくなります。全体を白〜ペールピンク、ベージュの淡色トーンでまとめて大人のスウェットコーデに。
【冬】
鮮やかダウンに合わせたい
保育参加の日のグレーパンツ
撮影/須藤敬一
防寒対策に欠かせないダウンは着膨れしがちだから、子どもたちと遊びやすいようショート丈でコンパクトにまとめるのが◎。鮮やかなブルーにトレンドのグレーパンツを合わせて大人カジュアルコーデに格上げ。ワイドなシルエットで動きやすさを重視しつつ、センタープレスでスッキリ見せを狙って。
保育参加にスーツはNG?
パパファッションの正解
撮影/中田陽子(MAETTICO)
最近はパパの保育参観・保育参加も増えていますが、スーツかワンマイルウェア、もしくはゴルフウェア以外何を着ていいかわからない、という声も多いようです。保育参観ならジャケットスタイルでも問題ありませんが、保育参加となるとそうはいきません。モノトーンやネイビーなど落ち着いたトーンのカジュアルコーデを基本に、その日の天候に合わせたアイテムを選びましょう。子どもたちと一緒に遊ぶと暑くなることもあるので、トップスの下には1枚でもサマになるTシャツを着ておくと慌てずに済みます。クロスボディバッグなどで両手が空くハンズフリースタイルがおすすめ。
ファッションだけでなく
子どものお手本になる振る舞いを
保育参観や保育参加は、園での生活の様子や成長した姿、保育士の声掛けの仕方などに触れることのできる大切な日。ファッションが完璧でもルールを守らず撮影をしたり、途中で大きな音を立てて入室したりと配慮のない行動をしてしまったら台無しです。子どものお手本となるような立ち居振る舞いを心がけたいところですね。ちなみに、園では子どもたちは室内で帽子を取るよう教えられているので、室内ではサングラスや帽子をはずせるとスマートです。
文/永尾真理子
*本記事の一部は過去掲載記事を元に再編成したものです。商品は販売を終了している場合があります。