子育て奮闘中の今から愛せて、子どもが手を離れた未来はもっと愛が深まり身につける姿が想像できる。変わらない価値の〝黒小物〟はオシャレを支えるブレない軸。多様化する時代にママ目線で再選定、投資価値アリの「黒名品」を提案する連載です。今回は、『BOTTEGA VENETA』の財布をご紹介します。

BOTTEGA VENETAの
財布

サッと取り出したお財布、名乗らずとも意匠で伝わる歴然とした存在感。今回の黒名品は「ボッテガ・ヴェネタ」、イントレチャートのウォレット。イタリア・ヴェネト州で1966年に創業、分厚い革を縫うためのミシンがなかった当時に製品の強度を上げるため、細く短冊切りしたレザーを手作業で編み込んだのがイントレチャートの始まりです。このブランドのシグネチャーの特筆すべき点は、常にエターナルとモードの両軸で評価されているところ。トーマス・マイヤー、ダニエル・リー、現在のマチュー・ブレイジーとクリエイティブディレクターの交代や時流に合わせ再解釈を繰り返し、ひとつのパターンで無数のバリエーションが誕生。

かっこいいも、かわいいも、ベーシックも。毎シーズン必ず〝欲しい〟があって、〝使える〟がずっと続く──それが、イントレチャートが愛される所以。スモールレザーグッズは飽きのこないブラックがいいと思いつつ、堅い印象に見えがちなのが悩みどころですが、大きな格子パターンの〝カセット〟シリーズならそうはならず。表情豊かで、洒落心がしっかり伝わる。ボッテガ・ヴェネタのキャッチフレーズ「When your own initials are enough（自分のイニシャルだけで十分）」、が表すようにロゴに頼らないプライドも改めて大人心に響くのです。

撮影／花盛友里　取材・文／櫻井裕美　編集／羽城麻子
＊VERY2023年8月号「大切にしたいBlack名品」より。
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