妊活については情報も溢れているのに、「避妊」についてはまだまだ意識が低いのが現状。夫婦間、特に30代中盤からは「そう簡単にできないだろう」と油断する人が多いようです。妊娠はママが自分でマネジメント。読者の避妊にまつわる疑問に、産婦人科医・医学博士の宋 美玄先生が答えてくれました。
Q1:38歳。避妊しなくても
できにくい年齢だから
大丈夫ですよね?
A:40代以降も油断禁物。
閉経までは避妊を!
「『35歳を過ぎると妊娠しにくくなる』といわれるせいで、避妊が甘くなり、クリニックに駆け込んでくる30~40代の方も多いです。排卵検査薬を避妊に使う人もいますが、あてにならないので子どもを産む気がないならきちんと避妊しましょう」
Q2:危険日を避けて
“外出し”していれば
妊娠しない?
A:膣外射精は
避妊ですらありません!
「夫婦だと、ピルなどはおろかコンドームさえつけない場合が非常に多いようです。でもいわゆる膣外射精はそもそも避妊方法ではなく、失敗する可能性が高いもの。『仮に妊娠した場合、産むつもりがある』という人でないと推奨されません」
Q3:完母で授乳中。
生理も来てないから
避妊しなくてOK?
A:完母・無月経でも
排卵は起こりえます
「たしかに徹底的に授乳をしていれば、コンドームよりも避妊効果があるといわれています。でも、いつ排卵されるかはわかりません。授乳を継続する場合、低用量ピルやIUSは使いにくいので、コンドームなど自分に合う方法できちんと避妊してください」
Q4:避妊に失敗。
アフターピルを飲めば大丈夫?
A:防げる率は81%。
絶対ではありません
「妊娠を防ぐことはできますが、防げる率は81%で、絶対ではなく、産むつもりがない人にとっては心許ない避妊法と言わざるをえません。中絶も女性の権利ではありますが、心にも体にもダメージがあることを忘れないでください」
Q5:今後もう子どもを
産む予定がない場合の避妊法は?
A:IUSなど最長5年
避妊効果が続くものも
「IUS・IUDなどの器具を病院で入れてもらえば、最長5年避妊ができます。私も2児を出産後もう子どもは産まないと決めたので、IUSのミレーナを入れました。『持たない』という人のほか、年単位で避妊したいという人にはおすすめです」
Q6:今は妊娠したくない。
でもいずれはもうひとり、
という場合の避妊法は?
A:低用量ピルで
コントロールする方法も
「年単位で開けたいのならIUSやIUD、それより避妊したい期間が短いなら、低用量ピルを選択する方法があります。低用量ピルは避妊効果がとても高く、月経困難症なども軽減します。ただ35歳以上の喫煙者など血栓症のリスクがある人には不向きです」
Q7:ピルは太ったり
重大な副作用が起きそうな
イメージで怖い…
A:昔とは薬が変わっています。
生理痛が軽くなるメリットも
「太る、不妊になるということはないといわれます。生理痛が軽くなるなどメリットも大きく、女性の医療関係者で飲んでいる人も実はとても多いんです。ただ35歳以上の喫煙者など、血栓症のリスクがあると飲めないので注意が必要です」
Q8:いざ欲しいと思ったとき
妊娠しにくくなったりしませんか?
A:薬やIUS・IUDのせいで
不妊になることはありません
「これも昔の迷信。IUS・IUDや低用量ピルのせいで不妊になることはないといわれています。IUS・IUDも低用量ピルも、除去したり飲まなくなれば避妊の効果はなくなるので、また欲しいと思ったときすぐに妊活を開始することも可能です」
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撮影/草間智博〈TENT〉 取材・文/有馬美穂
*VERY2019年4月号「危険日回避や“外出し”で対策した気になってる……? ママこそ知ろう、“正しい避妊”のいま!」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。