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VERY August 2020

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August 2020

2020年7月7日発売

890円(税込)

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不安になると噂話を信じてしまうのはなぜ?|SHELLYのこれってママギャップ?

育休中や園に預け始める前の、子どもとマンツーマンの時期。今振り返ると、「冷静に考えたらわかるでしょ」というようなことに振り回されていたなぁと思います。家で赤ちゃんとだけ向き合っていると、自分が探しに行った情報しか入ってこないし、必然的に近くのママ友や、たまたま児童館で隣り合った人との会話から大きな影響を受けたりします。ただでさえ子育てに自信が持てない時期、もし「こうしたほうがいい」「絶対○○じゃないとダメ」という強い意見を言う人がいたら、その意見に引っぱられていってしまうのもわかるし、実際に私もそうでした。自分の判断ひとつで子どもの人生を左右してしまうかもしれないという不安。この子の一番得意なことを見つけられなかったらどうしよう、病気にして死なせてしまったらどうしようとか、極端ではなくそういう思考になってしまいがちですよね。自分を混乱させたり、不安にさせたりしたものは、今思えば何の根拠もないことだったとわかります。

 

それこそ、「お腹が尖っていると男の子が生まれる」というナンセンスにはじまり、「ケーキを食べると母乳が詰まる」「爪を噛んでいる子は親に厳しく躾けられているから」「添加物をとっていると子どもがアトピーになる」とか、根拠もないことがお母さんたちの話題にのぼります。悪気はもちろんないだろうし、その話題でみんなが楽しんでいるならいいのかもしれない。でも気に病んだり、心配しすぎたり、傷つくお母さんがいるなら、すごく罪作りだと思うんです。今でこそ「エビデンスがないものは信じない」と思っている自分でも、産休中は心乱されていたので、きっとみんな多かれ少なかれそういうことがあるはず。

 

前から気になっていたのですが、すごく賢いお母さんたちも、子どもの話になると急に噂話を信じるようになるのはどうしてかなと思います。何事も絶対はないし、自分のやり方を正当化するために人の子育てを否定するのはおかしいと思う。たとえば「実はお酒が飲みたいから母乳をやめちゃった」という人に、「母乳が出るのにあげないなんてもったない、罰当たりだよ」と口出しするようなことはしないほうがいいと思います。もしかしたら寝不足のストレスで大変だったかもしれないし、本当の事情はわからない。それにもっと言えば、お酒は少しくらいなら飲んでも授乳には影響しないということもわかっています。お酒のために断乳するよりも、飲みながらでも母乳育児を続けるメリットのほうが大きいと科学的には言われている。正しいことを知るって大事ですよね。今までは井戸端会議でおさまっていた言葉が、SNSの普及によって何百人何千人に拡散されていくケースがある。だからこそ、正しい情報と分かっていることだけを広めたいと常々思います。

 

一方で、その情報が正しいかどうかを自分で調べて判断するのが大変なことだというのも分かります。私は医療関係の仕事に就いている姉の影響もあって、ワクチンの予防接種について、今では海外の医療論文を検索してしまうほど(笑)。調べるのは大変だけど、自分が選択したことが自分の子どもだけじゃなく、たとえばワクチンすら打てない体の弱い子に影響を与えることだってあるからこそ、エビデンスがある情報かどうかを真剣に判断しなければいけないと思っています。つい先日も、子宮頸がんワクチン接種について姉と話し合ったのですが、将来娘に接種させるかどうかはもちろん本人の意志を尊重したいけど、私たちは娘に正しい情報をきちんと説明することができる親でありたいね、ということで意見が一致しました。

 

新型コロナウイルスへの不安も募るばかりですが、風評被害や人種差別につながってはいけないと感じています。たとえば「あのエリアには○○人がたくさんいるから危ないよね」という親同士の会話が、子どもの耳に入ってしまったらどう思うか。「○○人は危ない」「○○人来るな」と安易に子どもが受け取ってしまうかもしれない…その瞬間に、人種差別を子どもに植え付けたことになるのではないでしょうか。暴力的な表現ではないだけで、誰かを傷つけているのは一緒だと思います。一歩引いて、冷静に考えるように意識したほうが正しい情報も入ってくるし、落ち着いて行動できますよね。

 

出産前に長谷川潤ちゃんに言われた印象的な言葉があります。「いつか、赤ちゃんが泣き叫んで手がつけられなくなる日が来る。そのときは赤ちゃんを室内の安全なところに置いて、しばらく隣の部屋に行きなさい。そこで深呼吸して自分を取り戻して、落ち着いたら向き合えばいいから」と。聞いたときにはそんなことある!?って思ったけど、そんな日は本当に来ました(笑)。何かで頭がいっぱいになったら、一回離れて冷静になる。すべてにおいてそうなのかな、と思うんです。コロナウイルスが怖い、子どもの教育どうしよう…ママは日々知らず知らずのうちにパニックになってしまうことが多いけれど、なるべく冷静に判断をすることを思い出さないとですね。

◉SHELLY|シェリー
1984 年生まれ、神奈川県出身。14 歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。4歳と2歳の娘の母。

撮影:須藤敬一 取材文:有馬美穂 編集:羽城麻子
*VERY2020年5月号「シェリーのこれってママギャップ? Vol.5」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

SHELLYのこれってママギャップ?

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