絵本『ボクのいろ』で絵本作家デビューした俳優・板垣李光人さん。作品の魅力はもちろん、子どもの頃に好きだった絵本を伺いました。日々頑張るママたちへのメッセージには「こんな子に育ってほしい!」と思う方もいるかもしれません。
絵本を書こうと思ったきっかけは?
絵本投稿サイト「よみきかせキャンバス」の広告でお仕事をした時に「絵本を描いてみませんか?」と声をかけていただいたのがきっかけです。ただ、僕の絵はどちらかというと絵本向きではないと思っていたので、最初は「大丈夫かな」と不安に感じるところがありました。それでも、子どもたちに読んでほしいという一心で、イラストやお話をわかりやすくするなど、いろいろ試行錯誤しながら制作するのは楽しかったです。普段自分がしている創作活動とはまったく違って、非常におもしろくて。本当に貴重な経験をさせていただいたなと思っています。
主人公「ヌル」の名前の由来は?
「ヌル」はコンピューター用語で、“何もない”という意味があります。物語の主人公・ヌルも、まわりのキャラクターにはそれぞれの色があるのに、自分だけ真っ白で、色がないことに少しコンプレックスを抱えています。自分には“何もない”と悩むところから始まる物語なので、そこに重ねて「ヌル」と名付けました。
今の板垣さんが思う、ご自身の「いろ」は何色ですか?
黒だと思います。役者としてはどんな色にも染まれる“白”という考え方もあると思うんですが、実際に演じているときの自分の感覚は“黒”に近いんです。黒って、光の当たり方やそのときの環境によって、青っぽく見えたり、赤っぽく見えたり、少しずつ表情が変わるじゃないですか。そんなふうに、ひとつ強い芯を持ちながら、演じる役によって絶妙な色の違いを見せられたらいいなと思っています。
子どものころに好きだった絵本はなんですか?
『クマのプーさん』シリーズがすごく好きでした。ほかにも、『おまえ うまそうだな』や『かいじゅうたちのいるところ』をよく読んでいて。わりとほっこり系というか、ハートフルな絵本を好んで読んでいたと思います。
VERY読者に向けてメッセージをお願いいたします!
今回の絵本のテーマのひとつとして考えていたのが、「セルフラブ」。自分自身を大切にするということ。お母さんたちって子どものことを考えたり、相手をすることで、きっと精一杯になってしまうこともあると思います。僕が言うのもあれ(おこがましい)ですけど、本当に尊敬できますし、すごいことだなと思うんです。子どもの人生もあるけれど、そのなかでも少しでも自分の好きなことや、自分の時間、自分の人生も大切にしていただきながら、日々の家事、育児、そしてお仕事を頑張っていただきたいなと思っています。
――絵本『ボクのいろ』は、発売中。寒い冬、おうちで過ごす時間が増える季節に、お子さんと一緒に“自分のいろ”について考えたり、鮮やかなイラストを眺めながら、ぜひ楽しんでみてください。

『ボクのいろ』(Gakken)
作・絵:板垣李光人
定価:¥1,650
撮影/徳永 徹 取材/所 優里











