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「男子校ではナプキンにコーラをかけて…」女子中高生が“生理”の出張授業をしてみたら

都内の私立女子校、品川女子学院の生徒がメンバーの「CLAIR.(クレア)」は生理や女性の体について伝える活動を通し「女性も男性も生きやすい社会」を目指しています。メンバーの高校生6人に、参加のきっかけや男子校や共学校での「出張授業」について話を伺いました。

父親に「生理についてどう思う?」と質問したら…?

──「CLAIR.」は、生理についての本の編集協力や出張授業など幅広く活動されています。みなさんはなぜ「CLAIR.」に参加しようと思ったのでしょうか?

守谷さん:私は、以前から生理痛がひどくて、ここ数年は婦人科で薬を処方してもらっています。“生理痛”当事者だったことから、最初は興味を持ちました。先輩が立ち上げたものを引き継いだ形です。

 

大河内さん:私は友人に誘われて入りました。入会したころ、自宅で両親に「生理についてどう思ってる?」と思い切って聞いてみたんです。母はその場でたくさん話をしてくれたけど父は相槌しか打たなくて。私が生理についての理解を深めて家族に伝えることで、父とも話ができるようになったらいいなと思いました。

 

社会を変わるのを待たずに「自分が変えたい」と思った

──男女問わず、生理の話ができるようになったらよいという思いでしょうか?

永井さん:話したい人がもっと気軽に話せるようになったらいいな、と思っています。話したくない人は無理に話さなくていいけど、辛い人が辛いと言えないことに問題があると思っていて。私もここに入った直接的なきっかけは生理が重いことだったのですが、将来世の中がこのままだと、進学、就職した後「私は辛い」と言えない社会が待っていると思ったというのも大きいです。誰かに任せていつか社会が変わるのを待たずに、自分で変えたいと思いました。

 

飯田さん:私も、「辛い」と言える環境でないのはよくないと思っています。これまでの私は、生理のことをあまりよく知りませんでした。小学校のとき、女子だけ体育館に残されて、女性の体のことや生理について話をされたことがあったんです。生理は女性にしか起きないことだけど、生理でお腹が痛くて会社を休みたくなったとき、男性社員に知識がなく痛みを想像できなかったりすると「なんでそんなことで休むの?」と理解が難しくなってしまいます。性別が違うから知らなくてもいい、女子だけ集めればいい、というのには違和感を感じました。今は小学校でも男女一緒に話を聞く機会が増えているようですが、男女とも生理や体のことを話せるきっかけを作っていくことで、困ったとき、一人で抱え込まずに済むようになればいいなと思っています。

 

男子校の授業では「ナプキンで実験」したことも

──「CLAIR.」では、他校でも生理についての講義に行っています。男子校や共学校で出張授業をしてみていかがですか?

永井さん:男子校と共学では反応が全然違うよね。授業では生理用品を実際に触ってもらうコーナーもあるのですが、ナプキンを分解したり、コーラをかけてどれくらい吸収するか試すなど「実験」が好きな生徒が多い印象だったのが男子校。私たちは「生理用品の中身はどうなっているんだろう」「分解してみよう」とまでは思いつかないから新鮮でした。

守谷さん:男子校の生徒のなかには、ナプキンのなかから吸水ポリマーを取り出して、「日本の企業努力はすごいな……」ってしみじみ感心していた人も(笑)。

東海大学付属高輪台高等学校(共学校)で行われた出張授業の様子

 

飯田さん:そんなこと言うと、ふざけて遊んでいるみたいですが、こちらも、最初から「自由に触ってみてください」と言っているのでいいんです。普段、生理用品に触れる機会のない人に話を聞いてみると意外な発見があります。「生理中って血が出るだけでなく、時間が経つとナプキンが湿って不快感があるのでは?」なんて質問をもらったりもしました。私たちはもう当たり前に感じてしまっていることも、触ったときの気づき、視点が色々あるなと。

守谷さん:共学校の授業では、私たちが生理の話をしたことによって、男女で気まずくなったり、かえって話がしにくくなったりしないように気をつけています。限られた時間のなかで、男女どちらに向けた話を中心にするのかも悩むところで、これからの課題です。

授業では、ナプキンやタンポンを実際に目で見て、触ってもらうコーナーも

 

婦人科に行ってみてよかったこと

──授業や部活など、忙しい日々のなかで、活動のための時間はどうやって捻出しているんですか?

守谷さん:よく、授業前の朝の時間にみんなで集まったよね。放課後は忙しいから。

飯田さん:品川女子学院の校風として、生徒がやりたいことを思い切りできるようにと後押ししてくれるので、みんな放課後は忙しいんです(笑)。朝や昼休みに集まって、足りないときは夜にZoomをつないで話したりすることもありました。

 

──お話を伺っていると、主体的に動く生徒さんが多い印象です。子どもにはこんな学校に通ってほしいなと(笑)。

守谷さん:ぜひ、お待ちしています(笑)! 私たちは活動によってどんどん知識がアップデートされていくけど、講座を聞いてくれる他校の中高生は生理のことをあまり知らないことも多いです。「CLAIR.」には中学、高校合わせて50名ほどのメンバーがいます。もっと相手に伝わる話をしたいと考えるとき、中1の新メンバーのまっさらな視点もとても大切です。私たちの活動を後輩世代に繋げて、全国に広めたいなと思っています。

お話を伺った「CLAIR.(クレア)」の高校生メンバー。守谷 百々花さん、小泉 明日香さん、飯田 楓さん、大河内 咲さん、永井 里奈さん、大場 琴心さん

品川女子学院「CLAIR.(クレア)」とは?

品川女子学院(東京都品川区中等部・高等部)の有志団体。「女性も男性も生きやすい社会」の実現を目指し、生理や女性の体についての講座を開催するなど積極的に活動中。「生理って月に何日くらい?」「血はどれくらい出るの?」「PMSがつらいときはどうする?」など生理に関する悩みや疑問について、男女問わずわかりやすく伝える授業も男子校、共学校で行っており、メディアで話題に。

『女子中高生が教える 男子にも知ってほしい生理の話』
監修:高橋幸子 協力:CLAIR.(品川女子学院)
(株式会社 Gakken 4,950円)


品川女子学院「CLAIR.(クレア)」の協力のもと、生理に関する悩みや疑問を解説した本。学校生活や受験の際の生理悩みや、アンケートをもとにした男女のリアルな声も多数掲載。マンガを中心としたストーリー展開で、誰でもわかりやすく生理や女性の体のことを知ることができ、これから初潮を迎える小学生や男の子にもおすすめです。

取材・文/有馬美穂 撮影/古本麻由未(インタビュー)、田辺エリ(出張授業)

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