自分のことをつい後回しにしてしまう日々の中でも、大切にしている好きなこと。かつてラジオ番組を7年間担当していた前田敦子さんは、今や“ヘビーリスナー”に。毎日の習慣に耳で寄り添うラジオが、「母になった今の自分にぴったり」だと教えてくれました。
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俳優 前田敦子さんは……
ラジオが好き!
❝ 「ながら聴き」をしながら一日をポジティブに終えるのが習慣です❞
シャツ¥22,000ショートパンツ¥12,100(ともにWRAY)Tシャツ¥4,990(アンフィーロ)ピアス¥56,100リング¥165,000※ともに3/12発売(ともにヴァンドーム青山/ヴァンドーム青山本店)ソックス¥770(靴下屋/タビオ)
考えることは必要。
でも、夜に大事なことは考えない。
実は、ラジオの本格的なリスナーになったのはここ最近のことなんです。舞台で共演したAマッソさんのラジオ番組にどっぷりハマって以来、人生初のラジオ大フィーバーが訪れています。ラジオを聴きながら一人で大笑いしちゃうことも。お笑い芸人さんって本当に面白い! 職人ですよね。
今や、ラジオは日々の相棒です。夜に子どもが寝たあとのストレッチタイムや、洗濯物畳みや皿洗いなどの家事時間に、芸人さんのトークでひと笑い。やるべきタスクをこなし“ながら”聴けるラジオは、今の自分ととても相性がいいことに気づきました。そしてもうひとつ。夜は、つい自分と向き合う時間を作ってしまいがち。それが必要でもある半面、ネガティブな方へ傾いてしまうことも多いので、できる限り夜に大事な決断をしないようにしたいんです。そんなときにラジオからの声が、余計なことを考える隙間を埋めてくれる。ポジティブに一日を終えるために、欠かせない存在です。せせらぎの音や焚き火の音を聴いて、心を鎮める感覚に近いかもしれませんね。



今は生活も思考もシンプル。
クリアになるっていい!
この春、息子は小学生になります。お世話をしていた子育てから、向き合う子育てへ変わってきたことを実感。私にとっては、もうひと試練かな。けれどこの3カ月の間で急激に成長し、思いがけず“自立”という言葉が頭をよぎりました。まだまだとは思いつつも、一人でお風呂に入ったり、将来の夢を語ったりすることも。この前なんて、シャワーを浴びた息子がなかなか出てこないので「何してるの?」と聞いたら、「考えごとしてた」って(笑)。急に大人みたいな言葉を使うので、驚いてしまいます。きっと息子なりに、さまざまな状況を理解しようとしてくれているんですよね。そんな息子の姿が眩しくも寂しくもありますが、彼を信じて応援したいと思っています。
事務所から独立して4年。物理的に手が離れていく一方、難しい心の変化も増えていく子育ての今後を考えたとき、フリーという働き方が私の場合は合っていたと思います。そうでなければ、特殊な仕事柄、私のリズムに息子を巻き込むことが増えていたかもしれません。今はすべて自分で考えて決めているので、状況次第では休む決断もできる。責任と結果が自分にのしかかるプレッシャーはありますが、思考も暮らしもとてもシンプルになり、生きやすくなりました。今の私をつくるのは、子育てと仕事のふたつ。そのうち恋愛もしたいなあと思うけれど、今はそれがなくても楽しいので、きっと皆さんの想像以上にシンプルです(笑)。長く仕事を続けていると、数年に1度、“迷い”が必ずやってきます。これでいいのか、どんな仕事をしたいのか。昨年はその迷いを払拭する期間でした。動き続ければ安心は手に入るけれど、気づけば空っぽになっていたりもするし、休めば休んだで仕事をしたくなる。必要に迫られてから行動するのではなく意識的に立ち止まってみると、目標も悔しさも、大事にしたいことも明確になるのだと思いました。今年は、ドラマや舞台など、たくさんの作品が待っています。エンジンのかかったやる気とともに、“自分のペースで”演じ切りたいと思っています。
PROFILE
まえだあつこ
俳優。1991年生まれ、千葉県出身。アイドルグループ・AKB48の中心メンバーとして活躍。2012年にグループ卒業後は、俳優として数々のテレビドラマや映画、舞台に出演している。4月期のドラマ『人事の人見』(フジテレビ系火曜よる9時)では、ヒロインの真野直己役を演じる。息子さんは今年の春、小学生に。
撮影/佐藤航嗣〈UM〉 ヘア・メイク/高橋里帆〈Happy Star〉 スタイリング/坂野陽子 取材・文/藤井そのこ 編集/城田繭子、鈴木貴子
*VERY2025年4月号「オトナになっても好きなこと」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のもので、変更になっている場合や商品は販売終了している場合がございます。