母子家庭で育ち、14歳のときに母と死別した成宮寛貴さん。以降、6歳年下の弟の面倒を見ながら大学卒業まで養った。「弟をみてきたことが子育てというかはわかりませんが、“子育て”に正解はないけど、今思えば“こうすればよかったな”という気づきもあります」と当時を振り返ります。
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−−成宮さんが14歳、弟さんが8歳のときから、ご兄弟二人暮らしをされていましたね。ご苦労も多かったと思いますが、当時の生活はいかがでしたか?
小さい頃から母がフルタイムで働いていたこともあり、家事全般、食事の準備も僕がするような生活でしたから、日常の過ごし方で困ることはありませんでした。ただ、小学生の弟を親代わりとして育てていかなければならない。どうやったら弟を支えられるのか……悩んでいた時に俳優オーディションの話をいただき、芸能界入りを決意しました。
−−現在でも、共働き家庭や一人親家庭が増加していることにより、成宮さんのようなヤングケアラーの増加が社会問題になっています。当時の成宮さんを支えたものはなんだったのでしょうか?
やはり弟の存在ですね。もちろん、精神的にも体力的にもしんどいと思うことはありました。でも、守りたい、守らなければならない小さな弟がそばにいる。どんな時も前を向く気力を与えてくれて、踏ん張れる力になりました。
−−弟さんを育てるなかで、大切にされたことや感じたことはありますか?
僕が語るのもおこがましいのですが……。年も離れているので、弟がなにかに挑戦しようとしたとき“これは絶対失敗するな”と思ったら、厳しめにアドバイスをしました。男同士なので多少のパワープレーもありながら、違うよ、こうだよって。でも今思えば、もう少し手を放してあげてもよかったのかな。よっぽど違う方向にかけ離れていなければ、自分で考えて行動して、ちょっとの失敗であれば経験させることも大切なのかもしれない。極論、「子どもは勝手に育つ!」とも思います(笑)。
あと、若い頃って白黒つけがちだけど、大人になるにつれグレーの大切さがわかってきましたね。白と黒、YESとNO、はっきりさせないことが居心地よかったり、相手のためになることもあるなって。昔の僕は、ダメなものはダメ、違うことは違うと、弟に押し付けていた部分があったような気がして。もっと余白を持ってというか、グレーもありだよという大きな気持ちで、弟を育てたらどうなっていただろうという興味は湧きます。
−−成宮さんが思う、家族が幸せに過ごす秘訣とは?
なんでしょうね。些細なことだけど、互いに恥ずかしがらず褒め合ったり、けんかをしたら素直に謝ることでしょうか。「私は悪くないもん!」では、いい関係性は築きにくいですよね。夫婦って不思議で、家族だけど元々は他人同士。思いやりを持ち、尊重し合うことが大事なんじゃないかな。
あと、話し合いの時はお腹が空いていないほうがいい!というのが僕の持論(笑)。空腹だと平常心になりにくいので、母親と話す時はいつも、チョコレートやフィナンシェなどの甘いお菓子を準備していました。
−−成宮さんらしい気遣い!お母様との素敵なエピソードですね。最後にVERY読者にメッセージをお願いします!
家族のためにいろんなことを両立しながら、おしゃれも美容も頑張っている姿に僕も刺激をもらっています。年齢を重ねることに不安や焦りもあるかもしれないけど、年齢を重ねるほど、楽しみってきっと増えると思う。人生はまだまだ長いですし、おいしいもの食べて、たくさん笑って。周りと比べず自分なりの物差しを大切に、人生を豊かにしてほしいです。幸せって、意外と目の前にあるはずだから。
Profile
なりみや・ひろき 1987年9月14日生まれ。東京都出身。俳優。2000年に宮本亜門演出の舞台『滅びかけた人類、その愛の本質とは…』でデビュー。主な出演作に、ドラマ『ごくせん』(02年)、ドラマ『オレンジデイズ』(04年)、NHK大河ドラマ『功名が辻』(06年)、ドラマ『ブラッディ・マンデイ』(08年)、映画『NANA』シリーズ、ドラマ『相棒』シリーズなどがある。
ABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』 放送中!
累計発行部数1億以上突破のヒット作『金田一少年の事件簿』の天樹征丸原作の珠玉のラブ×サスペンスが実写ドラマ化。
神城澪(瀧本美織)は、命の恩人である神城真人(成宮寛貴)と再婚してもうすぐ1年、順風満帆な日々を過ごしていた。そんな折、近所で起きた「女性記者殺人事件」を境にして、澪の周囲に微妙な変化が。夫にまつわる不安な出来事の数々、気にかかる同僚の存在、事件直後から目の前に現れた怪しい男……。知らず知らずのうちに、澪は運命の濁流に引き寄せられていく――。
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原作は、累計発行部数1億部突破の『金田一少年の事件簿』をはじめ『神の雫』『エリアの騎士』など数々の大ヒット作で有名な天樹征丸、作画は『ホリデイラブ~夫婦間恋愛~』も話題の草壁エリザ。実力派ヒットメーカーが強力タッグを組んだ、謎が加速する“魅惑のラブ×サスペンス”は一気読み必至です! 『死ぬほど愛して 1』原作/天樹征丸 作画/草壁エリザ 880円※税込(光文社)
【衣装】シャツ¥29,700(ア ノーベル デイ/ジョワイユ)パンツ¥49,500(アーネイ/ジョワイユ)ネックレス¥170,500リング[人差し指]¥25,300(ともにマリハ)
撮影/曽根将樹<PEACE MONKEY> ヘア・メイク/INOMATA<&‘s management> スタイリスト/杉長知美 取材・構成/松井美雪