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「ひとつ捨てると新しいものが入ってくる」笹川友里さん×申真衣さん×山崎怜奈さん対談レポ

VERYモデルの笹川友里さんが共同代表を務める「NewMe」の1周年記念イベントが開催されました。オープニングセッションのゲストは申真衣さんと山崎怜奈さん。笹川さん自身が「背中を押してくれる金言をたくさんいただきました」というトークセッションの様子をダイジェストでお届けします!

やりたいことを「具体化」するのが実現の近道

──「オープニングセッションのゲストには笹川さん自身のロールモデルでもあるという、株式会社GENDA代表取締役社長の申真衣さん、タレント・ラジオパーソナリティとして活躍する山崎怜奈さんをお招きしました」。今回のテーマでもある「欲張りマインド」に関連して、仕事や夢にどんな「マインド」で向かっていますか……?

笹川友里さん(以下笹川さん)「働く女性から『身近なロールモデルが不在』『自分に自信が持てない』というお悩みを多く聞くなか、NewMeでは、キャリアもライフもハンドリングする女性を増やす、というビジョンのもとキャリアイベントや転職支援サービスを提供しています。申さんと山崎さんは活動の幅がとても広く、目標を定めてそれをクリアされているように見えますが、実際どのようなマインドを持っていますか?」

申真衣さん(以下申さん)「欲しいものを言語化する、ということは気を付けています。ジュエリーだったり、仕事でやりたいことだったり。自分の欲望の輪郭をはっきりさせて、仕事でも目標を明確化しています。そこからブレイクダウンし、今何をすべきか、自分はどうあるべきかを考えるようになりました」

山崎怜奈さん(以下山崎さん)「仕事もしたいし、休みも欲しいし、人にも会いたい。今は仕事の依頼はほとんど断らないスタンスなのですが、その代わりに絶対に休みたいタイミングは前々から決めています。私自身は個人事業主なので、仕事が早めに終わる日を有効に使うなど工夫して過ごしています」

「断るのが苦手」「嫌われたくない」…仕事に悩んだときは?

──仕事をする上で、「ついつい引き受けてしまってキャパオーバー」「相手に嫌われたくない」というお悩みも多いよう。みなさんは仕事をする上でどのように取捨選択をしているのでしょうか?

笹川さん「30代になった今でこそ無茶はやめようと思うようになりましたけど、20代はけっこう“断る”ということが難しかったんですよね。申さんはどのように線引きしているんですか?」

申さん「若いころは仕事においてみんなに好かれることが大事だったりもしますよね。かわいがってもらって、教えてもらうことで早く成長できる部分もあるし。一方で管理職になると好かれないし、嫌われかねないことを言わなければならないシチュエーションが出てきます。そこでうまく(方向)転換できない人もいるかと思いますが、思い切れるといいですね。私は思い返すと若いときに周りにあまり好かれていなかったので(笑)、スムーズに転換できたのですが」

山崎さん「全員に好かれるなんて無理だし、自分で自分の嫌いな点もある。自分を好きでいてくれる人がいればいいかなと思っています。相手を傷つけないようにということは極力努めるのですが、嘘をついても結局バレる。どんな時でも自分にも相手にも正直に、相手のことを否定もしないけれど“ああ、違ったんだな”と思った時はそっと距離をとるようにしています。遮断じゃなくて距離感を工夫するという発想ですね」

持っているものを捨てると新しいものが入ってくる

──ルーティンワークだけでなく、さまざまな活動に積極的なゲストのお二人です。守りに入らず、チャレンジを続ける秘訣はありますか?

申さん「心若くいたいとは思いますね。年を重ねるとあれもこれもできなくなると思いがちですけど、バリアになっているのは自分の心持ちのような気がするんです。断捨離が好きなんですが、持っているものを捨てると新しいものが入ってくる感覚があって。自分がしがみついているものを捨てると心が開いていくのを感じるので、自分でも心掛けています」

山崎さん「私は25歳で乃木坂46を卒業しました。嫌な気持ちで辞めない、とは考えていたのですが、逆に(乃木坂が)居心地がいい環境になってしまって。今自分が背負っているもののなかで、いちばん楽に働けているものを取り除かないと新しいものを取り入れられないと思ったんです。自分が背負っているリュックの中身を下ろす、交換するというイメージです」

申さん「大企業である程度出世していくと周囲には(そのキャリアを捨てることが)もったいないと言われることも。ただ退職することを決意したとき、今の自分であれば一度リュックを下ろしても、この仕事はまたいつでもできると思いました。捨てるのがもったいない、ではなく、積み上げたものはどこかに置いておけるという発想で、ダメだったら戻ればいいかなという感覚でした」

王道じゃないキャリアが自分を助けてくれた

──唯一無二のキャリアを切り拓いているお二人です。仕事を続ける上で心がけていることはあるのでしょうか?

申さん「好奇心に導かれるほうに……と思えるようになった背景にあるのは、会社員時代に頻繁に社内異動を経験したこと。キャリアの最初のほうは(専門性が養えず)苦戦したのですが、結果的に視野が広がったように思えます。従来の会社組織的な“いい道筋”じゃなくても、あえてユニークになることがジョブセキュリティをあげる、つまりオリジナリティのある人材になることが、自分の価値になるんですよね。それからは人とちょっとキャリアをずらしていこうという発想になりました」

山崎さん「グループ在籍当時から、周りがみんな本当にかわいくて! これから一社会人として生きていくと考えたとき、やっぱりビジュアル以外に自分の強みを持たないといけないと思いました。自分が元々好きなもので、どれが希少か、レッドオーシャンかを考えました。その結果、表に出すのをやめた個性もあります」

 

怖いのは「最初の一歩」だけかもしれない

──この春、新生活が始まるという人も多いはず。退職、転職など、人生を変える大きな決断をするのは難しいものです。それぞれの立場からのアドバイスをするとしたらいかがでしょう? どんな言葉をかけますか?

笹川さん「テレビ局員を辞めて独立するときの焦燥感や恐れは、看板がなくなったときに自分に何ができるんだろうという気持ちからきていたと思います。最初の1歩目が一番怖くて、2歩目以降は思ったよりも比較的軽やかにいける気がします」

申さん「最近の企業では(退職後の)“出戻り”を歓迎する風潮もあるので、一歩外に出てもまったく戻れなくなるわけでもないですよ」

山崎さん「(卒業したら原則戻れないアイドルグループを経験した立場から)両親からは“やりたいことがないなら勉強しておきなさい”とアドバイスされました。やりたいことが出てきたときに捕まえられるよう、武器のストックは多いほうがいい。やめるやめないの少し前の段階でインプットは大事だと思います」

「周囲からの期待に応えようとは思っていないんです」

 ── 女性のキャリア悩みでは「周りからの期待に応えられるか不安」というものも多いと聞きます。

申さん「私は期待に応えようとは思っていないんです。置かれた場で誰かから期待されることを察しても、それを人からの評価ではなく、自分の目標に設定しなおしています。人からの期待より高いことも低いことも、方向が違うこともありますが、目標は自分でコントロールしたいので」

山崎さんも「周りから期待されている、求められていると思うと動けなくなるので、そう思わないようにしています。期待されているところに(パフォーマンスを)置きにいくのは想定内なので、相手も自分も面白くないんじゃないかな。今の仕事でも、相手の期待を察しつつ、ちょっと飛び越えてみようかなとか、ここは表情で表現してみようかなとか、あえてスパイスを足すようにしています」

長く働き続けるための「息抜き」方法は?

──みなさん、仕事や育児に忙しい日々のなかでの「リラックス方法」はありますか?

申さん「子どもといると自然とスイッチオフできるかもしれません。子どもができる前は仕事のことを考えて寝られなくなったりもしましたが、今はリフレッシュできるようになりました。子どもに愛されると実感すると元気が出ます。疲れたときにわざと子どもに『お母さんのこと好きな人―!』と聞いてみたり(笑)。あとは身体が落ち着くと心が落ち着くと思っているので、しっかり休息しようと心がけています」

山崎さん「私は家に帰ってもつい仕事をしてしまったりするのですが、人と会ってごはんを食べたりお酒を飲んだりしながらいろんな話をするとリラックスできるのかも」

笹川さん「人と会いたいという気持ちが、私の場合メンタルのバロメータになっています。人に会いたいと思ううちはセーフ。人に会うのがかなり億劫になってしまったらアラート発動だな、と思ってあえてオフの時間を作っています」

大いに盛り上がったセッション。「今日ここに来て、会場のみなさんからとてもいい気をいただけた気がして気持ちが上がりました(申さん)」「私も道半ばなので今後のキャリアがどうなっていくのかわかりませんが、自分だけは自分の味方でいてあげようと常々思っていて、その下地の部分が改めてクリアになった気がします(山崎さん)」という感想を話していました。

※記事は2025年1月開催の「Inspire Women’s Choices ミレニアル世代×働く女性の祭典 ~キャリア・ライフを踏み出す一歩に出逢う~」のオープニングセッション「やりたいことは全部諦めなくていい。自分らしくキャリアもライフも充実させる欲張りマインドのすすめ。」より一部抜粋しました。

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