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2020年9月7日発売

780円(税込)

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周囲のママの目を気にして我が子を叱っちゃうのはなぜ?|SHELLYのこれってママギャップ?

まだママ歴4年にもなりませんが、これまで一番育児が辛かったのは、長女に相手を嚙むクセがあった時期。11カ月くらいから急に嚙むようになり、一時的なものだと思っていたのが、2歳2カ月まで続きました。喜んでテンションが上がったときにも嚙んでしまうようになったんです。公園に連れていって誰かが遊んでいると、違う公園に逃げて…というのを繰り返していました。

おもちゃの取り合いになったら絶対嚙むので、長女の口を手でおさえられるところにいないといけなくて。ママ友とランチしようという話になっても、『落ち着いたらぜひ』と言って避けていました。理解がある人でも、自分の子供が嚙まれたら『えっ』ってなると思うんです。その状態では会いたくなかった。辛かったなぁ。でも娘も悪気があってやっているわけじゃないのも母としてわかっているから、『頑張れ、乗り越えろ』という気持ちもあり。いろいろ調べて気持ちを落ち着かせるほうなので、育児本や記事を手当たり次第読みました。解決法としてあったのは、全部共通して『仕方がない。叱ってもいけないし、言い聞かせる』ということ。

大人だっていろいろクセがあって直すのは大変じゃないですか。嚙んだとき叱ると、まだ1、2歳だと『自分を構ってくれた』と思ってしまうことがあるので、嚙んだときには相手の子供に『大丈夫だった? ごめんね!』と声をかけ自分の子供を無視するべきだと。嚙めば自分が寂しい想いをするんだと、徐々に理解させるんですね。辛かったけど、途中途中で成長を感じられたのが救いで。嚙もうとして、うっと我慢したときは『嚙まなかったね偉いね!』と褒めました。児童館で嚙まなかったと褒めてるお母さんってヤバイかもしれないけど…(笑)。ただ、もしも自分の子供が叩かれたり嚙まれたりしたとき、その子の親は『(叩いた子供の)ママは、その子を叱るよね』という目で見ると思うんです。でも私は自分の子が嚙んでも叱らなかったので、心の中で、『みんな勘違いしないで! 自分の子供に甘いんじゃなくて、これが正しいという情報を信じているからこうしているんだよ』と叫んでいました。それをひっくるめて辛かった。

だけどここで感じたのは、周囲のママの目を気にして我が子を叱るパターンが結構ありそうだ、ということ。児童館や公園で、滑り台の順番待ちを我が子が飛ばしていたら、『ダメダメ、ごめんね!』と出ていっちゃう。

私もそうです。子供を叱らないママは、陰で何か言われるんじゃないかと先回りしてしまう。でも本当は、放っておいたほうがいい場面がたくさんあるはず。喧嘩したときに子供の社会に入っていってしまうのは、教育の機会を失っているなと思うことがよくあります。もちろん年齢にもよると思うけど、少なくとも、『私ちゃんと自分の子供叱ってるよ』アピールは必要ないんですよね。そうはわかっていてもついやってしまうの、本当になんでだろう。

30年前なら、おしりを叩く、頭を叩く、怒鳴るのが教育として当たり前だったけど、親世代の正解だと思われていたことはもう違うと証明され始めていますよね。怒鳴ることはただ萎縮させるだけで、肝心のなぜ悪いかは教えられない。言い聞かせたほうがいいと、みんなママたちはわかっているのに、“周囲の目”があるからとりあえず叱っておくことが起こる。こうした、見栄を気にしての子育てはもったいないなと思うんです(自戒を込めて!)。そして、みんなそれぞれの子育てをお互いに評価しないということも、すごく大切だと思います。

この間、うちの子がマンションのロビーで遊んでいたとき、『いいね、元気だね』と声をかけてくれたおばあちゃんがいました。そうしたらもう1人おばあちゃんが現れて、『ダメよ、ここ登ったら危ないから』。『いいのよ、痛い思いしないと子供はわかんないから』『いや女の子なんだからダメよ』と言い合いを始めて(笑)。これを見て、おばあちゃんになっても育児の考え方は交わらないものなのかもと思ったんです。重ならないのなら、お互いずっと気を遣ったり、合わせようとしてもしょうがない。相変わらず叱り方には悩んでいるけど、もし相談したりされたりしたときも、意見を押しつけたりせず、『わかるよ』って言い合えたらいいのかなぁって。そこのギャップは埋めなくてもいいのかも、と思っているところです。

◉SHELLY|シェリー
1984 年生まれ、神奈川県出身。14 歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。4歳と2歳の娘の母。

撮影:須藤敬一  取材文:有馬美穂   編集:羽城麻子
*VERY2020年1月号「シェリーのこれってママギャップ? Vol.1」より。

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