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祖父に伝えたかった「ずーっとずっと大好きだよ」【辻元舞さん】

愛情いっぱいの泣き笑い子育てエピソードに、共感したり、思わず涙してしまう、などファンの多い辻元舞ちゃんのブログがVERY誌面に登場。もちろん、イラストも舞ちゃんの描き下ろしです。

※本記事は過去掲載記事を元に再編成したものです。掲載中の情報は誌面掲載時のもので、変更になっている場合がございます。

辻元舞の
「自分ファースト」でいこう!

  VOL.35 

ずーっと ずっと だいすきだよ

2023年の年末に長男と次男を連れて、祖父に会いに行きました。小さい頃からおじいちゃん子だった私は、大人になってもよく一緒に京都の神社に出かけ、満月の阿闍梨餅や原了郭の黒七味などを買って帰るのがお決まりでした。上京してからは、回数は減ったものの帰省するたびに一緒に出かけていたのですが、長男出産、次男出産、コロナ禍など、最近は年に1、2回ほどしか会えなくなっていました。出産後は2人で出かけた記憶はなく、いつかまた、また来年…と月日が流れるうちに、気づけば祖父は足が悪くなり遠出はできなくなりました。

それでもLINEなどで頻繁にやり取りし、「プレバト‼」に私が出演した後は必ず、激励やお祝いの言葉をくれ、体調どう?と聞いても「こちらのことは気にするな。それより無理はするなよ」と気丈に振る舞い私の心配ばかりしてくれていました。いつも「わしが食べれんくなったら終わりやで!」と笑い飛ばしていた祖父でしたが、「最近はご飯が食べられなくなってきた」と母から連絡があり、年末に慌てて会いに行ったのでした。

一年ぶりに行った祖父の家には壁一面に私が「プレバト‼」で描いた作品のコピーが所狭しと貼ってあり、ずいぶんと痩せ細り小さくなった祖父が座っていました。時折り喋るのもしんどそうで、座っているのも辛そうで。現実を目の当たりにして色々な感情が溢れ、伝えたいことを言おうとするとうっかり涙が出そうになる。相変わらず祖父は私の前では「心配せんでもええ」と気丈に振る舞うので、私が泣く姿なんて見たがらないと思い、いつも通りなんでもないような会話しかしませんでした。「体に気をつけて。たくさん食べて」と別れましたが、我慢なんてせずたくさん触って感謝の言葉ももっと伝えればよかったと心残りでした。

東京に戻ったあと、長男と国語の宿題をしていると出てきたのが「ずーっと ずっと だいすきだよ」というお話でした。赤ん坊の頃から一緒に過ごした飼い犬のエルフィー。エルフィーが歳老いて遊べなくなっても、毎晩「だいすきだよ」と伝えて眠る。ある朝、エルフィーは目を覚まさなかった。悲しかったけど、毎日だいすきって伝えていた僕はいくらか気持ちがらくだった。気持ちを言葉にして伝える大切さを教えてくれるお話でした。

私は昔から気持ちを言葉にすることがとても苦手でした。大切なことだと分かっているのに、いざとなるとなかなか行動できない。このお話の中でも、「すきならすきといってやればよかったのに、だれもいってやらなかった。いわなくってもわかるとおもっていたんだね」という言葉が出てきます。その部分を読んで長男は「なんで?簡単なことなのに」と一言。そうだよね。言わなくても分かる、じゃなくて、大切な人には言葉と行動で伝えよう。と、この本を読んで改めて思ったのでした。

その後祖父とはちょこちょこ連絡を取っていましたが、会いに行った2週間後、私の出演する「プレバト‼」の放送を見た後に祖父は旅立ちました。慌てて会いに行ったことも、この本に出会えたことも、心が救われたような気がします。これからもきっと見守ってくれていると思うので、天国でも自慢できる孫でいられるよう頑張ります。ずっと大好きだよ。

今月の
舞・フェイバリット・タイム

ちびっこギャング(夫)の誕生日の一コマ。次男の誕生日が11月末に終わり、クリスマスが終わり、イベントごとが終わって落ち着く間もなく年末だ! 大掃除だ!と忙しない頃に夫の誕生日があるので、いつもサラッと済ませてしまいがち…笑。健康第一で過ごしましょう!

【PROFILE】
つじもと まい
1987年生まれ、モデル、タレント。
モデルとして活躍するとともに、バラエティ番組にも出演するなど幅広く活躍。特技は水彩画・イラスト・ダンスと、多彩な魅力を放つ。プライベートでは3児の母としての一面も持ち、ライフスタイルが垣間見えるYouTubeも注目されている。

 

文・イラスト/辻元 舞 編集/井上智明
*VERY2024年3月号「辻元 舞の「自分ファースト」でいこう!」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。
*出典:「ずーっと ずっと だいすきだよ」 作・絵/ハンス・ウィルヘルム、訳/久山太市(評論社)

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