※このコラムはVERY2023年7月号(2023年6月7日発売)に掲載されたものです。
子どもがびっくりするような価値観を持ち帰ってくること、ありませんか? 最近我が家でも立て続けに起きました。とある男の子から「ちょっかいを出されたり意地悪される」と話していた長女。様子をみていたのですが、ある時から急に「私、その男の子のことが気になる」と言い出したんです。どういう心境の変化なのかと聞いたら、「だって、ダディ(元夫)が〝それは君のことが好きなんだよ〟と言ったから」とのこと。それを聞いて、もう!って(苦笑)。
私の子どもの頃からよくありますよね、「好きだからちょっかい出す」というエピソード。でも、今の時代〝好きだから傷つけちゃう〟は違うと思うし、将来〝壁ドン〟でときめく女の子になってほしくないという思いを込めて、「そっか、ダディはそんなこと言ったんだね。でも好きな子には優しくするもので意地悪はしないんだよ、もし、それで好きだと言うなら間違った表現だから、彼はもっと表現を勉強しないといけないね」と伝え、元夫にも電話で説明。ともに「たしかにそうだね」と分かってくれました。
今度は次女で、『王子と騎士』という絵本を読み聞かせていたときのこと。お妃探しに出かけた王子が、結局お供の騎士(男性)を好きになるというストーリーで、これまで何回も読んでいたのですが、突然「男と男がキスするなんて!」と言い出して。すかさず姉が「男の子同士も女の子同士でも結婚できるんだよ!」と妹に言ってくれました(論点がずれるので、日本ではまだ同性婚が認められていないことは話していません)。きっと次女は、うちで伝えられてきたことと、お友達の反応が違うから戸惑う経験をしたんじゃないかなと思うんです。だから、私を試してみたくなったんじゃないかなって。
「王子と騎士も結婚できるし、誰を好きになろうとその人の勝手だから、周りがどうこういう問題ではないんだよ」と説明しつつ、きっとこういうやりとりってずっと続くんだろうなあと。当たり前ですが、親の価値観だけでは子どもは育たない。だからこそ、何度も繰り返し伝えていくし、一つ一つの言葉に気をつけたい、そう思った出来事でした。
◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。7歳と5歳と0歳の娘の母。
誕生日に大好きな干し芋を3キロもらいました(笑)冷凍と冷蔵で分けてじっくり楽しみます!
撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:羽城麻子
*VERY2023年7月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。