愛情いっぱいの泣き笑い子育てエピソードに、共感したり、思わず涙してしまう、などファンの多い辻元舞ちゃんのブログがVERY誌面に登場。もちろん、イラストも舞ちゃんの描き下ろしです。

※本記事は過去掲載記事を元に再編成したものです。掲載中の情報は誌面掲載時のもので、変更になっている場合がございます。

辻元舞の
「自分ファースト」でいこう！

　 VOL.20　

❝「自分ファースト」の小旅行❞

YouTubeやInstagramを見てくださった方もいるかもしれませんが、先日箱根ひとり旅に行ってきました。「100%！アピールちゃん」での挑戦や、その後の忙しい日々を全力で駆け抜けた結果、気が付けば心が疲れてしまっていたようで、夫に「ひとり旅にでも行ってきたら？」と言われたのがきっかけでした。

なんだか自分の様子がおかしいかもと思った頃にはもう、人の目を見て話せないし、気力がなくて今まで出来ていたことが頑張れない。とはいえ仕事の時はそうは言っていられないので、自分をなんとか奮い立たせて頑張るんですが帰ってからの落胆ぶりがすごく、疲労もいつもの倍ほどに感じる。こんな状態がいつまで続くのか分からない不安に押しつぶされそうでした。

ぶくぶくと沈んでいくのをなんとかもがこうとするけど、もがく度に反動でどんどん沈んでいくような感覚に襲われながら日々を過ごしていた頃、見かねた夫からひとり旅の提案でした。夫と子供たちと離れたいと思っている訳ではないし、人にも会いたくないし特にやりたいことなんか……自分は何がしたいだろう……と考え始めると、あれ？　なんか楽しいぞ。100%自分のためだけの時間をどう使おうか、考えるのがもうすでに楽しい。溺れていたところに手を差し伸べてくれたようでした。

池尻大橋から箱根まで高速バスで2時間かけて行きましたが、2時間の移動時間でさえ贅沢に感じ、箱根についてからは、子連れでは行けないし夫はアートに興味がないし……と遠のいていた美術館に行きました。好きな時に足を止めて絵を眺め、気になる絵に何度も戻って見に行ったり、それだけでもどんどん自分が満たされるのを感じました。旅館についてからは何度でも好きなタイミングで温泉に入れる贅沢、好きなものを好きなだけ食べられ、好きな時間に寝られる……！　心から幸せだと感じました。

よくインタビューなどでは、頑張りすぎず、まあいっか精神で！　と答えていましたし、このエッセイだってタイトルは「自分ファーストでいこう！」なのです（笑）。実際にそうしているつもりではあったのですが、それでもやっぱり自分の機嫌をとることを疎かにしていたんだなと気付きました。

そしてひとり旅に行く前にマネージャーに自分の状態を思い切って話した時に「400％頑張ろうとせず、ただいてくれるだけでいいんです」と言ってくれた言葉にもかなり救われました。それまでは自分自身「そんなはずない。いつもならもっと頑張れる」とあらがう気持ちがあったのですが、夫もマネージャーも私の気持ちを全て受け入れてくれたことで、自分自身を受け入れ、よく向き合い、前に進むことが出来ました。

ひとり旅でフル充電出来たその後はすっかり前向きに頑張れています。心の健康の大切さを改めて感じました。今後も自分で自分を満たすことを忘れず、よりマイペースでやっていこうと思います！

皆さんも日々頑張らねばならない事が多いかと思いますが、疲れたら見て見ぬふりせずに自分の機嫌をとってあげてくださいね。

文・イラスト／辻元 舞　編集／フォレスト・ガンプJr.
＊VERY2022年12月号「辻元 舞の「自分ファースト」でいこう！」より。
＊掲載中の情報は誌面掲載時のものです。