2度の出産、その後離婚を経験し、この春ピーターさん(※パートナーさんの呼び名。どうしてピーターさんと呼ばれているかは10月号誌面にて掲載中♡)との事実婚と、第3子の妊娠を発表したシェリーさん。連載「シェリーのこれってママギャップ?」でも、結婚・子育て観についても語ってくれていますが、今回は出産を目前にした心境や、パートナーとの生活について、誌面で掲載しきれなかったエピソードを紹介します。
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妊娠・出産って
いろんなものが足りなくなる
——もうすぐご出産ですね。ワクワクと不安の割合はどのような感じですか?
ワクワクもありますが、期待しすぎて思っていたのと違った!って、ことになってしまわないように、今回は今まで以上に冷静な自分もいます。
妊娠、出産、授乳って、ホルモンバランスがガタガタと崩れるじゃないですか。それに加えて、睡眠不足、栄養不足、パートナーとの会話不足…いろいろなものが足りない状態に陥るので、相手が今までと同じように接してくれていても、“それじゃ足りない!”ってなりそうな気がするんですよね。私はそこへの不安がものすごくあって、彼にその話をよくしています(笑)。私も余裕がなくなると思うし、もしかしたら私じゃなくなって、ホルモンに乗っ取られて別人みたいになるかもしれないからね!って。
彼は約2年前に、2歳と4歳というコミュニケーションがとれて可愛くなってきたタイミングで娘たちに出会い、とても楽しい時期を経験しているので「子どもって可愛い!」と思ってくれていると思うけど、赤ちゃんはそうはいかないから覚悟してよ~って言っています(笑)。
——なるほど。経験者ならではの視点ですね。1回目の(結婚の)ときは違いましたか?
やっぱり違うかも。当時は二人で「楽しみだね~!赤ちゃん生まれたらもっと幸せになるね~。おっぱいとかあげたりするのも楽しみー!!」って思っていました。それはそれでもちろん楽しかったですけど、現実問題、生まれたあとは、元夫にとっても想像以上に大変だったと思うし、私も「赤ちゃん期は乗り越える時期」っていう記憶が大きい。だからこそ、今回は夢見ているだけじゃなくて、あらかじめ冷静に予告できるっていうのもありますね。
その反面、彼には「悪いな」とも思っているんです。普通だったら、初めての子どもが生まれるときってワクワクドキドキなテンションなはずなのに「覚悟してね!」っていつも言われて(笑)。
——パートナーさんはどんな反応ですか?
実は、たまたま先日二人の時間ができたときに、はじめてベビー用品店に行ったんです。
私は「これはおさがりがあるから大丈夫」「これも姉からもらったしいらない」「哺乳瓶は必要でしょ、おしゃぶりも!」って淡々と選別していたら、彼がちょっと静かになっていることに気が付いて。彼の初めての大切な楽しみや、なにかを奪っちゃってるんじゃないかと不安になったんです。「あーそれはいらない!」とか一蹴してしまったりして。「あれ?大丈夫?圧倒される?」って聞いてみたら、彼は「普通だったらいろいろ調べたり考えたりしなきゃいけないのに、自分はシェリーが経験者だから全部教えてもらって、だいぶラクしちゃってるなと思って。むしろ申し訳ないなって思ってる」って言ったんです。それもびっくりしたんですが、そういう風に思ってくれているんだったらよかった!と安心したし、いろんな感じ方があるんだなと思った出来事でした。
>パートナーさんからもこの件について一言<
「ワクワクを奪われているとかは全然思ってません。というより正直ここまで丸腰で来てしまったなっていう焦りの方が大きくて。ラクしてきちゃったことがバレちゃったというか、シェリーが嫌な気持ちになってないかな?と思ったんです。僕も今まで下調べをちゃんとするタイプだったのですが、彼女は子育てや教育以外でも、僕以上に調べたり勉強しているのを知っているので。リスペクトしているし、信頼と実績があってつい頼ってしまっているところがあるなとハッとしてしまって(笑)。その空気を感じ取って『大丈夫?』って声をかけてきてくれましたね。これからも僕は僕にできることを見つけて、支え合っていけたらいいかなって思います」
私のことも娘のことも、リスペクトしてくれる関係性
——お互い尊重し合っていることが感じられるエピソードですね。お二人は普段から心がけていることなどはありますか?
実は今朝(撮影当日)も、事件があったんです。娘がテレビ観たさに朝の5時に起きて、ずっとテレビ画面の前にいて。私が「ちょっとテレビ見すぎだよ!」と娘に対してワーッと叱って。この先の展開どうしよう、大切なことだから、ちゃんと言わなきゃ伝わらないし…と考えていたときに、彼が娘に「ちょっとピーターと話しようよ!」と言って私たちの間に一歩踏み込んでくれたんです。そして娘を別室に連れ出してくれました。おかげで私は気持ちを落ち着かせられて、冷静に考える時間を持てました。しばらくして娘は部屋から出てきて、「マミーさっきはごめんね。でも今はこの話はしたくない。私から話したいときにちゃんと言うから」って言いに来てくれて。
彼が別室で娘とどんな話をしたかはまだ知らないけれど、ちゃんと私のことも娘のことも、リスペクトして、探りながら適度な距離感で、すっといい位置に入り込んでくれるのは、ありがたいなって改めて思いました。
——普段から子育ての価値観などについてもよく話し合われているのですか?
子育て限定ではないですが、お互いの考えをよく話していますね。信頼関係の上で、どんな内容でもたくさん話をして、お互いの考えを尊重するようにしています。私が離婚を経験した後は、いろんなメディアでフェミニズムやジェンダーなどについて意見を求められることが多くて、そのタイミングで出会った人だから、相手にどう思われるとか、そういうのは抜きにして、本音で語り合えていると思います。今朝の出来事も、正直、変な内容の動画を観ているわけではないし、たいしたことではないじゃないですか。だけどここでうやむやにしてしまうと、毎朝ちょっとモヤッとしたり、夏休み中ずっと娘の睡眠時間が削られてしまうから、ここはちゃんと話さないとなっていう気持ちと、引くに引けない自分のなかの葛藤もあって…。答えが有るようで無い、そんな育児の悩みってたくさんありませんか?というか、育児って日々そんなことだらけですよね!そういう些細な悩みに対して、興味なさそうにされたり、「それはこうだよ!」と断言したりするんじゃなくて、一緒になって悩んでくれる人がいると、それだけで私も気持ちがラクになるし、彼も彼なりに手探りで関わってくれているのがわかるから、それがすごく安心するし、思いやりなのかなって思いますね。
——今回の撮影(VERY10月号)をご家族でとっても楽しみにしてくださっていたと聞きました。お姉ちゃんは途中で眠そうでしたね(笑)。
テレビが観たくて5時に起きてしまったこともあるのですが、撮影が楽しみで、妹と2人でポージングの練習をしたり、イメージトレーニングをしたりもしてたんです。それで疲れちゃったのかな?(笑)
【編集後記】
今回の撮影(VERY10月号)をご家族でとっても楽しみにしてくださっていたというSHELLYさんファミリー。娘さん2人でポージングの練習をしたり、イメージトレーニングをしてくれていたなんて、とっても可愛いですよね。プロのヘアメークさんに髪を整えてもらって、とっても嬉しそうなお2人でした。撮影中も、カメラマンさんのリクエストに応えようと大盛り上がり。顔がぶれるどころか気付けばフレームの外へ、ととても楽しそうな写真が撮れました。また、娘さん2人がピーターさんめがけて全力でダイブする姿に信頼の厚さを感じました。次回の記事は、シェリーさんが自身の離婚を通して感じた、女性の自立についてをテーマにお届けします。(記事後編へ)
取材・文/渡邊里衛 撮影/倉本侑磨<Pygmy Company>