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【全文掲載】ryuchellさんとpecoさんがVERY本誌に語っていた「これからのこと」

ryuchellさんは自分のセクシャリティで悩み、pecoさんに打ち明けました。そして2人は8月25日にそれぞれのSNSで夫婦の形を卒業し、パパとしてママとして、人生のパートナーとして今までどおりに家族で暮らしていくことを公表。VERY誌面で公開された“2人の結論”、その全文をご紹介します。

※掲載の内容はVERY2022年10月号掲載時のものです。

夫婦ではなくなったけど
パパでありママであり
大切な人生のパートナー

──夫婦を卒業した今、自分にとってお互いはどんな存在ですか。

ryuchell 前々から夫婦でありながら女友達みたいな感じでもあって、僕はその感覚が徐々に強くなってるんですけど、正直なところ、距離感はまだうまく摑めていないです。でも、今までどおり仲よくしていきたいし、一番仲よくなれる存在だし、これからもずっと一緒に闘っていくんだろうなと思ってます。

peco 私もこの新しい形をまだ模索中のところもあるけど、もともと私たちは夫婦であり親友でありきょうだいでありっていうすべての関係を持っている存在だったのが、その中からひとつ、夫婦という関係がなくなっただけで、これからも人として大切だし大切にしてくれてるし、家族でありパートナーであることは変わらないっていう感じです。

──今回のお話は4歳の息子さんにはどう伝えていますか。

ryuchell まだ何も話してないんです。こういうことは何歳でとかじゃなくて、タイミングを見てと思っていて。息子に誇りを持ってもらえるように「あなたは愛があったから生まれてきたんだよ」と伝えて、これまでどおり、息子の居場所をしっかり作って守ってあげたいです。

peco 私は息子に「パパはこういう人なんだよ」と胸を張って伝えられるし、恥じる気持ちは一切なくて。いろんなことを理解できる年齢、それこそ息子から聞いてきたときに話すのがいいのかなと思ってました。けど、子どもって大人が想像する以上にすべてわかってるんですよね。だから、近々話してもいいのかなと思うようになりました。世間一般で言う普通の家族、普通のママとパパじゃないかもしれないけど、あなたは間違いなく愛されて生まれてきたし、これからもこの環境は変わらないよっていうことは伝えたいです。あと、外で友達に何か言われることはまだないかもしれないけど、悪口とかじゃなくシンプルに何か言われたときに知らないのは……。

──お二人のご家族を交えて話し合いもされたそうですが、どんな言葉をかけてもらいましたか。

peco 私のお母さんは、二人が考えて決めたことだったらというのはありながら、当たり前だけど〝まず息子のことを一番に考えて行動しないといけないよ〟と言ってもらいました。りゅうちぇるがどれだけ私を大切にしてくれていたかも知ってるし、今も最大の味方でいてくれてます。

ryuchell 僕の家族もみんな受け入れてくれて応援もしてくれてるけど、不安はあると思います。特にお母さんは、家庭のことだけじゃなく仕事のことも心配みたいで。僕がすべて我慢していれば誰も傷つけず、傷つくのは自分だけですんだのかなと思ったし、自分の選択に不安になったりもしたけど、今は自分たちで決めた形を進んで息子の笑顔を守ることでしか、安心させることはできないと思ってます。

NEXT>>>自身のセクシャリティについて“語れなかった”理由

──りゅうちぇるさんはこれまで、ご自分のセクシャリティのことをご家族や友達に話したことはあったのでしょうか。

ryuchell 親になんとなく打ち明けたことはあったし、沖縄の友達も知ってるけど黙ってくれてて。たまに会ったときに、別に何を言うわけじゃないけど「大丈夫?」「しんどくなったら言ってよ〜」と心配はしてくれてました。仕事関係の方には今回はじめて話しました。けど、夫婦を卒業するということは一人で考えて決断しました。それが結果的にてこ(ぺこさんの愛称)を傷つけてしまって。

peco 私はそこが一番悲しかったですし、怒りの気持ちがありましたね。勝手に一人で決めて伝えてきたことに。内容的に言いにくいのはわかるけど……。

ryuchell てこにはセクシャリティのこともずっと言えなくて、本当に苦しくて、カウンセリングに行ったりもしました。自分ではカウンセリングに行くタイプではないと思っていたのに。どうやって生きていけばいいかわからないし、こうやって生まれてきたことは悪くないとしても、目の前にある大事なものを卒業しようと思ってしまう自分がとにかく憎かった。けど、やっぱり自分にしか答えはなくて、何度も考えました。

peco りゅうちぇるは私に申し訳ないことが辛いと言ったので、それは自分だけの弱さの話だし、もっと強くなってとも言いました。ただ、そのときのりゅうちぇるは精神状態が普通じゃなかったので、何が息子にとって一番かをちゃんと考えようよって。りゅうちぇるは〝私の夫〟なのが嫌なんじゃない、これからも家族で暮らしたいと言ってくれて。それを信じて、今までどおり一緒にいることが息子にとって一番の幸せだよねということで収まりました。

ryuchell てこに打ち明ける前から、夫婦じゃなくなっても3人で暮らしたいと思っていました。ただ、てこは自分がしんどくても子どもを幸せにするという考え方だけど、僕は自分が幸せじゃないと子どもに幸せがいかないっていうことを、自分が不安定になって辛かった経験も経て実感していて。そんな弱い自分がすごく憎かったりもしたけど、そこは根本的な違いだったので時間をかけて話をしました。

これからもしっかり
向き合って、幸せな時間を
たくさんシェアしたい

──今日いろいろお話しいただきましたが、改めてお互いに伝えたいことはありますか。

peco 夫婦ではなくなったけど、人生のパートナーでありママとパパであり、友達でありきょうだいでもあり、いろんな関係を共有しているので、あまり難しく考えないで今までどおり楽しく、喧嘩もめっちゃするだろうし。ただ、今まで以上に思いやりを持たないとやっていけないと思うので、そこはお互い肝に銘じておこうねって。

ryuchell パパとしての誇りを持てているのは息子とてこのおかげなので、パパにしてくれてありがとうと言いたいです。僕はメークもするしセクシャリティもヘテロではないし、大きいピアスもネイルもする。こうやって徐々に自分を出せるようになったことでいいことも傷ついたこともあるからこそ、息子が傷ついたりしんどいときに理解してあげられる、守ってあげられる部分もあると思うんです。そして、僕が持っていないものをてこは持っていて、息子には僕たち二人が必要だ、と誇りを持って思えるので、これからも相談し合って息子を育てていくし、しっかり向き合って、これまでと同じように幸せな時間をいっぱいシェアしていきたいなと思います。

今まで一緒に歩いてきて、
これからも一緒だけど。

【ryuchell】デニムジャケット¥5,390(原宿シカゴ 竹下店)ハーフパンツ¥6,490(BUD)その他/スタイリスト、本人私物【peco】ブラウス¥5,390(BIG TIME 下北沢)ベスト¥2,750(Little Trip To Heaven 下北沢)その他/本人私物

●PROFILE

ryuchellさん
1995年沖縄県生まれ。モデル、タレント、YouTubeなどマルチに活躍。著書に『こんな世の中で生きていくしかないなら』。育児セラピスト1級、食育インストラクターの資格も持つ。

pecoさん
1995年大阪府生まれ。原宿系ファッションのカリスマ読者モデルとして人気を集める。2018年男の子を出産。現在は子育てに専念する傍ら、育児や生活の様子を投稿したSNSが人気。

撮影/吉澤健太 ヘア・メーク/megu スタイリング/曽我一平 取材・文/宇野安紀子 編集/井上智明
*VERY2022年10月号「りゅうちぇるさん×ぺこさん「夫婦でなくてもいい〝新しい家族のカタチ〟」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。

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