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長女の不登校と3人育児、「100%お母さん」を辞めてみたら……

ようやく小学生になった子から「学校に行きたくない」と言われることがあります。「学校に行ってほしい」「でも無理に行かせても……」「仕事はどうなる?」葛藤とその先にあるそれぞれの選択を2回シリーズでお届けします。3人子育て中のママの体験談の1回目後編です。

>>前編はコチラ

お話を伺ったのは……
T.Nさん(薬剤師・35歳/小4、小1、年中のママ)

ママだって人間であることを知ってもらう

長女の不登校を機に退職。自身の虐待の経験からペアレントトレーニングを受け、娘とべったりではなく、勉強は夫に任せる、など適度な距離をとるようにしたTさん。

 

──その後の生活はいかがですか?

仕事や自分の趣味で娘と離れる時間を意識的に作る一方、平日に休みをとった日などは私の友人に親子で一緒に遊んでもらうことも多いです。私が子どもの頃、母親のことは「100%お母さん」という存在だと思っていました。でも実際は違いますよね。私が友だちといるときの「普段のお母さんではない姿」を見ると、お母さんだけど、この人はひとりの人間でもあるということが子どもにもわかるのではないかと思うのです。私にはモデルとか声優、アーティストなど一般の勤め人とは違う働き方を選んだ友人がたくさんいます。毎日決まった時間に出勤して机に向かう仕事ではないけれど、ちゃんと社会で生活している人もいるんだということも知ってほしい。友人たちは娘が学校に行けないという事情を知っていたけれど、何も聞かずに一緒に遊んでくれました。ありがたかったです。やっぱり家でひとりでずっと子どもの相手をしているとしんどいですから。イラストレーターの友人が絵を描くのを教えに家まで来てくれたり、いろんな特技のある人がいていろいろな生き方があるということを見せられたことは娘にとっても良かったと思います。娘のことがあってから夫はフルリモートで仕事ができる会社に転職しました。今まで大変だった送迎も負担が少なくなったので夫婦で話して私は復職することにしました。10年ぶりのフルタイム勤務です。現場に戻ってみると立場としては中間管理職なので大変なことも多いです。仕事がはじまってからは、もともと苦手な家事がままならないので、家事代行サービスも利用して何とか乗り切っています。家事代行を使うことに私はためらいがあったのですが、夫は、私が時間的精神的余裕をなくしてイライラするくらいなら外注するほうがいいんじゃないか、と。実際に使ってみて、私自身も苦手なことは無理にするよりお金を払って他人に任せたほうがいいなと思うようになりました。お金はかかりますが、私が働いていなかったらもともとなかったお金なのだからと割り切って、そのぶん貴重な週末の時間は家族で過ごすために使おう、家族が楽しく過ごせることを優先しようと考えています。

 

海外の子どもたちを家に招いたら……

──ほかに娘さんと一緒にやっていることはありますか?

言葉の多様性を知る多言語学習も習い事として取り入れました。学校が苦手な娘が友だちをつくることが難しいかもしれない。でも日本以外の国の人や言葉を知ることは、孤独に陥らないひとつの手段なのではないかと思うのです。いろんな国の言葉を知って今まで知らなかった世界の人と出会うと、彼女にとっては気持ちが楽になるんじゃないかと考えました。コロナ前はホームステイ先としてベトナム、マレーシア、中国からの留学生を受け入れました。最初の2人は英語もできたので比較的コミュニケーションがとりやすかったですが、3人目に来た中国の男の子は日本語はもとより英語も全くしゃべれない状態。スマホやボディランゲージを駆使して何とかやりとりしていました。それでも娘とはお互いゲームが好きで、一緒に遊ぶなかで言葉がわからないながらも意思疎通ができていて驚きました。この体験を通して娘はずいぶん気持ちが変わったようです。もともと学校などでも、「ペーパーテストは得意でも、体験型の学習は気がすすまない様子」と指摘されていた娘です。今まで外に出るのは嫌、語学もできないし海外なんて怖い、と言っていたのに他の国に行ってみたいと言うようになりました。少し成長した娘の様子を見ていると挑戦してみてよかったなと思っています。

 

これからの進路のこと

──今後の進路についてはどのように考えていますか?

今は中学受験のための進学塾にも通っています。それでも、「塾の宿題ができていないから行きたくない」、というようなことはままあって。勉強自体はやればできるタイプではありますが、今の現状で合格は簡単ではないと思います。私はあまり口出ししないようにはしていますが、目標を前にして嫌なことがあるからすぐに逃げるというのはもうそろそろやめたほうがいいかなとは話しています。この間、社会で日本の川の名前を覚える問題が出たのですが、「こんなの覚えても仕方ないじゃん。なんで一生見に行かなそうな川の名前覚えなきゃいけないの?」とかそんな感じなんですよ(笑)。まあ、私も同じようなことを考えてはいたので気持ちはわかるのですが。それから、万が一希望の学校に合格して高い授業料を払ったとしても、入学後に通えるかどうかはわかりません。まだ下の子が2人いるしお金が無限にあるわけではないので……。今は朝9時半から始まる適応指導教室に通っていますが、私立で電車通学するとなると早朝に起きなければならず、娘にそれができるのかも不安です。本人の思う進路に進ませてあげたいけれど実現には難しいところもある。受験まであと2年ほどあるので、よく話し合って決めたいと思います。通信制の学校も選択肢の一つだとは思うのですが、できたらやっぱり学校に通って年相応の楽しいことや今の年齢でしかできないことをたくさん経験してほしいと思っています。

取材・文/高田翔子

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